サウナのあとに着たくなるウェア。
そんなテーマのシャツとズボンが
「HoboとSauna」からデビューします。
デザインをお願いしたのは、
パジャマメーカーのNOWHAWさん。
リラックスウェアとしての心地よさと
外着としての強度をあわせもった
サウナ好きも納得のウェアが完成しました。
商品の特長やおすすめポイントなど、
NOWHAWの十河幸太郎さんにうかがいました。
十河幸太郎(とがわ・こうたろう)
1980年生まれ。北海道出身。
“寝心地最優先”を合言葉に、
ON/OFFに作用する心地よい寛ぎのための
ナイスパジャマを提案する
「NOWHAW(ノウハウ)」を2013年にスタート。
妻のチューソンとともに夫婦で活動を行っている。
-
- ──
- 今回、NOWHAWさんには、
「サウナのあとに着たくなるウェア」という、
けっこう無茶振りな相談だったと思うんですけど。
- 十河
- いやいや、全然そんなふうには思ってなくて、
むしろ「サウナのあとに着るウェア」って聞いて、
そんなの聞いたことがなかったので、
単純におもしろそうだなって思いました。 - 以前にもほぼ日さんとは
パジャマづくりでご一緒していたので、
その延長線上にあるような、
「リラックスした時間に向けたものづくり」
という感じで考えていました。
- ──
- ふだんのパジャマづくりとは違いましたか?
- 十河
- ふだんと大きく違ったのは、
「外着」として着られるかどうかってところですね。
最初はとにかく気持ちいいものを
つくろうっていう考えだったんですけど、
サウナって公共の場でもあるので、
人から見られたときにどうかとか、
そういうところがパジャマとは違いましたね。
- ──
- 打ち合わせの中でも、
「電車に乗ってもだらしなく見えない服」
というキーワードが出てましたよね。
- 十河
- そうです、そうです。
「サウナのあとに着替えて、
そのまま家まで帰れる服がいいですね」
みたいな話をしたのを覚えています。 - そうなると、軽くて柔らかくて、
というのは当然なんですけど、
それでいて下着が透けたりすることなく、
視覚的にも使い勝手的にも
「外着としての強度」が必要になります。
そういう意味では、
生地選びはかなり苦労しましたね。
- ──
- 生地選びのポイントはどこだったんですか。
- 十河
- 「軽くて柔らかい」と「透けにくい」は、
けっこう矛盾する要素なので、
そこをどうするかはけっこう悩みましたね。
最終的には、表面に綿平織の生地、
裏面に甘く撚った糸で織った
ガーゼ生地を使うことにしました。
- ──
- 生地を二重にしたんですよね。
- 十河
- そうです。
「接結」っていう手法を使って、
表と裏が離れないように糸で留めています。
よーく見ていただくと、
留めてる糸がちょっと見えると思うんですけど。
- ──
- あー、たしかに。
言われないと気づかないですね。
- 十河
- 表と裏をピターっとくっつけるんじゃなく、
こうやってポツポツと糸で留めることによって、
表と裏のすきまに空気が入って、
すごくふんわりした着心地になるんです。
二枚とも厚い生地ではないんですけれど、
重ねて使うことで、薄くて軽くて、
しかも透けにくくすることができます。
- ──
- しっかりした見た目なのに、
さわり心地はすごくやわらかですね。
- 十河
- 最終工程で生地の芯からほぐしているので、
ふっくらとした風合いに仕上がります。
- ──
- 襟も大きすぎず、小さすぎず、
リラックス加減がちょうどいい感じですね。
- 十河
- 体温調節がしやすいように、
ボタンを開けても閉めても様になる
オープンカラーのデザインにしました。
両サイドのポケットは「片玉縁ポケット」で、
ジャケットを羽織るような感覚で着ていただけます。 - あと、ちょっとした遊び心なんですが、
左ポケットの下に小さなポケットがあって、
ここには昔ながらの銭湯でよく見る
下駄箱の木札が入れられるようになっています。
- ──
- ジャケットのように見えますが、
持ってみると思ったより軽いですよね。
- 十河
- ふつうの外着に比べると、全然軽いと思います。
- ──
- ズボンも同じ素材ですか?
- 十河
- 生地は同じです。
ズボンはくつろぎやすいように、
お尻まわり、太ももまわりはゆったりしたつくりです。
ウエストはワイドなんですけど、
裾に向かってゆるやかにテーパードさせてます。
- ──
- ゆったりしたシルエットでも、
あまりだらしなく見えないのがいいですよね。
- 十河
- パジャマってストレートな形が多いんですけど、
やっぱり外に着て行くということと、
サウナの前後をいろいろ考えたときに、
徒歩や自転車で行く方も多いと思うんです。
そういう意味では、
パンツの裾がテーパードしているので
自転車なんかにも乗りやすいと思います。 - 右前には1ヶ所だけベルトループがあります。
ベルトを通す用じゃなく、
ウォレットチェーンを引っ掛けたり、
家の鍵をかけたりしてお使いいただけます。
- ──
- シャツは素肌に着ても大丈夫ですか?
- 十河
- もちろんです。
適度な開襟にしてあるので、
女性でも胸の開きが気にならないと思います。
- ──
- ゆったりした感じと、
だらしなくならない感じが
ちょうどいいバランスだなって思います。
- 十河
- ありがとうございます。
ぼくらはパジャマをつくるときも
同じように考えるんですけど、
パジャマ姿のままいてもだらしなくないというか、
「まだパジャマでいるの?」って
後ろめたくならないようなデザインを心がけています。 - 正直なことをいうと、
ぼくらは根っこがパジャマメーカーなんで、
やっぱりサウナから帰ってきて、
そのまま眠くなってしまったら、
これを着たまま寝ても全然いいと思っています。
- ──
- 十分リラックスできそうですね。
- 十河
- なんだったら、サウナに行かないときは
部屋着やパジャマとして着ていただけます。
基本的には縫いしろや断ち端も、
肌当たりがいいようにつくってますし、
肩幅やアームホール、身幅や着丈といったバランスは、
これまでパジャマで培った
経験や知識を反映させてつくりました。
そこはぼくたちも自信がありますし、
それでいて「外着としての強度」もあります。
- ──
- サウナのあとに着るだけじゃなく、
外でも全然着られるし、
なんだったらパジャマとしても使える。
そうなると1着じゃ足りないかも(笑)。
- 十河
- ほんとうにそれぐらい
いいものができたと思っています。
とにかく最初の頃から
「自分たちが欲しいものをつくろう」
と言っていたのですが、
ちょうどバランスのいいところに
着地できた気がします。
商品のご購入は「HoboとSauna」からどうぞ!