ブルース・ハープをご存知ですか?
穴が10個だけの小さなハーモニカ。
手に収まるほど小さいのに、
驚くほど豊かな音色をもっています。
ボブ・ディランやビリー・ジョエルが
イントロや間奏で吹く姿を見て
ちょっと憧れたりしませんでしたか?
山崎まさよしさんのハーモニカも
味わい深いですよね。
学校で触れたハーモニカと
同じ楽器とは思えない格好良さです。
そのブルース・ハープを吹いてみませんか?
教えてくださるのは、
30年以上スタジオ・ミュージシャンとして
数多くのアーティストのアルバムやライブに
参加してきた松田幸一さん。
たとえば、荒井由実「コバルトアワー」の
参加ミュージシャンを見ると、
ベースの細野晴臣さん、
コーラスの山下達郎さん、大貫妙子さんと並んで
ハーモニカは松田幸一さんです。
たとえば「雨のステイション」を
聴いてみてください。
ハーモニカを吹いているのは松田さんです。
あるいは、大滝詠一&山下達郎バージョンの
「幸せのさよなら」。
このハーモニカも松田さんです。

楽譜が読めなくても大丈夫。
ハーモニカを口にしたことがなくても大丈夫。
みんなでいっしょに、楽しく、
「聖者の行進」を吹くことを目標にします。
どうぞお気軽にご参加ください。
ところで、ハーモニカと書いたり
ブルース・ハープと書いたりして、
わかりにくいですよね。
実は「ブルース・ハープ」は
もともとは商品名なのだそうです。
10ホールズと呼ばれる10穴ハーモニカのうち、
Hohner社のあるモデルの名前が
「ブルース・ハープ」でした。
Hohnerは150年以上の歴史を持つドイツの会社です。
これが大ヒットしたため、いまでは
ブルース・ハープは10ホールズの
代名詞のように使われることになったそうです。
(まだわかりにくいですか?
「ピアニカ=商品名」と
「鍵盤ハーモニカ=一般名」の関係と書くと
伝わるでしょうか?)

お手元にブルース・ハープがない方、
持っているけど、新しいのが欲しい方、
今回、御茶ノ水の谷口楽器さんのご協力を得て
ブルース・ハープ(キーはC)を特別価格でご用意します。
モデルはHohner社の「Special 20」。
木製ではなく、樹脂ボディを使っているため、
丈夫で気密性が高く、
初心者にも吹きやすいタイプだそうです。

>松田幸一さんプロフィール

松田幸一(まつだこういち)


ほぼ独学でハーモニカを身に着け、30年以上スタジオ・ミュージシャンとして数々のアーティストのレコーディングやライブに参加。荒井由実「コバルトアワー」や福山雅治「f」、GONTITI「SUNDAY MARKET」など、参加作品は100を越す。数多くのミュージシャンの「ハーモニカの先生」でもある。

  • 「呼吸する楽器」

    講師を務めてくださる松田さんに、
    ハーモニカの魅力を語っていただきました。

    ――
    ハーモニカの良さって何ですか?
    松田
    呼吸する楽器なんですよ。
    吹いたり吸ったりするでしょう。
    そんな楽器は他に見当たらない。
    他の楽器は吹くばっかり。
    そして実はこの楽器、
    「吸う」ところがとてもいいんです。
    ハーモニカは吸う音の中に
    いい音がいっぱいある。
    音を揺らしたり、ほわ〜んとあげたり、
    ひゅうと落としたり。
    「吸う楽器」と言ってもいいくらい。
    ハーモニカは、
    ちゃんと息が通れば鳴る楽器なんです。
    逆に言うと、
    呼吸できていないと音が出ない。
    ――
    そんなことがあるんですか?
    松田
    最初、緊張して口が固まると
    吹けない人はいます。
    でも、ちゃんと呼吸していれば、
    いい音が出ますよ。
    感情はぜんぶ呼吸の中にある。
    悲しい息が作る音や、明るい音、
    落ち込んだあと、
    その悲しみを乗り越えたその先に、
    ブルースの明るさがあったりする。
    長いこと吹いてきて、つくづく
    これは「呼吸する楽器」だと思います。

