NANASHI
中卒でいいんじゃない?
名無権兵衛・15歳・デビッドリンチ目指す。

第34回 一人ほくそ笑む。

さりげなく十七歳になりました。
昨年末の出来事です。
十七歳・・・どうなんでしょう。
若いんでしょうか?
とりあえず、二十歳過ぎの人たちからは
「まだまだ若いよ」と言われ続けているので、
そこら辺の年代の人たちから見れば、
十七という数字は若いのでしょう。
ただ、どうなんでしょうか。これって。

僕的には最早、そんなに若さしたたる年齢でもない様な
気がするんですよね。
今年の年末には十八になります。
色々と、責任とか発生してくるじゃないですか。
もう、そういう時期が来たんだと思います。
若さを全面に押し出せる年齢では無いと思うんですね。
最早。
小学生とかはいいじゃないですか。若いですよ。
無理なく若いですよ。
中学生はどうでしょう?
色々と考えていかなきゃいけませんよね。
高校生、特に十八になった人はあれだ、
もう、脳フルスロットルでいかなきゃって感じですよね。
元々僕は十四、五歳を過ぎた辺りから、
若さの感覚が麻痺してきていたんです。
何故なら、周りから強烈に
「老けてる」と言われ続けてきたからですね。
見た目は年相応らしいんですよ(そう思いたい)。
でも、話し方とかはもう、
三十でもギリ通じるらしいですね。

ちょっと前に、学校のトルコ人が
「アジアンはみんな幼く見えるね。
 二十歳の人でも十歳くらいに見える」
と言っていましたが、俺の事だけは
「二十代?」とか言いやがってました。
違います。当時、十六歳でした。
かなり珍しいケースであるそうです。
アジアンなのにここまで老けて見られるのは。
まあ、別にいいんですけど。
慣れました。老け慣れましたし。

で、年齢の説明はもう面倒なので最近は
ひたすらそれの話題は避けて通りますが、
実はもうひとつ問題があるんですね。
名前です。名前は絶対聞かれるじゃないですか。
年齢以上に。
日本人以外の人なら全く問題無いのですが、
対邦人となってくると面倒くささバクハツですね。
名前が女か男かわからない感じなんですよ。
というか、女の名前なんですよ。
ですので、九割九分、聞き返されますね。
「え?」とか。
「え?」とか言われても、ねえ?

なので名前の解説も、
地球誕生以来ずっと繰り返されてきたのですが、
それも慣れましたね。
なので最近はどんな人が相手でも
うまく納得させる事が出来ます。
こっち来てからはいくらか楽になりましたけど。
日本にいるときよりは確実に日本人との会話は少ないし。

ただ、問題が発生したんですよね。
今行っている学校の同じクラスの女性で、
僕と同じ名前の人がいるんです。
男女共に使えるタイプの名前では無いため、
この場合、奇怪なのは僕のほうです。
日本人以外の人らは
「その名前は女なのか男なのか」
と必ず聞いてくるので、
僕もスピーディに
「女です女です、次の話題、次、」
と、話を反らすしかないのです。
まあいいですけどね。嫌いじゃないんです。別に。
自分の名前は。
ただ、たまに面倒が発生するだけです。
その対処がうまくできるんだったら大丈夫なんですけどね。

今はマンハッタン内で
再び英語の勉強に精をだしています。
去年の三月に来たときに比べれば、
圧倒的に喋れていると思います。
日常会話はもうほぼ問題無い感じになってきたし、
様々な用事もこなせるようになってきました。

なので、ケイタイを購入しました。
人生初のケイタイです。
日本にいる時分は、
あまり必要を感じなかったために
購入しなかったのですけど、
ここにきて必要になりました。
なので、ケイタイ屋に行って
プエルト・リコ人のケイタイ売りから購入しました。
契約とか、支払方法とか、その他諸々、
インターネットにつなぐための設備は
どうやって整えたらいいかとか、
全部英語でできるようになりました。

僕が僕の父親であったら
「よくがんばったな」と褒めてやるところですが、
僕は残念ながら僕自身であるがために、
一人ほくそ笑む以外にどうしようもありません。
それ以来、いつもポケットに
ケイタイが入っているんですが、
なんていうか、これが文明なんですね。
知りませんでした。
火をおこすまえの猿でしたよ、本当。
便利ですね。
人は脳フル回転で大きくなっていったんですね、
という事を知りました。

さて、今は一般に広く貸し出されている
寮みたいな所に住んでいるんです。
ですけど、引越しをします。
三月のはじめに、
マンハッタンでアパート一人暮らしです。
マンハッタン内は、とにかくアパートとか高いんですよ。
もう、高かけりゃいいと思ってるんですよヤツラは。
だけども僕は頑張りました。
いい物件を見つけました。
かくしてマンハッタンの
高級住宅街の一角に
良いアパートをかまえる運びとなりました。
「おめでとうございます!」あ、ありがとう!
誰もおめでとうを言ってくれないので、
自分で言ってみました。
すごいことだと思うんですよ。
だって十七歳で(こういう時は若さを利用する)
マンハッタン内の良い物件を探し出し、
スピード決断でズバっとかっぱいだんですから・・・。

・・・まあ、それでも高いことに違いは無いんです。
矢張りマンハッタン内だと。
それでも、その中で最良の物件を探し当てたつもりです。
これから、また少し忙しくなりますね。
多分、自炊も本格的に始めなくてはならないだろうし。
ガーリックライスしか作れないんですけどね。
しかも不味いの。
そして家具とかね。
ちょっと必要になってくるじゃないですか。
もう、あんまりお金ちゃんとは
別れたくは無いんですけどね。
何故でしょう。
何故、金は去らなくてはいけないのか。
おかしいですね。
お金を発生できれば問題は無いんですけどね。
まあ、それも色々と難しいとこですよねぇ。
じゃあ、しんみりしてきたところで、さようなら。
今回はここまでです。

2002-02-22-FRI

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