こんにちは。
ほぼ日ヒッパレーズのマネージャー松本です。
本番１週間前のきょうは、８月末におこなわれた
「合同練習会兼抽選会」のもようをお伝えします！

「合同練習会兼抽選会」とは、
「神田錦町ご縁日つなひき大会」の
参加チームがいっしょにつなひきを練習したり、
くじ引きで本番のトーナメントを
決めたりする会です。
敵味方なくつなひきスキルの向上をはかると同時に、
本番でたたかう相手を決めるという、
盛り上がり確定の会なのです。
昨年も盛り上がっていたのですが、
今年はさらに‥‥という予感がしていました。
なぜかというと‥‥。

まず、出場チームが、過去最多の25チーム！
しかも、レスリング経験のある方や、
警察署で活躍されている方、などなど‥‥
そうそうたる選手たちが集まっているとのウワサも、
事前に入ってきました。
なにごとでしょうか、この最強オールスター感は。
神田錦町のつなひき大会だと思っていたけど、
我々は天下一武道会に出るのかもしれません。

会場に着くと、さっそく、馴染みのある方が‥‥
そこにいらっしゃるのは、
ヒッパレーズが毎年お世話になっている、日本綱引連盟理事の中山二三男さん！
ご無沙汰しております、ほぼ日です！

中山さん
「ほぼ日さん、お久しぶりです。
さあ、３連覇しないと、ですね！」

早々に念を押されてしまいました。
でも、おっしゃるとおり、目指すは３連覇ですよね！
ちなみに、今年のチーム編成は
「先頭とアンカーを男性、あいだに女性８人」
としたのですが、中山さんから見て、
どうでしょうか。

中山さん
「うーん、いやー、
去年と同じ並びがいいと思います」

えっっ、 そんな！！！！
私たちの最強大作戦、微妙なんですか。

中山さん
「真ん中あたりに力の強い人がいないと、
ひとり尻もちをついてしまったら、
みんな起き上がれなくなってしまうんです。
指導が必要になったら、
いつでも連絡してくださいね！」

はあー、そうだったんですね。
作戦、ちょっと練り直します。
師匠、ありがとうございました！

そうこうするうちに、出場チームが揃いました。
たしかに、事前情報にたがわず、
筋骨隆々な方が多い気がします。
みなさん、なごやかにお話ししていますが、
筋肉が出番を待ち構えている‥‥
ように見えます。見えるだけかも。

対する我らがほぼ日ヒッパレーズは、
今年もトロフィーを持参して目立ってはいるものの、
筋肉の割合が、どう見ても、少ないです。
うおー、心配になってきた。

私の心配をよそに、
本番でのトーナメントを決めるくじ引きが
始まりました。
ほぼ日は、昨年の優勝チームなので、
シード権をいただいています。
とはいえ、強豪チームも初出場チームも入り乱れる
今年の大会は、どのブロックに当たるかで
勝運が大きく左右されます。
ここは、外せないですよ！
監督、がんばってください！

山下監督
「まっきー、くじ引いてきていいよ」

‥‥あ、えっ、私が！？ いいんですか。
こういう運、あんまりないんですけど。
でも、せっかくですから、
ありがたく引かせてもらいましょう。
僭越ながら‥‥えい！

引いた番号は、「１」！
一試合目で勝ち上がったチームと
たたかうことになります。
とりあえず、
なんだか幸先がよさそうな数字を引けて、
よかったー。

トーナメント表がどんどん埋まっていきます。
「ぎゃー、警察チームと当たる！ 強そう！」
「わーっ、このブロック怖い！」
試合順が決まるごとに、会場が悲鳴でつつまれます。
ヒッパレーズの面々も、
ソワソワしながら結果を待ちます。
そして決定した、神田錦町つなひき大会2024、
運命のトーナメント表はこちら！

「よおし‥‥！」
私たちは思わず声を上げました。
というのも、
私たちがとくにビビっていたチームとは
反対のブロックになり、
序盤で当たるのを避けられたからです。

その強敵とは、
昨年の決勝で争った「安田不動産」さん、
どう考えても強そうな「神田警察署」さん、
合同練習でお世話になった「（株）JINS」さん。
しかし、山下監督が全てを伝授し、
我々に敗北の味を教えてくれた
「（株）BlueMeme（ブルーミーム）」さんとは
近いブロック。
初出場チームの実力も未知数です。
このあたり、いまはピンとこないかもしれませんが、
当日の見どころとして、
よかったら覚えておいてください！

会場のざわめきを鎮めるように、
つなひき講師として呼ばれた
中山さんが歩み出ました。
つなひきレクチャーが始まるのです。
みんなの真剣な視線が、中山さんに集まります。

