雑誌やCMなどでモデルや女優のメイクを担当する、
人気ヘアメイクアップアーティストの草場妙子さん。
自分がいいと思ったスキンケアやメイクアイテムを紹介する
インスタグラムも人気。
そんな草場さんが、ほんのちょっと変えただけでも
変化がでると言うのが「眉毛メイク」。
ほぼ日の學校で特別に、眉毛だけのメイクのコツを、
考え方とともに丁寧に教えていただきました。
動画で配信中の「ほぼ日の學校」の授業の一部を読みものでご覧ください。

>草場妙子さんプロフィール

草場妙子(くさばたえこ)

ヘアメイクアップアーティスト。熊本県出身。
雑誌や広告、CMなどを中心に幅広く活躍。
自分で使っていいと思ったスキンケアや
メイクアップのアイテムを紹介する
インスタグラムが人気。
書籍に『TODAY’S MAKE-UP 今日のメイクは?』
(アノニマスタジオ)がある。

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オフィシャルウェブサイト

  • 草場さんにとって眉毛メイクは?

    眉毛メイクは、その人のメイクの要で、
    印象を左右するものだと思っています。

    例えば顔の印象を変えようと思った時、
    アイメイクに力を入れて
    アイシャドウの色を変えたり、
    マスカラを多めに塗ったりする人は多いと思います。

    それでももちろん変化は訪れますが、
    眉毛は、ほんの少し変えただけでも
    大きく変化が訪れるポイントだと感じています。

    私もメイクをする際は、
    眉毛をポイントに置くことがよくあります。

     

    眉毛メイクの3つのアイテムの使い方

    アイブロウメイクには
    さまざまな種類がありますが、
    基本的には3つです。

    アイブロウパウダー、
    アイブロウマスカラ、
    アイブロウペンシル。

    アイブロウパウダーは1色だったり2色だったり、
    3色や4色入っているものもあります。
    そういったものを、
    こういったブラシを使って入れます。

    複数色入っている場合は、
    濃淡がついてるものが多いので
    混ぜて使ってもいいですね。

    眉毛を自然に見せるために
    濃いところと薄いところを
    作って仕上げることもできます。

    アイブロウパウダーは、
    ふんわりと色を乗せる際に役立つアイテムで、
    柔らかく仕上げたい時に活躍します。
    ペンシルとパウダーを重ねることによって、
    色落ちしづらくする効果もあります。

    次に、アイブロウマスカラは、
    まつ毛のマスカラのような形状です。

    こういったものなのですが、
    このスクリューブラシを使って
    毛流れや色を整えます。

    少し前のアイブロウマスカラの役割は、
    眉毛の色を変えるもの、
    黒い眉毛の人が髪をブロンドにした時に使うもの、
    という印象があったと思います。

    最近は、しっかりと色付けをするというよりも、
    色を整えながら、赤みを含ませて整えたり、
    毛流れをしっかりと作って立体的に見せる、
    という役割もあります。

    3つ目のアイブロウペンシルですが、
    私はこのなぎなた型が好きです。

    この良さは、ペンシルを立てて、
    細く一本一本描くことができるところです。
    もしくは、横向きにに使うと
    パウダーみたいにふんわりと乗せることもできます。
    使う場所によって細く入れたり、
    ふんわりと全体に色を乗せたりできます。

    最近はペン先がすごく細いものもあり、
    かなり細いものだと、このくらいですね。
    これは眉毛の一本一本を描いていくものです。

    アイブロウペンシルは、
    毛がない部分を描き足すのに向いています。
    ベースに少しパウダーを乗せたり、
    ファンデーションを仕込むとより発色が良くなります。
    その部分に描いていくのに適しています。

    製品の特徴を言いましたが、
    パウダーをチップのような細いもので
    しっかりと入れることもできますし、
    ペンシルのものをパウダーのように
    ふんわりと入れることもできるんです。

    基本的な3つの特徴としては、
    ペンシルは、毛がない部分にしっかりと描けること、
    パウダーは、ふんわり仕上げられること、
    アイブロウマスカラは、毛流れを立たせながら
    毛の一本一本の質感を作っていくこと、があります。
    これを頭の中に入れておくと、選びやすいと思います。

     

    ピンクで眉毛に彩りを加える

    ここからは、草場さんが実際に、
    ほぼ日乗組員・田中の眉毛メイクを行いながら
    「眉毛に彩りを加える」方法について解説していきます。

    草場
    きちんとメイクをなさっていますね。
    アイシャドウやアイライン、
    素敵な色を選んでいる印象があります。
    眉毛のメイクはどうされていますか?
    田中
    今日は気合いが入っていますが(笑)。
    ふだんはパウダーで毛の薄い箇所を塗って、
    マスカラをつけています。
    草場
    そうなんですね。
    ふだんお使いのものを拝見してもいいですか?

