Ｎ.Ｙ.へ出発しよう！ Wandering man In New York 石川直樹にとって、都市とは。休息の地？　電波の通じるところ？　締め切りに追い回される地獄？　つまり「舞台」に値しない場所‥‥？　たしかにそこは、絶海や孤島や聖地や８８４８Ｍのてっぺんではない。ホワイトアウトに見舞われることもなければ、水中に「沈」することもない。いかにここがニューヨーク、それも「9.11」直後のマンハッタンとはいえ、差し迫った生命の危険はないし、次のニューススタンドを曲がった先で起こる出来事も、たぶん想定の範囲内だ。それでも、やはり。写真家にとっては「都市」もまた、カメラと一緒に跳ね回る「舞台」なんだろうと思う。だってほら、こうしてシャッターを切ってる。ヒマラヤの高峰と同じ気持ちで、摩天楼を撮ってる。気ままにブラブラしながら、こころ動かされたものにフォーカスを合わせている。 2011-12-05-MON