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トンガ王国へ出発しよう!
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墓地という装置 |
この光景を、ひと目で「墓地」だと確信できるのは、なぜだろう。御影石の直方体が黙座するわけでも、もの言わぬ十字架が林立するわけでもない。カラフルな布、退色した造花、乳白色の珊瑚、陽射に煌めくガラスのかけら。日本的な「お墓」を連想させる視覚的アイコンは、皆無。なのに‥‥ここは、まぎれもなく「墓地」だ。それ以外の場所に見えない。死を納得するための装置が放つ、文化や言語を超越した「何か」がある‥‥のだろうか。石川直樹も、やはりこの場で、この国の「死生観」に思いを馳せた。どういうわけで、こんなお墓をこしらえたんだ? それって、もっと寡黙で、厳かで、モノクロームな存在じゃないの? いや、その前に、どうしてオレは、ここが「墓地」だとわかってるんだっけ‥‥?
2011-08-22-MON
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