    草場
    4色もありますね、すごい。
    田中
    ドラッグストアで見つけて、
    4色も入っていてお得だなと思って。
    草場
    しかも田中さんのパウダーは、
    しっかり4色分減っていますね。
    田中
    ハイライトはここ(鼻の根本付近)につけるといいと
    何かで見たことがあったので、ポンと置いてます。
    ここ(眉頭付近)に少し明るい
    シャドウ的なベージュのパウダーを少し入れて、
    残った他の2色で眉毛を描いています。
    草場
    2色をミックスされているんですね。
    全体はこの2色を混ぜて、
    これが眉頭、これを鼻のへこんだところに
    ハイライトとして使っていらっしゃる。
    付属のブラシもありますが、
    柄の長いブラシを別にお持ちですね。
    田中
    このブラシは、以前草場さんの記事で
    「ドラックストアで買えるものでオススメ」と、
    読んだことがあるので、使っています。

    ※SHISEIDOシェエトゥールズ ブロー&ラインブラシ
    草場
    そのブラシ、大好きです。
    毛の硬さや量が本当にほどよくて。
    田中
    あと長くて描きやすいですね。
    短いブラシよりも、描きやすいと思いました。
    草場
    私もその通りだと思っています。
    田中
    (自分の)毛がすごくしっかりしていて、
    メイクを落としても眉毛ががっつりあるんです。
    草場
    そうなんですね。
    田中
    眉毛も整えたり切ったりする方が
    いいのかなと思ったりします。
    ただやり方が分からないので、
    結局眉毛に沿って描くことしかできません。
    草場
    眉毛をカットしたり、はみ出たところを整えて
    剃ったり抜いたりする方もいらっしゃるんですが、
    私はできるだけそれをしないことをオススメしています。
    というのも、眉毛の形からはみ出た部分、
    普段描いている以外の部分に少し毛が生えているのは、
    眉毛を自分の顔になじませていく
    「余韻」の部分だと思っているんです。
    その余韻があることで、
    眉毛が顔にすごくなじむなと思っていて。
    田中
    なるほど。
    草場
    そこを取り除いて、綺麗な完璧な形だけ残してしまうと、
    ポンと乗せたような印象が、どうしてもあるんですよね。
    なので「産毛も含めて眉毛」にすると自然になります。
    はみ出た長さが気になったり、
    濃い毛を薄くしようと切る方もいらっしゃるんですが、
    切ると、先端がどうしても太くなっちゃいますよね。
    それがなじみづらいのと、
    ぴったりその長さに切ると
    遊びがなくなり動きにくくなるんです。
    動きや流れがあることで
    眉毛の毛感をうまく活かすことができます。
    はみ出てもいいので、できるだけ切らない方が
    なじんでいく印象がありますね。
    草場
    今、(田中さんの眉メイクを)落としてみたんですが、
    そのままでもすごく綺麗です。
    眉毛1本1本に濃さがありますし、
    毛流れもすごく綺麗だと思います。
    例えば色を整えてみましょうか。
    草場
    アイブロウパウダーです。
    こういった色を見たことはありますか?

    田中
    ないです。
    草場
    アイシャドウみたいですよね。
    これ、アイブロウパウダーなんです。
    真ん中のピンクを使ってみます。
    田中
    ピンクを使うんですか?
    草場
    ピンクの眉毛ってなかなかないですよね。
    ピンクの眉毛にしたことはありますか?
    田中
    ないです。
    (眉毛には)茶色か黒だと思っていました。
    草場
    そうですよね。
    大体みんなそうだと思うんですが、
    この真ん中のピンクを使います。
    田中
    しかも少しパールが入っていますね。
    草場
    そうなんです!
    さすが目がいいですね。
    マットではなく艶っぽく仕上がります。
    あとはすごく薄づきになります。
    田中
    本当ですね。
    草場
    でも本当にピンクなんです。
    これを乗せていきます。
    (田中さんの眉は)形がしっかりして綺麗なので、
    形に変化をつけるのではなく、
    色の印象だけでどう見えるかをやってみたいです。
    田中
    お願いします。
    草場
    ピンクを含ませたブラシを使って、
    「眉毛に色を含ませる」
    という気持ちでつけていきます。
    普通だと毛流れに沿って描いていくと思いますが、
    そうではなく、
    地肌に含ませる感じで、左右に揺らしながら
    (眉毛の)中に色を含ませていきます。

