9/52 クイーンシャーロット島
クイーンシャーロット島へ
出発しよう!
朽ちゆくトーテムポール
トーテムポールは、いつか倒れる。そしてかならず、大地へ還る。そういうものとして、建てられている。旅を続ける石川直樹も、まさしくそんな一体に出逢った。足元から腐り、つっかえ棒で支えられながら、こっちを見ている。こんちは、どうもです。写真家です。ご機嫌は‥‥あまり麗しそうじゃないね。そうそう、たまに「お墓」を兼ねてるって聞いたけど、あなたもそのタイプ? てっぺんの窪みに「お骨」が入っていて、そこへ植物の種子が落ちると、栄養分のためか、ぱぁっと花を咲かせることもあるとか‥‥。大きなものだと高さ数十メートルにも達する偉容。そんな巨大な柱状彫刻が、盛大に花を咲かせながら、徐々に死んでゆく。そのこと自体に、震える。トーテムポールを建てた先住民ハイダ族は、少しずつだけど、島に戻ってきている。
2011-01-03-MON