NANASHI
中卒でいいんじゃない?
名無権兵衛・15歳・デビッドリンチ目指す。

第35回 N.Y.で自炊君。

自炊をしているのです。
なぜなら、引越し&一人暮らし
という状況になったため、
キッチンが自由に使えるようになったからです。

とりあえず、僕の今までの料理歴といえば、
基本的には玉子焼きなのです。
作り方としては、割る→混ぜる→醤油→焼く、
という至極シンプルなものだったのですが、
イザ自分で毎日作るとなると、
毎日玉子焼きというのは、飽きるというか、
コレステロール過多というか、
見た目に悲惨というか・・・。

ならば、高度な料理を作ってしまえば良いじゃん、
というわけでホームセンターまで出向いて
調理器具を買ってみたわけですよ。
一体、どれほどの器具が必要なのか
わからなかったのですが、
とりあえず一揃え買ってみました。
フライパンの大中小、鍋の中大、
これが全てセットになっていたのです。
んで、包丁二本(万能一本、肉用一本)と、
これはもはやプロ対応と言えるんじゃないですか?

んで、実際ウキウキしてたわけですよ。
どんな料理を創造しようかと
(すでに既成料理を作る気無し)、
極彩色に鈍く輝く希望と妄想は膨らむばかりです。
ファースト・料理は、
とりあえず手軽に炒め物でいこうと決めました。

今までは基本的に「肉で、まず、肉でっ!」
といった食生活だったのですが、
自分で作るとなると、
自分の料理に責任が出てくるじゃないですか。
例えば、これから毎日
ブ厚いステーキを焼くことも出来るんですよ。
ただ、それでは近いうちに恐竜化します。
なので嫌でも野菜とか
つけあわせなきゃなんなんじゃないですか。

野菜・・・しかし、野菜ってなんダろう?
自分の中での野菜の
イメイヂといえば「ほうれん草」です。
でも、実はほうれん草って嫌いです。
ならば、なにか。
とりあえず玉ねぎはおさえていこうと思いました。
なんか、玉ねぎって万能選手な感じがします。
困ったらとりあえず玉ねぎに
逃げればよいのだと思います。

スーパーを物色していると、赤ピーマンを発見しました。
こうなってくると味の想像がつきませんよ。
たしか、昔は緑ピーマンwithコンビーフの
コンビーフだけを食べていた記憶がありますが、
今はどうなんだろう。
たしか、黄色とか赤とか、
そういったピーマンは美味いと聞いたことがあります。
料理の鉄人でも生でかぶりついてるし。

というわけで、豚肉と赤ピーマンと玉ねぎを、
バーベキューソースで炒めてみることにしました。
バーベキューソースというのは、
適当に出てきた発想です。
とりあえず、包丁を手に手にまな板に向かい、
玉ねぎの切り方がわからずに途方に暮れましたが、
そこは全部適当です。
後に料理の本を読んで「細切り」というのを覚えました。
今のところ細切りしかできません。
みじん切りなんて難しすぎます。
あんな高度な切り方は
未来人類か宇宙人がやればいいのです。
僕はおとなしく延々と細切るのみです。

その後、炒める段階になって
「玉ねぎは弱火で炒めろ」という話を思い出したので、
早速実行です。
するとどうでしょう!
なんともいい感じに玉ねぎが柔らかく、
いい色になってきているじゃないですか。
なんというか、遠い昔に見た、
「料理というもの」
が目の前に鮮明な映像を伴って黄泉帰った感じです。
そうだ、料理って、こんな感じだ!
確かみんなこんなことしてたぞ!
という感動の連続です 。

ひとくちサイズに切った豚肉、
赤ピーマン(赤ピーマンはかなり雑把に切りました)を
加え、コショウを加え、
さらにバーベキューソースを加えると、
なんともいい香りがしてきました。

実際食べてみると、おいしかったですよ。ええ。
なんというか、赤ピーマンが実はベストチョイスでした。
あのみずみずしさは貴重でした。
食い終わったあと、思いました。
料理は意外と楽しいと。
そして、学びました。
食事には穀物が必要だということを。
ご飯が必要です。

ただ、炊飯ジャーが無いんですね。
どうしよう。
そこで選択肢が。
(1)炊飯ジャーを今すぐかってご飯を炊け
(2)パンを食いなさい
(3)スパゲッティでも茹でたらいかがでしょうか

一番は、買いに行くのが面倒なので、
とりあえず置いておきます。
二番は、実は僕はパンが食べれないので
(ボソボソした食べ物は全て食べられない)、却下です。
じゃあ・・・三番だ!

というわけで、毎日毎日、
くる日も来る日もゲッティを茹でています。
もういい加減飽きました。
破竹の勢いでパスタを茹でるのが上手くなっていく日々。
このままではイタリア人になってしまいそうです。
そろそろ、次の段階に進みたい気分です。

2002-04-03-WED

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