中山さん
「はい、こんばんはー！
えー、一昨年も昨年も、
大会を見せていただいたのですが‥‥」

中山さん
「みなさん、なさけないですね！
２年連続でほぼ日さんに負けちゃうなんて！」

ど、どきーーーっ。
始まった。毎年恒例、中山さんの愛のある発破かけが。
会場を埋め尽くす25チームが、ざわつきます。
そりゃそうだ。そうそう言われませんよ、
「なさけないですね」て。
みなさん笑ってはいますが、
おれたちゃ黙ってられないぜと、
筋肉が動き出す気配がしました。気配だけかも。
しかし、中山さんは飄々と進めます。

中山さん
「ほぼ日さんの強みは『気持ち』だと思います。
ディフェンディングチャンピオンとして
『負けるわけにはいかない』という気持ちが、
去年はどこよりも強かったのではないでしょうか。
トロフィーまでつくってましたからね」

中山さん
「今年こそは、ほぼ日さんをやっつけて、
新しいチャンピオンが
みごと誕生することを期待しています！
そして、去年もお話ししたとおり、
つなひきに『必勝法』はありません。
あるとすれば、チームのまとまりと、
折れない気持ちです。
試合時間30秒のあいだに心が折れるチームは、
絶対に勝てないです。
心が折れそうになったときは、こう考えるんです。
『仲間もみんなつらいんだ』
『相手もつらいんだ』って」

うなずきながら聞くみなさん。
きっと、昨年の大会で味わった、
競技中の必死な思いを反すうしているのでしょう。

中山さん
「それから、もうひとつ大事なことを。
つなひきに、ヒーローはいりません。
この人がいれば絶対に勝てる！
という競技ではないんです。
どんなに腕力に自信があっても、30秒、
全力で集中できなければ、つなひきでは勝てません。
ひとり、ではなく、チームの全員が
気持ちを奮い立たせ続けることが必要なんです」

なるほど‥‥！！
つなひきはヒーローがいらない競技。
言い換えれば、
全員がヒーローになれる競技ということですね。

中山さんがつなを持ち上げます。
すっかり中山さんのお話に引き込まれた選手たちは、
ビデオを構えたり、
メモをとる準備をしたりしながら、見守ります。

中山さん
「去年までは、
座った状態からのスタートだったけれど、
今年からは立った状態で
スタートすることになりました。
その場合は、最初からしっかりつなを握っておいて、
よーい、スタート！ の合図と同時に、
後ろの足を前に揃えるんです」

中山さん
「そこで、みんなで一斉に後ろに倒れる！
つなひきは、握力や腕の力で引くのではなく、
脇を締めて、すーっと倒れることによって
引くんです。
だから、倒れるタイミングを合わせる練習を
しておいたほうがいいですね。
相手より早く『つなひきの姿勢』に入れるように。

それから、昨年度大会のビデオを見たところ、
お尻が下がっている人がけっこういました。
その姿勢は、ダメなんです。
なぜかというと、つなひきは
『後ろに引く』競技だから。
お尻が下がっていると、
重力が後ろではなくて『下』に行ってしまうんです。
そうすると、相手に重さを感じさせられないし、
最悪の場合、尻もちをついてしまって、
立て直すのに数十秒かかってしまいます。

本番のように道路でたたかうときは、
地面に対して約45°の角度に倒れるのが理想ですね。
よく、足を大きくひらいて踏ん張る人がいますが、
実は、足は肩幅にひらくのが一番いいです」

そうそう、正しいつなひきの姿勢は、
思ったより「まっすぐ」なんですよね。
みなさまも、つなひき大会に出る際は、
このことを思い出してください。

中山さん
「最後に、持ち方を説明します。
つなの持ち方は２種類あります。
まず、右手を身体の近くにして、
左手を前に出す『順手（じゅんて）』。
これは、つなを引くと自動的に左腕が張って、
右手は抑えているだけでいいので、
強い力で引きやすいです。
ただ、相手に引かれたときに、
身体が内側を向いてしまいやすいという
デメリットもあります」

なるほど、なるほど。
みんな、身体の前で右手と左手を交互に握り、
シミュレーションしています。

中山さん
「それから、右手を前に出す『逆手（さかて）』。
逆手だと、
順手のように左腕でつなを張ることはできません。
でも、左肩が内側に入りにくいので、
相手に引かれても姿勢が崩れません。
なので、逆手は『守りの握り』と呼ばれています」

守りの握り‥‥！ お寿司みたいですね。
よかったらみなさまも「エアつな」を握って、
順手と逆手をためしてみてください。

中山さん
「順手と逆手、どちらが向いているか、
チームで練習して決めてみてくださいね。
私からの講習は、以上です！」

中山さん、ありがとうございました！！
一言も聞き漏らすまいと耳を傾けていた選手たちから、
大きな拍手が起こります。
続いて、今年も、昨年度優勝チームの代表として
山下監督があいさつをしました。

山下監督
「ほぼ日の者です。
いま、みなさんが先生のお話を
一心に聞かれる姿を見て、
『今年は差を縮められてしまうかもしれないぞ』
と思いました。
僕らもいっぱい練習するので、
お互いがんばりましょう！
優勝は、簡単には渡しません！！」

