NANASHI
中卒でいいんじゃない?
名無権兵衛・15歳・デビッドリンチ目指す。

第28回 自信に満ちている。

こっちに来てから、自然と日本人とは喋らなくなりました。
別に意識してるわけじゃないんですが。
しかし、昔から大勢で群れている感覚は
好きではないのです 。
しかし、一人、自分に似た日本人を発見したので、
話しかけてみました。
日本人、男、19歳、身長184cm。
最初にその顔を見たときに、
「この人とは仲良くなれそうだ」と思いました。
で、話しかけてみたら、案の定おもしろい人でして。
夜を徹してまでトークは続きました。

今日は、「自信」についてのコラムです。

その人との初トークは、牛丼トークから入りました。
「俺は松屋派やね(この人は姫路出身なので関西弁)」
「俺は、当然吉野家派っすよ」
「ああぁア!吉野家もたまらんな!
 ・・・・マンハッタンに吉野家ってないんかな?」
深夜の2時頃、パソコンで吉野家を検索です。
どうやら海外店舗がいくつかあるらしい。
当然マンハッタンには、
吉野家はあるもんだと思ってました。
しかし・・・無い!
何故!?
何故だ!?
しばし二人で怒り心頭です。
牛丼が食いたいときに食えない。
世界は不条理に包まれてます。
その怒りがやっと静まった時、
「自信」についてのトークが始まりました。
当然、アメリカに来た理由は何?とか、
そういう話はするじゃないですか。
僕はそこら辺は包み隠さず話します。
「映画撮りたいんですよ」
「映画かぁ〜。ええね〜。どうなの?どんなの、撮るの?」
「多分ね〜、超斬新でしょうね。
 僕の頭に入ってる映像は、
 いまだかつて見たことがないですからね」
「ホンマか〜」
「ええ。でもね、自信はあるんですよ」
そうなんです。自信はあるんです。
というか、自信に満ち溢れているんです。
いつの頃からかは分かりませんが、
自信だけは昔から満ちているんです。
もちろん、根拠なんかありません。
しかし、自分の頭に入ってる映像、
リズム、空気感、それを疑ったことはありません。
そして19歳の彼も、自信に満ち溢れているのでした。
「俺もな〜、自信はあるんよ〜、
 だってな〜、いくら人に
 『お前は自信過剰や〜』と言われても、
 自分の中には凄い構図があるんやもんな〜」
その人は建築をやりたいらしいです。
頭の中にはすでに、凄まじい構図が浮かんでいると。
「そうですよねー。頭の中にはあるんですもんねー」
「せやろ!?こりゃあ、成功せんほうがおかしいで!」
「そうっすよね!後は、実行あるのみですよね」
彼はこの英語学校を出たあと、
建築系の専門学校に行くらしいです。
その「凄まじい構図」が炸裂する日は来るのでしょうか?
僕の「映像」が炸裂する日は来るのでしょうか?
来るはずです。
確実に、表現手段の入手には近づいてます。
表現手段、そして表現する場所さえ見つかれば
その答えは見つかります。
自分の技量はいかなるものか。
根拠のない自信の行き着く先はどこか。
アメリカに来てから、
僕の「スピード感」は益々増してます。確実に。
このスピードさえ維持していけば、
映画を実際に撮れる日も、
そう遠い夢ではありません。
万が一、僕の自信が妄想だったとしても、
表現する環境は意外と簡単に得ることができるのです。
ただ、そこから先は、己の技量次第。
それはよく分かってます。
試します。
己の技量を。
成功するはずです。
自信は形をもって動き出します。
その日のため、今はチャージです。
英語を覚えることや、大都市を見て回ること。
学生ビザの有効期限は、5年。
学生ビザでアメリカに入国した人は、
常にどこかの学校に行ってなくてはいけません。
今いる英語学校の卒業まで、
最高でもあと半年を予定としています。
その後、
映像の学校(当然ニューヨークで)に行く予定です。
そこで勉強して、そして僕は表現手段を得るのです。
最高の映像がそこで炸裂するはずです。
ヤバいです。
ヤバいくらいのスピード感で
進んでいると思いませんか?
光のスピード。
ビューーーン、って感じです。

19歳の彼も、きっと炸裂するのでしょう。
凄まじい構図で作られた空間、見てみたいです。

実際に自分の作品が完成したとき、きっと気づくでしょう。
自分の才能、技量に 。
はたして妄想止まりか、
あるいは本当に強大な才能があったか。
その瞬間。気づく瞬間。
全く恐くありません。
僕は自分の才能を信じてます。自信があります。
きっと、行けます。突き抜けます。
もう止まりません。
ノン・ストップです。
もう、いくら自信過剰と言われようが
僕は自分の才能を信じます。

暴走に近いスピード、維持していきます。

2001-06-20-WED

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