ニュースのご近所。
あの出来事、近くで見るとこんな感じ。

第24回 カーンさん活躍と、欧州お天気情報。


3日に1度ぐらい、無料配信をしている
「ほぼ日デリバリー版」(メールマガジン)では、
ワールドカップ終了後から2か月経とうとしてる今でさえ、
ドイツGKカーンさんの話題で、もりあがっているんです。

「NHKのBSで、カーンさんの出る試合が放送!」
というメールが、数日前に掲載されると、
「見たよ」「よかった!」なメールがたくさん届く……。
なんだかおもしろいので、今日はそれを紹介しますね。

テレビや新聞で、たくさん扱われることがない
ニュースとして、どうぞ、お楽しみくださいませ!







・カーン情報ありがとうございます!
 おかげさまで、
 バイエルンのサッカーが見られました。
 背番号21番の選手、
 怪我でワールドカップにでられなかったそうだけど、
 出てたらぜったい、人気でただろうな〜。美形だし。

 カーンの技が堪能できました。
 カーンがキーパーじゃなかったら、
 負けてたよな…バイエルン……(いいのか?)
 カーンがボールをキープするだけで、
 すごいブーイングが客席から
 わきおこっていたのが印象的でした。

 クロアチアの選手が
 活躍してたのもなつかしかった。
 コバチって、2人いるのね。兄弟なのね。
 などなど、たのしめました。
 これからもカーン情報たのしみにしてます。
 (ポコ)

・カーン様の試合見ましたよー。
 NHKBSで、ACミランとバイエルン。
 いやぁ、興奮の1時間50分でした。
 「敵地の100周年の祝ごとをぶんどる
  カーン様が見れます」という言葉ぴったりの
 大活躍のカーン様へのスペインのブーイングの嵐。
 強い男は大変ですなぁ・・・。
 私は仕事から帰って、いつも
 1歳3ヶ月の子を8時までに寝させるのですが、
 今日は夫とともにテレビにかじりつきで
 子はかわいそうに9時過ぎまで起こされていたのでした。
 24日が今から超楽しみです。
 (のりごん)

・アメリカ在住のイギリス人に
 カーンが人気がないとの報告がありましたが、
 イギリスではドイツ・チームそのものの
 人気がなかったようです。
 私が働いている会社はコンピューター・ソフトの
 翻訳会社で、社内にはほとんどの
 ヨーロピアン翻訳者さんがいるのですが、
 彼らのほとんどが
 「ドイツを応援したくない」と言っていました。


 ドイツvs韓国戦のときには、
 街のコーヒー・ショップで、
 見ず知らずのおじさんから
 「君達、信じられるかい?
  ドイツが今のところ優勢なんだよ!」
 と、この後ちょっとドイツの悪口付きで
 途中経過を報告されてしまいました。
 
 私達を韓国人と思ったのか、
 東洋人すべては一緒と思ったのか。
 「私達は韓国人じゃないから、
  別に韓国を応援してませんよ。
  それどころかドイツに勝って欲しいくらい。」
 と、答えたら「え!」とびっくりされました。
 その後私達が日本人と知り、
 アメリカの原爆投下に対する批判を
 さんざん聞かされてしまいました。

 原爆のことを知っているということ
 (一般のイギリス人には
  原爆のことはあまり知られていません。
  というか自分達がいかに
  ドイツにこてんぱにやられたか、
  日本軍の捕虜収容所で
  いかにひどい扱いを受けたかで精一杯で、
  原爆のことまで思いが及ばないというか)
 と、その風貌から、ようやく、
 「この人ユダヤ人だったのね」と気がつきました。
 恐るべし、第二次世界大戦の恨み。って感じで、
 どの国の人も、あまりドイツに対して
 好印象を持っていないようでした。

 会社にはドイツ人ももちろんいるんですけどね。
 私自身は、カーン様はすてきと思います。
 でも、ここでは口に出せない雰囲気・・・。
 (きなこ)