    ハーモニカとの長いつきあい

    ――
    松田さんのハーモニカとの出会いは?
    松田
    小学校2年生くらいのときに
    母がハーモニカを買ってきて、
    吹き方を教えてくれました。
    ブルース・ハープではなくて、
    上下二段になっている複音ハーモニカです。
    学校では、担任が音楽の先生で、
    6年生まで持ち上がりで
    ハーモニカ・オーケストラを作ったり、
    環境が良かったですね。
    ピアノみたいに楽譜で教えるより、
    ハーモニカは好きなように吹けばいい。
    それでいいと思うんです。
    吹けばすぐに音が出るし、
    ちょっと教えてあげれば、
    どんどん上手になる。
    僕はそんな風にして、
    ずっと吹いてきましたね。
    ――
    他の楽器に浮気しなかったんですか?
    松田
    しましたよ(笑)。
    60年代にフォークやロックが出てきて、
    ビートルズが出てきて、
    そりゃ、そっちの方がいいですよね。
    ギターを弾いたりしました。
    そのうち、ボブ・ディランを聴いたり、
    ブルースを聴くようになって、
    ブルース・ハープをやりだすんだけど、
    先生なんていないから、独学です。
    レコードを何回も何回も再生して、
    耳から憶えました。
    ――
    仕事としてハーモニカを専門にされたのは、
    どのようにして?
    松田
    40歳くらいまでは、
    僕はフォーク畑にいました。
    アマチュア時代の谷村新司の
    ロック・キャンディーズというバンドで
    コントラバスを弾いていた。
    ――
    え、コントラバス?
    松田
    そう。コントラもいいな、と思って、
    ひょんなことから弾くようになった。
    でも、80年代にはいって
    フォークブームが下火になって、
    仕事がなくなっちゃった。
    俺はこれからどうすればいいのかな? 
    と立ち止まって考えたとき、
    いちばん得意な楽器はハーモニカだと
    改めてわかったんです。
    それまでは身近な楽器すぎてわからなかった。
    当時、ハーモニカの教本がなくて、
    出版関係の友達から書いてみたらと言われて
    自分が勉強したこと、知っていることを
    1年かけて書いたんです。そこで、
    「これからハーモニカでやっていこう」
    と決めたんです。でも、当初は、
    ブルース・ハープ自体が知られていなかったし、
    アレンジャーもよくわかっていなかった。
    今はだいぶ認識されるようになったけどね。
    ――
    松田さん、いろんなアーティストの
    「ハーモニカの先生」でもあるんですよね?
    松田
    いろんな人に教えましたよ。
    竹内まりあさんとか。
    デザイナーのヨウジヤマモトさんは、
    フォークもブルースも好きで
    ヨウジヤマモトバンド、いっしょにやりました。
    いかりや長介さんにも、
    一度教えたことがあります。
    アフリカの子供たちに
    ハーモニカをプレゼントしに行くときに、
    「自分も吹きたいから」とおっしゃって、
    呼ばれて教えに行ったことがあります。

    あの有名なイントロも……

    ――
    ブルース・ハープといえば、
    前から気になっているフレーズがあるんです。
    ビートルズのデビュー曲
    「Love Me Do」のイントロ。
    松田
    ああ、はいはい。あれね。
    ――
    初心者でも
    吹けるでしょうか。
    松田
    吹けます!
    僕、あんまり吹いたことないけど、
    大丈夫ですよ。

    そう言って、さらりと吹いてくださったのが、
    この動画の後半に出てきます。
    お聴きください。

    ワクワクしてきませんか?
    松田さんのガイドで、
    ブルース・ハープの世界を
    のぞいてみましょう。
    (終わり)

    【開催概要・チケット購入について】

    [チケットについて]

    ■開催日時
    2022年7月5日(火)
    昼の部: 13:00~14:30
    夜の部: 18:30~20:00(※収録あり)
    (松田さんのミニコンサートも含みます。
    昼と夜の内容は基本的に同じですが、
    夜の部のみ、ほぼ日の學校の収録を行います。
    ご都合の良い方を選んでご参加ください)

    ■出演
    松田幸一さん

    ■場所
    ほぼ日の學校
    千代田区神田錦町3-9
    神田ポートビル 2F(受付)

    ■入場料
    ・ハーモニカ付き:5,500円(税込)
    (「Special 20」1本を含む)
    ・ハーモニカなし:1,600円(税込)
    (ブルース・ハープ=キーC=をお持ちの方)

    ■販売席数
    昼の部、夜の部、各20席(全席自由)

    ■チケット申し込み
    2022年6月17日(金)午前11時受付開始
    (売切れ次第終了)
    ・チケットは、e+にて販売いたします。
    ・ご購入には、e+へのご登録が必要です。
    ・お一人様2枚までご購入いただけます。
    ・募集人数が限られておりますので、
    確実に来られる場合のみご購入ください。
    ・チケットの転売はご遠慮ください。

    ※チケットは完売しました。
    (イープラスのチケット販売ページはこちら

    ■当日の入場について
    ・当日30分前に開場し受付を開始いたします。
    (それ以前にはご入場いただけません。)
    ・発熱や味覚障害などの症状のある方は
    来場をお控えください。
    ・会場内では必ずマスクをご着用ください。
    ・受付時、非接触型体温計にて
    検温させていただきます。
    (37.5度以上の方は入場を
    ご遠慮いただきます。)
    ・入場時、除菌アルコールをご利用ください。

    ■座席について
    ・全席自由です。

    ■場内撮影について
    ・当日は映像、写真や音声が収録され、
    編集したものが、ほぼ日刊イトイ新聞の
    WEBサイト、ほぼ日の學校のアプリ、
    その他の媒体、TwitterやFacebookなどの
    SNSで公開されることがあります。
    ・映り込みNGの方はチケット購入を
    ご遠慮ください。
    ・開演後の許可されていない撮影ならびに
    録音は禁止とさせていただきます。

    ■公演に関するお問い合わせ
    ・school-event@1101.com宛に
    「松田幸一さんブルースハープ」
    という件名でお送りください。
    なるべく早くお返事いたしますが、
    お待たせすることもございますこと、
    ご了承ください。