ニュースのご近所。
あの出来事、近くで見るとこんな感じ。

第22回 知られないはずのニュース。


こんにちは!
世の中には、知られないニュースがたくさんあります。
と言うか……もしかしたら、「ほとんどの出来事」が、
ニュースとして報道されることは、ないのかもしれません。

そんなことを思わせるメールが到着いたしましたので、
さっそく、紹介したいと思います。

高校の修学旅行中に、
国際線のハイジャック犯とまちがわれたというお話です。
ちょっと長くなりますが、どうぞお読みください。







・こんにちわ。
 ちょっと前の
 「犯人扱いされた人って、けっこう多いの?」
 へのメールです。
 考えた結果、言ってしまいます!本当の話。
 犯人扱いされてしまったのは私本人です!!
 高校の修学旅行での出来事です。

 私の高校の修学旅行先はフランスとオランダでした。
 入学した時から楽しみにしていた旅行でした。
 約10日間の旅行は最終日のあの時を迎えるまで
 ワキワキと旅行を楽しんでいました。
 そして・・・。
 フランスからオランダに向かう帰りの飛行機の中です。
 私の所に配られた紙のおしぼりを開くとそこに
 赤いペンでぐちゃぐちゃな文字らしきものが
 なぐり書きしてありました。
 しかし全く読むことが出来ず意味も分からなかったです。
 
 何か汚いしやな感じがしたので
 スチュワーデスさんに代えてもらおうと 
 笑顔で『代えてっ』という気持ちを込めながら
 手渡しました。すると恐ろしい形相で
 そのおしぼりを受け取り戻ってしまいました。
 
 結局新しいおしぼりは貰えずじまいでしたが、
 そんなことはすっかり忘れて空の旅を楽しんでいました。
 そして飛行機がオランダに到着しました。

 すると恐い顔をした人が
 おしぼりを手渡したスチュワーデスさんと一緒に
 飛行機に乗り込んできたのです。
 そして私はあれよあれよと両腕を捕まれ
 飛行機の外に1人だけ引きずり出されました。
 そこには驚くべき光景が広がっていました。
 物凄い数のポリスマン達が仁王立ちしていたのです。


 そして小さな私の身体をバシバシとボディチェックされ
 手持ちの鞄の中のモノを全部だされ
 すべてチェックされました。
 ちなみに当時、目覚ましとして持っていった
 ポケベルを熱心にチェックしておりました。
 
 そして次ぎに警察犬がぞくぞくと登場し
 スーツケースもしっかりチェックされていました。
 飛行機からは搭乗客すべてのスーツケースや荷物が
 慎重に運び出され並べられ
 警察犬チェックが行われていました。
 何がなんだか分からず私はおどおどしていました。

 そして旅行の付き添い&通訳の方が呼ばれました。
 とたんに私はパトカーに押し込まれ
 オランダの警察に強制連行です。

 なぜだ〜〜。

 警察署に到着です。
 大きな恐い顔の警察官に
 両腕を捕まれながら入って行きました。
 私は忘れません。
 腰の部分に拳銃をあてられていたことを・・・・。
 恐すぎる。
 そしてエレベーターに乗り地下に降りていきました。
 エレベータの開いたところに
 拳銃置き場みたいなものがあり
 警察官はそこに所持しているものを保管していました。
 ここでホッと胸をなで下ろしました。 

 そこから取り調べ室に向かいました。
 床に固定された椅子に座らされました。
 そこには通訳の人がついていてくれたので
 少し落ち着き冷静になりました。

 しかしここからが戦いでした。
 どうやら私はハイジャック犯と間違えられたのです。
 なんとあのおしぼりには
 「これが Last Fly だ」
 といった脅迫文が書かれていたのです。
 それを笑顔で
 スチュワーデスさんに渡してしまったのです。

 スチュワーデスさんが機長に告げ、
 機長が航空会社へそして
 オランダ警察へ連絡してしまったのです。
 よってハイジャック未遂、
 脅迫の容疑者として捕まってしまったのでした。
 私はやっとことの状況が把握でき、
 たぶんすぐ容疑がはれて釈放されるだろうと
 最初のうちはへらへらしていました。

 しかしだんだん雲行きがあやしくなってきたのです。
 私のパスポートを見てとコンピュータに
 何かを打ち込みました。
 すると私の出身地や親の名前まで
 画面上に現われたのです。恐ろしくなりました。
 「やばいよ〜 本気だよ〜」
 心の中で大泣きです。

