ニュースのご近所。 あの出来事、近くで見るとこんな感じ。 |
第78回 お葬式のご近所・続報。 こんにちは!!! 第76回で、葬祭業界で働いている人の 一生懸命なメールを紹介しました。 基本的に、そのご家族にとっての 大事件の近くにいつもいなければならない職業。 今回は、また違う角度から お葬式にまつわる仕事をしている人から 届いたメールを、冒頭にお届けいたします。 こちらも、いつもニュースのご近所にいる方です。 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ・葬祭業界で働いている方のメール、拝見しました。 私は、 「訃報を新聞に掲載するために、 遺族の方に電話で内容を確認する」 という仕事に携わっています。 最初、この仕事の話があったとき、 正直言ってすごく迷いました。 自分自身、直前に祖母を亡くしたばかりで、 平常心で仕事ができるかどうか自信もなかったし。 「お悔やみ」という言葉の響きにひるむ友達もいたし。 でも、今は、とてもたくさんのことを学べる すごい仕事だと思っています。 電話というのは、もともと 相手の状況がわからないものですが、 この仕事は、通常ではない (心も、置かれている状況も)と わかっているところにかけるので、 もう受話器を持つ時点ですごいプレッシャーです。 もちろん「今取り込んでますので…」と 切られそうになることもしばしば。 そこを何とかつないで、明るすぎず暗すぎず、 遅すぎず早すぎず、事務的にはならないように 気をつけながら、こちらの意図を伝え、確認をとります。 途中、電話の向こうで言葉につまったり、 鼻をすする音が聞こえてつらいときや、 年齢や続柄を聞いて、その人の人生とか 周りの人の気持ちとかを思って、 涙が出そうなときもあります。 中には、 「大往生だったよー、あっはっはー」 とあっけらかんとした方や、 「はいはいはいはい」と、あきらかに なおざりな返事をされる方もいらっしゃいます。 また、電話の向こうで親族がもめてるのが聞こえたり、 夫婦間に会話がないのが想像できたり、 ほんのわずかな間なのに、 いろいろな家族の形が垣間見えてきて、 言葉は不適切かもしれませんが、とても面白いです。 しかも、もし自分だったら… 父や母や大事な人たちが……と思って、 「今のうちにできることはなんだろう?」 と、いろいろ考えるようになりました。 亡くなるというのは、とてもつらいことだし、 普段あまり考えることもないけれど、 でも、一人に一回必ず訪れる、一生にたった一度のこと。 まさに、この仕事は一期一会だなぁと思います。 なんだか、とてもとりとめもない 文章になってしましましたが、書いていて、 自分がこの仕事を嫌いではないことがわかって、 少しうれしくなりました。 本当は、困った業者さんとか、 いろいろとごねる人に悩まされることも多いのですが。 よーし、明日からもがんばるぞー! (や) ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 職業って、もしかしたら、 何よりもいろんなことを学ぶ場所なのかもしれないなぁ、 などと思いながら、拝読していました。 「メメント・モリ」な職業にたずさわる人もいれば、 さまざまな人生のスポットライトに立ちあう職業に 就いている人もいるわけで‥‥。 ある特定の職業についているからこそわかることって、 かなりあるのでしょうね。 では、次は続けて3通、 わりとおおらかなニュースのご近所のメールをお届けです。 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ・「The Ring」私も見てきました〜! それも公開初日のいちばん初めの時間で。 金曜の昼過ぎということもあってか、 けっこう立派な映画館なのにお客は20名ほど‥‥。 その時は、その後興業収入第1位になるとは 思えませんでした。 内容はというと、原作を本で読んだ私としては、 ちょっと不満かな。 超能力とか、それがあったが故の怨念とか、 そういった陰湿な怖さはあまり感じられなかったけど、 貞子がテレビから出てくるシーンは 「さすがハリウッド!」って感じでした。 実は上映中、怖いシーンが出てくるたびに 前の隅のほうでアメリカ人のおばちゃんが 「オーノー!」「オーマイガー!」と叫んで、 途中からそっちがおもしろくなっちゃって、 怖さが半減してしまったんですけどね。 お客さんがもっと入っていたら、 大勢の人が同時に「キャー」と叫んで、 それほど気にならなかったと思うんですが、 なにせおばちゃん一人が叫ぶもんですから。 でも、怖い映画が好きな方にはお薦めの映画です! (ま) ・私は、1年ほど前から ジブリ美術館の近くに住んでいます。 先日のお休みの日に、出かけた時のことです。 正午前に家を出て、吉祥寺駅に向かっていたときのこと、 井の頭公園を抜けようと階段を降りていたら、 初めてジブリ美術館への道順を聞かれました。 夫婦と女の子2人の家族連れだったのですが、 お母さんが、不安げな表情で 「あのージブリ美術館にいきたいんですけど、 この道で良いんでしょうか?」 と、私に話しかけて来て、一瞬「私??」って 表情をしてしまったのですが、 「わーい初めて聞かれた!」 って内心喜びつつ、道順を教えてあげました。 一応簡単な地図のコピーは持っていらしたのですが、 その出口からいったん公園をでて 良いものか迷っていたみたいでした。 後ろにいたお父さんとお姉ちゃんも不安げな表情、 妹チャンはジュースを飲んみながら、 もの珍しそうにキョロキョロ…。 あとになって気付いたのですが、多分あの親子連れは 12時〜の入場券を持っていたんだろうなー。 時間が迫っていて、それであの お母さんは焦っていたのかなー。って思って、 私の説明でちゃんとたどり着けたんだろうか…と、 少しだけ不安になりました。 でも、この辺りに住んでいる人で、 ジブリの場所を知らない人はほぼ皆無だと思うので、 きっと分からなくなったら、また別の人に聞いて 無事辿り着けて、そして1日楽しんだんだろうな〜。 いいなぁ〜うらやましいなぁ〜。 そんな私はまだ、外からロボット兵を見つめるだけで、 1度も中に入ったことがありません。 実家が海のそばなのですが、生まれも育ちも海辺だと、 なかなか海に行かないのと一緒で、近くにあるといつでも 行けるからって思ってなかなか足が向かないものですね。 (あこたん) ・今朝5時、秋田で地震がありました。 気持ちよ〜く寝ていたところをドーーン!という すごい音で起こされました。震度3でしたし、 5秒くらいの揺れでしたから、 たいした地震ではなかったのですが、 なんせ早朝の静かな時間帯でしたから、 音がすごかった。 まさに飛び起きました。 一瞬、阪神大震災が思い浮かび、 すぐに隣の部屋で寝ている 息子のところへ行きましたが、爆睡中。 私が行ったことで、かえって起こしてしまいました。 どんな台風や雷だって起きない彼ですから、 ああ、大したことないよな、と思い、寝直しました。 きっと子供たちの間では、話題になることも ないかもしれません。 ニュースのど真ん中にいたのになー。 (くみこ) ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 日本の小説が原作の映画を見ていると、 おばさんの反応が気になり、 話題のジブリ美術館の近所にいると、 行きはしないけれども 訪れる人たちのことが気にかかり、 そして、お昼になるとすっかり忘れられてしまう ニュースにもならない地震のそばにいた人がおり‥‥。 ひとつひとつの出来事と出来事のあいだで、 いろんな人がいろんなことを思っているんだなぁ、 と感じさせられたメールでした。 では、次回のこのコーナーで、またお会いしましょう!! さまざまな、日本国内や海外からの ニュースのご近所のおたよりは、 件名を「ご近所ばなし」として、 postman@1101.comまで、ぜひどうぞー!!! |
2002-10-27-SUN
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