最後の、ヨーロッパでは
そんなにドイツが人気ないというのは、
「なるほど!」な情報でした。リアルですね。
そのほかの全員の人の熱気も、たのしく読みました。

このコーナーをやっていると、
「ご近所」と言うと、
大きなニュースとか凶悪事件とかいうよりは、
「生活に密接したものなんだなぁ」
と、つくづく思います。
みなさんが送ってくださる主なテーマって、
Tシャツだとか、天気の話題とかですもんね!
今日はそんな天気の話題についてのメールを、
2通、紹介いたしますよー。







・フィンランドからメールしています。
 中欧が洪水で大変だというのに、
 フィンランドでは猛暑が続いています。

 猛暑っても30℃にもならないもんですが、
 でもオゾン層が薄い北極に近いここでは
 太陽光線が痛いくらいです。

 本当はこうやってお天気なのは
 とっても嬉しいことです。
 なんていっても冬が暗くて
 厳しくて長いところに住んでいますから。
 もうシミなんかがじゃんじゃんできても
 太陽がでていれば必ず太陽を浴びにいきます。

 でも数週間前から岩場で日向ぼっこをしている肌に
 通り過ぎる風に秋の声がきこえるようになりました。
 白夜で見えなかった星も、一ヶ月前には
 南のヘルシンキでは弱弱しく夜空に浮かぶようになり、
 訳もなく切なくなったりしている
んです。

 昨日は満月だったのかなぁ。
 日ごとに深さを増す夜空の闇の中の月が
 オレンジ色に輝いていました。
 白夜のときは薄い白いひかりで
 ぼんやりと暖かさを与えていてくれてた月が、
 どんどん赤みを増しています。
 
 こうして闇が深まるにつれ、あの冬の
 恐ろしいくらいに赤く燃える月が…なんて
 夏の間はすっかり忘れていた冬のことすら
 思い出すようになってきてしまいました。
 冬の赤い月は怖いものです。
 夜空にぱっくりをあけた口のようで、
 なんだか吸い込まれてしまいそうなくらい。

 北極圏、または北極にちかいところに
 生活して8年、来月地球の真裏の
 ニュージーランドにいくことになりました。
 今度は南極に近いところに住みます。
 (け)

・オランダ滞在5年、
 東京本社から帰国の指令が出て、
 ここ数日は、引越しに追われていました。
 ことしのヨーロッパの夏は、
 例年23〜4度の気温が27〜8度、
 下手すると30度に上がっています。


 日本の湿気べたべたの暑さに比べればいいじゃないか、
 という声はありますが、
 こちらはクーラー完備じゃないんです。
 オフィスビルは別にして、
 一般の住宅はほとんどクーラーなし。
 車もエアコンを装備すると、
 とても高いものになります。
 ・・・で、昔懐かしい扇風機が連日フル稼働しています。
 こちらは、まさに、レストランやホテルでも、
 暑い時期には「冷房してます」が、
 まだ、売りになります。
 暖房は、完璧なのですがね。

 でも、暑い暑いと言いながら、
 エアコンのない暮らしは体に優しいですよ。
 5年住みましたが、夏の疲れが違いますもの。
 外気と建物や列車の中の気温差、
 一日中冷房の中で過ごす不自然さ、
 以前はそう意識しませんでしたが、
 体にはキツイことだったんですね。
 という訳で、家中あけ放ち、
 窓を背に扇風機全開、
 夜は入ってきてしまった蚊対策で、
 日本製の蚊取り線香を焚くというヨーロッパの夏です。
 
 外国に居ると、友達が居ようと、なんらかの
 <糸>が日本と欲しくなるもの。
 Justのタイミングで「ほぼ日」始まりました。
 5年間支えて下さったことに、心より感謝します。
 東京へ帰っても、きっと読み続け、
 ときどきお便りさせてもらいます。
 (オランダ在住より)






どちらも、お天気情報そのものよりも、
「そこで実際に暮らしている感じ」がおもしろかったです。

それでは、次回のこのコーナーで、お会いしましょう。

さまざまな、日本国内や海外からの
ニュースのご近所のおたよりは、
件名を「ご近所ばなし」として、
postman@1101.comまで、どうぞーー!!

2002-08-24-SAT

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