 泣いたら負けだと必死に耐えました。
 自分は無実だと一生懸命訴えても
 全く聞く耳持たずなのです。

 するとこの通訳は嘘を言っているかもしれない
 ということで何だか国認定の
 通訳さんを呼ぶと言い出しました。
 既にここで取り調べ時間は一時間経過していました。

 私はトイレに行きたくなりお願いしました。
 すると警察官が付き添うと言い
 また泣きそうになりました。
 そこのトイレは鍵も無く悲し恥ずかしでした。
 私は思いました。
 「ついてないにもほどがある・・・
  人生終わったか?トホホ」と。
 
 しばらくすると立派な感じの通訳さんが到着しました。
 日本人がまた1人増えたので少し安心しました。
 すると今まで恐い顔で睨んでいた警察の方々が
 私の話をちゃんと聞いてくれるようになりました。
 それでも約3時間取り調べをうけました。

 そして警察の上の方や飛行機会社の
 社長みたいな人が取調室にやってきました。
 どうやら警察のミスだったことが
 明らかになり謝罪にきたのです。
 わたしは「ほらみろ〜」と思いながら死にそうでした。
 すると警察の上の方が
 これはこちらのミスであり、
 大変申し訳ないことをした、謝罪したいと……。

 後に友達から聞いた話によると
 私の座席の回りにいた9人も重要参考人として
 警察に連行されていたそうです。
 その子達、1人1人の言っていることと
 私の言っていることが一致していたので
 嘘ではないだろうと容疑が晴れたそうです。
 一応、筆跡等も調べられました。

 それから、私達が乗っていた飛行機は
 かなりの時間停められて
 しかも降ろしてもらえなかったそうです。
 爆弾が仕掛けられている可能性があると。
 
 事情を知らない人達は大泣きだったそうです。
 そして機内放送では
 「日本の婦人が脅しています」
 みたいなことが流れていたようです。
 婦人って・・・・高校生だよ?

 結局ことの真相は明らかになっていません。
 誰かのいたずらなのか何なのか。
 警察も真犯人が見つかったら連絡します、
 と言いながら音沙汰なしです。
 ただ飛行機会社からは丁寧な謝罪の手紙がきました。

 今となってはいい思い出ですが、
 その時は本当に恐かったです。
 もう約五年も経ったし言ってもいいかなと思い
 メールしてしまいました。
 世の中には知られていない事件が
 たくさんあるんだろうなと実感しています。

 ・・・長くなりましたが、
 こんなことを経験してるやつも居るんだ
 ぐらいの気持ちで受け止めて下さいな!!
 (匿名希望)






すごい経験をされたのですね・・・
5年経っても、細部まで
忘れることができない修学旅行のはず。

このような感じで、ニュースにもならないし、
報道されることはないけれども、
当事者たちの間では大きな出来事というのが、
いまも、きっとどこかで起きているのでしょう。

最後にもう一通、こちらも
「ニュースで報道されることはないだろうけど」
というおたよりを、お届けいたします。







・たぶん、
 どこの報道機関も取材してないと思うので
 「ニュースのご近所」に
 投稿していいのかわかりませんが
 昨夜、小さな騒動があったのでお知らせします。

 台風が近づく19日夜中2時過ぎ
 妻と、部屋である議論をしていると
 外でガシャンという大きな音がします。
 なんだなんだ?と調べると
 家の向かい側の崖の木が倒れて
 下の道路をふさいでいます。
 「ああ木が落ちたな」と思って
 再び妻との議論に戻りましたが、
 ちょっと考えて
 このままほっておいたらまずいのでは
 と思い直し、とりあえず110番に電話しました。

 警察は、
 「事件ですか?事故ですか!」
 と緊迫した声・・・。
 動揺を押さえつつ、状況を伝えると
 警察「倒木!すぐに向かいます」と頼もしい声。
 まもなく、自転車に乗ったおまわりさんや
 パトカー2台が来て、テレビなんかでよく見る
 立ち入り禁止のテープを張り巡らし
 現場検証を開始
しました。
 
 歩道は木で埋まってますが、
 車道はふさがってないし
 土砂崩れになる可能性は薄い、とみたようで、
 まもなく10人ほどの警察官は散会になりましたが
 翌朝見ると、ひとかかえくらいの直径で
 長さ3メートルくらいの木です。

 人や車の上に落ちたら、
 大きなニュースになるところでした。
 その道は、麻布十番のくらやみ坂といって
 一晩中交通量の多い急坂です。
 (Cane)






麻布十番の暗闇坂と言えば、
確かに、深夜3時や4時までタクシーが絶えない、
広尾と麻布十番を結ぶナイスな抜け道ですよね。
車道に木が倒れていれば、
かなり大きな出来事になったのだろうなぁ、
と思いながら、メールを拝読していました!

では、次回に、またお会いしましょう!!

さまざまな、日本国内や海外からの
ニュースのご近所のおたよりは、
件名を「ご近所ばなし」として、
postman@1101.comまで、どうぞーー!!

2002-08-22-THU

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