ニュースのご近所。
あの出来事、近くで見るとこんな感じ。

第97回 雪、うどん、受験などのご近所。


こんにちは!

まずは、カンボジアの暴動について、
くりかえしお伝えくださっている
Mariさんのメールを、ご紹介しますねー!







・こんにちは。
 暴動騒ぎから、もう5日経ちました。
 プノンペン市内を見る限り、
 暴動略奪があったとは思えない静かさです。
 気をつけてみると、ついこの前開店したばかりの
 タイレストランのシャッターが降りて
 「売家」の紙が貼られていたりしますが。

 こちらは、噂が噂を呼んじゃっている状態です。
 「与党側の陰謀」説に加えて
 「与党内での権力争い」説も浮上してきました。
 フンセン首相は、7月の総選挙を前にして
 「この先10年首相を続ける」
 なんてアピールしちゃってますが、
 野党は当然として与党内で力のある人間が
 それで満足しているわけもなく。
 首相の地盤を揺るがすための計画だった、というのです。
 ほんとうのところは、あと数年経ってみて
 やっと分かるのかもしれませんね。

 「国交断絶」状態のカンボジア・タイ間も、
 公使レベルでの交渉は始まりました。
 バンコク行きの飛行機も今日から飛び始めました。
 ただし、カンボジア人のタイ入国は拒否されています。
 タイ側の態度はかなり強硬ではありますが、
 ヒステリックな反応ではありませんし
 カンボジア側もタイに対しては低姿勢でいるつもりらしく
 この先しばらくは、平穏な日々が維持できそうです。
 (ちょうど今旧正月なんで、ぱんぱんっ!って
  爆竹にはドキドキしちゃいますけどね)

 他の「政治的陰謀」があるにしろ、
 カンボジアにはこれ以上諸外国と問題を起こす余裕は
 金銭的にも国際的な立場からもありませんし、
 次にことが起こったら今度こそ、
 政府側は必死になって阻止しようとするでしょうが
 今回の略奪騒ぎで味をしめてしまった民衆を、
 止められるのでしょうか?
 貧困層の人々が住む地域で、分厚いマットレスや、
 豪華な椅子や、銀製品が散見されるそうです。
 彼らからしたら、
 「妬ましきタイ人をぶん殴って、
  おまけにボーナスをもらったようなもの」で……。
 これ以上問題を起こすことは出来ない、
 なんて、彼らの知ったことではないし。
 アメリカとイラクの戦争は、
 ブッシュ大統領の大乗り気が始めるように見えるけれど
 もしタイとカンボジアの戦争があるとするなら、
 それはまさに民衆の意思!だったりして。
 (Mari)






憶測が憶測を呼ぶというのは、
カンボジアだけじゃなくて、
いろんなところで、そうなんだろうなぁ、
と思って拝読していました。

今日の「ニュースのご近所」は、
カンボジアのお話以外は、
「ちょっとのんびりしたもの」を集めてみました。

つづけて4通、
いろんなご近所ばなしを、おたのしみくださいねー!







・いつも楽しく読んでいます。
 今日(31日)午後から、
 20センチくらいアッという間に雪が積もった札幌です。
 おとといまで、アスファルトが出ていたと思ったらこれですよ。
 結局はいつもの冬になるんですよね。
 そんな北の国から、雪国ってこうなんです〜と言う話です。

 (1) 昨日、道路は凍ってつるつるでした。
   今の時期、狭い道は歩道がなく(雪が積まれてて)
   みんな車道を歩いています。
   その時後ろから!! 
   ブレーキをかけてるんだけど、滑って止まれない
   と言う、車の音が聞こえてきました。
   私は「ぶつかる」と思い、
   立ち止まってしまいました。
   あわてて転んでしまったら、
   もっとひどいことになるし。
   その車は、
   ぶつかる30センチくらい前で止まったんですが
   運転手さんは、私が立ち止まったのが
   お気に召さなかったのか
   私をにらんで走り去っていきました。
   毎日危険と隣り合わせです。(笑)

 (2) たくさん雪が降ると、歩く人は、前に歩いた人の
   足跡をたどっていきます。
   そうすると、細い、けもの道のようになってしまい
   すれ違うことができません。
   向こうから人が来たら、どうするか。
   女性は、ブーツの人が多いのでよける人が多い。
   雪道をこいで、新たな道を開拓します。
   子供、若い男性もこういう人が多いですね。
   あとは、すれ違えるところで来るのを待つ。
   向こうから来た人は急ぐ。
   思いやりの世界で、けっこうスキです。
   (y)



・先日西日本に久しぶりに大雪がふりました。
 私のすんでいる所は雪に慣れていないので
 駅までの道が渋滞になっていました。
 親に途中で下ろされて駅まで車の横を
 とぺとぺ歩いていました。
 途中まだ誰も足を踏み入れてない
 真っ白な場所がありました。
 ウエディングドレスが純白である意味のひとつである
 「あなた色に染めて」という意味が
 以前は理解できなかったけど、
 その時その意味がすごいわかりました。
 真っ白なその場所が
 「さあ!!来て!!」って言っているように思えて、
 「あーーダイブしたい・・・」ってうずうずしました。
 雪国の人たちは
 こんな雪、屁でもないんだろうなーって
 思ってたら、もう溶けちゃいました。
 風邪ひいてる乗組員さんはあったかくして
 早く風邪なおしちゃってくだらさい★
 (ずんこ)