      
    こういう感じで色を乗せていきます。
    眉毛の真ん中部分から描き始めます。
    真ん中から描く理由は、
    最初に眉尻や眉頭から描くと
    最終的な濃さの調整が難しいからです。
    縦も横も眉毛の真ん中はけっこう濃くていいんです。
    皆さん眉頭は薄くするんですが、
    眉尻は割としっかり描かれる方が多いんですよね。
    もちろんその方法もあるんですが、
    自眉の眉尻ってだんだん薄くなっていますよね。
    田中
    そうですね。
    草場
    なので眉頭と眉尻を、少し薄めにする方法もあります。
    今日はその方法で描いていて、
    今、眉毛に色を含ませています。
    眉尻の方を描いたら、
    眉頭は(眉尻につけたパウダーの)
    ブラシの残りをつけていきます。
    田中
    最初にとったパウダーを、
    ずっと使って塗っていくんですね。
    草場
    そうです。
    今、ピンク色のパウダーなんですが、
    ちょっと引きの鏡で見てもらうと…

    田中
    明るい感じになりました。
    草場
    赤みはありますが、
    ピンクで描いたという違和感は
    そこまでないと思うんです。
    田中
    そうですね。
    草場
    (田中さんの)眉毛の形はすごくいいのですが、
    ここの眉山下の部分に少し角度がついてるので、
    そこだけペンシルで足していきますね。
    田中
    お願いします。
    草場
    さきほど黒い毛に対して、ピンクを入れましたよね。
    今回は黒い毛を作っていきたいので、
    ペンシル自体も黒を使います。
    ここはピンクと合わせなくていいです。
    黒いペンシルで、角度がしっかりついている部分を
    なじませていきます。

      
    そうすると少し角度が減って、形が少しなだらかになりました。
    田中
    本当だ。
    草場
    ここから、アイブロウマスカラの赤みがあるものを
    使っていきますね。
    毛の色に赤みを持たせて、
    先ほど含ませたピンクになじませます。
    ふだんされていることと同じ要領で、
    眉尻の方から毛の流れに逆らってつけていきます。

      
    最後は、眉頭の方から毛流れを整えていきます。
    毛流れに沿って整えていくイメージです。
    田中
    ボサボサになっていいんですね。
    草場
    そうです。
    一回ボサボサにしちゃう感じですね。
    どうですか?
    田中
    少し血色が良くなった印象ですね。

    草場
    若干赤みが強く出ますもんね。
    そういう気がします。
    田中
    すごく嬉しいです。
    自眉がしっかりと黒々しているので、
    印象が強くなると思ったのですが、
    ふんわり女性らしい雰囲気に仕上げてもらいました。
    ありがとうございます。
    草場
    よかったです。
    ピンクを眉毛に使う発想は
    なかなかないと思いますが、
    黒髪や黒い眉毛にも意外と合いますし、
    少し遊び心が出て楽しいですよね。
    田中
    実はピンクを使っているんだよって
    言いたくなっちゃう(笑)
    草場
    そうですよね。
    その楽しみもありますよね。
    田中
    ありがとうございました。
    草場
    こちらこそありがとうございました。
      

    ※今回使用したメイクアイテムはこちらです。


    草場妙子さんの授業のすべては、
    「ほぼ日の學校」で映像でご覧いただけます。


    では、眉毛だけメイクしてみましょう。

    「ほぼ日の學校」では、ふだんの生活では出会えないような
    あの人この人の、飾らない本音のお話を聞いていただけます。
    授業(動画)の視聴はスマートフォンアプリ
    もしくはWEBサイトから。
    月額680円、はじめの1ヶ月は無料体験いただけます。