第30回 少しだけ、ほんの少しだけ
日本に住んでいた時の近所の弁当屋とか、
そういったものが懐かしいです。
別にホームシックなわけではないですが。
さっきまで色々と考えてまして。
本を読んだり音楽を聴いたり勉強をしたり
自転車でスピードの限界に挑戦したり、
日々様々な事を試しているのですが、
たまには何を持ってしても
満たされる事がない日もあります。
丁度夕暮れ時。
今、自分が何をすれば満足するかを考えました。
今出来るあらゆる可能性を探してみても、
何もひっかかるものはありません。
なので、今出来ない事から探してみます。
それでも、なかなか見つからないものです。
でも、一つだけありました。
それが、近所の弁当屋に行く事です。
で、友達の家の隣にあった
狭くて蚊が異常に繁殖している公園で食べるのです。
別に特別美味いものがある弁当屋ではないんです。
ただ、妙に不健康な味のする
メンチカツや頼まないのに付いてくる
味噌汁を食いながら公園で
超下らない話をしをしている状況が、
少しだけ、ほんの少しだけ懐かしくなった感じです。
繰り返しますが、別にホームシックなわけではないです。
ありがちな話ですが、
日本にいた時に過ごしていたそんな毎日が、
実は結構楽しかったのだと思います。
本当にありがちな話です。
ただ、今現在の空虚な心を満足させるには
それしか無いと思います。
どうやら一ヶ月に一回くらいは
そんな日が巡ってくるようです。
まあ、明日には何とかなっていると思いますが。
結局、今すぐ日本に帰って
弁当屋に行くのは無理な話ですし、
仮に日本への帰国チケットが手元にあったとしても
まだ帰国はしないでしょう。
今すぐ日本に帰る気は無いが、
今の中途半端な気持ちを満足させる・・・・・・
これは早急な『どこでもドア』の開発が
必要なのでは無いでしょうか?
「ドラえもんを・・・」とまでは言いません。
ただ、あの素敵なドアを、是非、あのピンクのドアを!
昨日は期末試験でした。
なのでこれから3日間は連休です。
たいして忙しくない時期に突入したので、
こんな事を考えたのでしょう。
今は夕方の7時半です。
きっと今日一日はずっと中途半端な時間が流れます。
とりあえず今日一日だけは、
とにかく時間が早く過ぎてくれればいいと思います 。
今は何もかも欲しくない状況なので(睡眠すらも)、
なにも考えないでただ時間の経過だけを望みます。
テンションの高低が感じられません。
昂ぶる事も沈むことも無いです。
ただ、これには無限に対する
無意識のうちの恐怖を感じます。
弱いですね。精神が。
結局は下らない弱音です。すいません。
小さい頃よく見た夢。
アニメ絵の赤の水玉ワンピースを着たウサギが、
野原の一本道でスキップしてます。
手には小さなカゴを持っていて、
中にはピンクの花が詰まっています。
安っぽい音楽も流れてます。
しかし、次の瞬間、画面が一面真っ暗に。
よく見ると真っ暗な中にいくつかの小さな光があります。
もっとよく見ると、
そこは広大な空間に
巨大な何らかの機械が置いてあるのだとわかります。
その機械は小さなモーター音をたてていますが、
反響の所為か耳の奥にまで響くような感じがします。
で、1秒くらいその映像が続き、
再び野原とウサギと安っぽい音楽が戻ってきます。
その繰り返しです。
ずっとずっとそれが続くのです。
あの暗くて広大で
冷たい空間に設置してある機械が出てくるのが、
ものすごく恐かったですが、
野原の1秒後には必ずやってくるのです。
その時に、初めて「無限に対する恐怖」を感じました。
言葉ではなく、脳がこの映像は
永遠に続くのだと感じていました。
今も脳のどこかであの映像はループしているのでしょう。
この原稿を書いた事でいくらか楽になりました。
きっと明日はこの無限を感じる状況も終わります。
結局、「無限」はそれを感じた瞬間に
発生するものでしょう。
実際の時間の中で永遠に続くものは無いような気もします。
とりあえず、今日はもう終わりです。
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