一同
「おおおーっ（割れんばかりの拍手）！」

山下監督の宣戦布告を受け、みなさん、
早くつなを引きたくてウズウズしているのが
伝わってきます。
雨天のため、実践練習はなかったのですが、
もし晴れていたら一斉に練習が始まっていたでしょう。
‥‥しかし、
つなを引かないマネージャーである私は、
ひとり別の理由でウズウズしていました。

「ライバルのみなさんのようすを探りたい‥‥！」

そうなんです。
中山さんのお話の最中も、
山下監督が会場を沸かしているあいだも、
正直、隣で説明を聞いている、
めちゃくちゃ強そうな方々が、
気になってしょうがなかったんです。
だって、みなさん筋肉、すごいんだもの！！！

怖気づいている暇はありません。
勇気を出してインタビューしてみましょう。
まずは神田警察署チームのみなさん、
はじめまして、ほぼ日です！
突然ですが、意気込みなど、
うかがってもいいでしょうか。

神田警察署チームさん
「はじめまして！
我々は集まって練習できるときが少ないのですが、
最善を尽くしたいと思っています。
つなひき大会の『台風の目』になれたらなと！」

おおーーっ。
すでに、かなり話題になっていますよ。
ちなみに、チームの強みはどんなところでしょうか。

神田警察署チームさん
「そうですね‥‥‥‥（熟考）、
『フットワークの軽さ』ですかね。
軽いというのは、つなひきでは
あまりよくないかもしれないですけど（笑）、
がんばります！」

いやいや、ノリの良さはなにより大事です。
神田警察署のみなさん、ありがとうございましたー！

あっ、そこにいらっしゃるのは、
合同練習をさせてもらった「（株）BlueMeme」さん。
お久しぶりです！
合同練習のあと、練習の進み具合はどうですか？

BlueMemeさん
「１ヶ月前くらいから、週に１回、
社内で『公式練習』の場を設けています」

週イチ！？ 私たちより多いじゃないですか！

BlueMemeさん
「つなひき熱が冷めないように、
オフィスには常に
つなを置いておくようにしています」

サブリミナルつなひき！？
熱の入れ方が半端じゃないですね。

BlueMemeさん
「実は、何人か、
頼もしい新入社員が入ってくれたんですよ。
こちらの彼は元海上自衛隊員で、
もうひとりの彼はボクシング経験があるんです」

！！ なんですって！？
つなひき経験はおありなのでしょうか。

BlueMemeさんの元海上自衛隊員さん
「僕は、つなひき枠で入社しました！
‥‥というのは冗談ですが、
海上自衛隊でロープをひいていたので、
その経験をつなひきに活かせるかもしれません」

BlueMemeさんの元ボクサーさん
「一応、ボクシングでプロまで行きました。
ただ、つなをひいた経験はないので、
パンチ力がどれだけ生かせるかが勝負ですね。
ぜひ、熱いバトルをしましょう！」

ひぇぇ、震えつつ、たのしみにしています。
ありがとうございました！
最後に、昨年の決勝でたたかった、安田不動産さん。
意気込みはいかがでしょうか。

安田不動産さん
「去年のほぼ日さんとの対戦では
１ミリも引けなかったので、
今年こそは決勝で倒しに行きたいと思います！」

わああー、「倒す」って言われちゃいましたよ。
燃えるっ！ 今回も、決勝でお会いしましょう！

親睦が深まり、闘志も燃えまくり、
大盛り上がりのうちに
「抽選会兼練習会」は解散しました。
突撃インタビューさせてくださったみなさま、
ありがとうございました。
全チームのやる気が、
昨年よりもさらに高まっているのを感じて、
頭がポワーっとなりました。
やばい‥‥と冷や汗をかきつつも、
こんなに大勢で全力を出し合ってたのしめることが、
すごくうれしかったです。

いよいよ来週は本番、泣いても笑っても、
押しても引いても本番です。
筋肉では負けていても、中山さんの
「つなひきはヒーローがいらない競技」
という言葉をお守りに、
ヒッパレーズ一同、諦めない心でひききります！

やるぞっ、おーーー！！！

（本番直前スペシャルにつづきます。続報に乞うご期待！）

9月24日（火）より、
「本番直前！ ヒッパレーズ応援合宿」
と題してテキスト中継をおこないます！
大会を目前に控えたつなひき部や、
なんだかわからないけどつなひき部の熱気に
巻き込まれた社内のようすをお届けする予定です。
ヒッパレーズ応援団（そう、そこの、あなたです）
からいただいたメールも、
どんどんご紹介いたします。

さらに、今回載せきれなかったのですが、
出場チームのみなさまの強いエピソードを
まだまだたくさんうかがいましたので、
それも掲載させていただこうと思っております。
「まだあるんかい！ もうええでしょう！」
とお思いのみなさま、
そうなんです、まだ、ゴロゴロあるんです！
どうぞ、おたのしみに！！