・初めまして。広島で大学院生やってます。
 毎日、朝研究室に来たら
 メールチェックとほぼ日、スポーツ紙HPのチェック、
 が日課です。
 今日香川に讃岐うどん食べに行ってきました。
 教授と学生2人、ベトナムからの留学生1人の4人組。
 先生の運転で出発です。
 東広島市から瀬戸大橋を渡り、香川に上陸。
 坂出で2軒(山下・蒲生)、善通寺で1軒(これまた山下)と
 はしごして、正午前にうどん4玉と
 おいなりさん2つを腹に収め、旅の目的を果たした我々は
 その足で塩江温泉に行きました。
 先日降った雪が残る竹林を見ながら露天風呂につかり、
 温泉卓球なぞに興じ、日頃の疲れを癒した訳です。
 それで帰途についたのですがその途中、
 尾道のあたりでご飯にしようということになりました。
 選択肢は3つ。カレー、ピザ、ラーメン。
 どれも先生の行きつけ、あるいは
 行ったことがないけど気になってる店です。
 ベトナム人のホアさんに
 決めてもらって行って来ました、「つた藤」。
 うちの先生に言わせると尾道で一番旨い中華そばの店。
 噂には聞いていたんですが、
 まだ行ったことはありませんでした。
 最近有名になってしまって
 いつも混んでると言う話だったので
 すぐ入れるか心配だったんですが、
 幸い2人しか客はおらず、すんなりと座れました。
 狭いカウンターを奥に進むとスープの甘い香りが・・・
 期待を胸に席につき、
 ふと壁を見ると、どっかで見たおさるのイラストが!
 糸井さん、こんなところで!
 そういえば1、2年前の「今日のダーリン」で
 尾道でラーメン食べた、みたいに書いていたような・・・
 しかし、つた藤だったとは夢にも思いませんでした。
 しかも「つた」のところにシールで修正したあとが。
 なんて書いちゃったんですか? 糸井さん(笑)
 つた藤の中華そばは僕がこれまで持っていた
 「たいしたことない」尾道ラーメンのイメージを
 根底から覆してくれました。
 有名になってしまったというのが悔やまれてなりません。
 (タケダ)



・私は、小、中学生対象の
 英数学習塾を個人でやっています。
 いよいよ高校受験が始まり
 生徒達には見せられないし言えないけど
 とても不安な毎日を約1ヶ月送ります。
 うちは田舎なので、
 生徒達が自宅から通える私立高校は周りに1校もなく、
 何が何でも地元の県立高校に合格するしか
 彼らには「高校進学の道」がないというのが現状です。
 「1校しか受けられない、失敗出来ない」
 という意味では彼らはもっとも厳しい受験戦争に
 戦いを挑んでいるのかもしれません。

 毎年、2月になると「一人縁起担ぎ」が始まります。
 大好きなチョコレート断ちはもちろんのこと
 丸付けに使うボールペンはこっちの方が縁起がいいとか
 もうやたらめったら「縁起がいい方」を選んでます。
 今年はもちろん、
 「気」が入った腹巻きも巻きっぱなしです。
 「自分で受験する方がよっぽど気が楽かも」と
 毎年思うのですが、これをやめたら
 誰かが落ちてしまうんじゃないかと思い、
 やめられないという気の小ささです。
 生徒達への声掛けも「怒怒怒怒誉」だったのが
 「誉怒誉怒誉」くらいになってます。
 でもやっぱり専門科目ではないけれど
 「フランシスコ・ザビエル」と答えるところを
 「織田信長」なんて書いているのを見ると
 超怒怒怒!になっちゃいますけど。

 発表にはデジカメを持って一番前に陣取ります。
 「合格!」の味わいは説明できないほど
 何とも気持ちのいいもので、
 その瞬間は、ワールドカップでの
 日本の1勝以上かもしれません。
 「このためにやってきたぞ!ウォー!」と
 心の中で叫びながら、次の高校へバイクで走ります!

 デジカメで撮った合格発表の受験番号を渡す時
 彼らとは「お別れ」なので、
 嬉しさと寂しさが行ったり来たりなんですけどね。
 「こんな気持ち、他の仕事じゃ味わえないな」
 と一人思う3月です。
 学習塾ってちょっと農業に似てるかもしれません。
 育てて育てて、そして出荷していく・・・
 出荷済みの大きく育った作物たちが
 遊びに来るとうれしいですよ。
 早く今年も「無事全員出荷」させたいです。
 (クッキー)






雪、うどん、受験などなど、
それぞれの当事者にとっては「おぉ、ご近所!」という、
おだやかな「センス・オブ・ワンダー」に満ちたものを、
いくつか、ご紹介しましたっ。

のんびりした「ニュースのご近所」メールも、
なんだか読んでいてたのしいので、お待ちしてますねー。
「ほぼ日」スタッフの木村でした。

さまざまな、日本国内や海外からの
ニュースのご近所のおたよりは、
件名を「ご近所ばなし」として、
postman@1101.comまで、ぜひどうぞー!!!

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2003-02-04-TUE

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