阿寒の森に限らず、よく見かける粘菌です。
しかし、それでも、
粘菌のことをけっこう意識してなければ、
見つけるのは難しいかもしれません。
鍛えよ!粘菌目を(笑)。
ムラサキホコリの仲間には、
ムラサキホコリ、オオムラサキホコリ、
サビムラサキホコリ、スミスムラサキホコリ、
クサムラサキホコリなどなど、
いろいろな種類がありますが、基本的には、
アイスバーというかフランクフルトソーセージと言うか、
細長い筒状の物体に細い棒を刺した、とでも言うか、
胞子が入った子嚢という袋に柄がついた形をしています。
ムラサキホコリやオオムラサキホコリは、
子嚢がけっこう長いのでやや下側に湾曲した感じになり、
サビムラサキホコリやスミスムラサキホコリは、
真っ直ぐ上に伸びつつ束になっています。
例によって、正確な種名を同定するには、
胞子を顕微鏡で観察するなどの方法が必要です。
個体差もけっこうあるので、ぼくは、
ぱっと見て種名がはっきりわからないときは、
「ムラサキホコリの仲間」「ムラサキホコリ系」
などと称してそれ以上の思考を停止します(笑)。
今回、メインでご紹介するサビムラサキホコリは、
見つけやすいムラサキホコリの仲間の中でも、
特に見つけやすい種類だと思います。
春から秋にかけて倒木の上に束になって発生。
変形体、未熟な子実体は、白~黄色。
子実体の高さは2cmくらいまで。
黒くて光沢がある柄の長さは全体の高さの半分以下。
成熟した子実体は錆びた鉄粉をまぶしたような色。
ゆえに、サビムラサキホコリ、です。
ムラサキホコリの仲間に限らず、
粘菌のライフサイクルを大胆に4つに分けると、
胞子~粘菌アメーバ~変形体~子実体~胞子、
となるわけですが、
胞子や粘菌アメーバは小さすぎるし、
変形体は倒木や朽木の中にいるので、
我々が確認できるのは、子実体にほぼ限られます。
ムラサキホコリの仲間の変形体、そして、
成形されたばかりの超未熟なつぶつぶの子実体は、
だいたい、白色、薄黄色、黄色のどれかです。
できたばかりのつぶつぶの子実体は、
つやつやでキラキラしていて宝石級の美しさ。
倒木の上などで見つけると、うっとりしてしまいます。
そんな美しい丸いつぶつぶは、
徐々に上へと伸び上がり、黒い柄も伸び、
どんどん色が濃くなって褐色系に変化し、乾燥し、
胞子をたっぷり抱えた子実体へと変身。
胞子は風に乗って新しい世界へと飛んで行きます。
ちなみに、人為的に粘菌の胞子を飛ばすことを、
我々ファンは、胞子活動、と呼んでいます。
倒木に現れた、黄色いつぶつぶ。
サビムラサキホコリの未熟な子実体。
サビムラサキホコリの未熟な子実体。
まんまるが上に引き伸ばされつつ、
黒い柄も伸びてきます。
黒い柄も伸びてきます。
子実体は、乾燥するにつれ、
白や黄色から茶褐色系に色が変わります。
白や黄色から茶褐色系に色が変わります。
乾燥しないうちに雨に打たれてしまった子実体。
おそらく、胞子を飛ばすことはできません。
おそらく、胞子を飛ばすことはできません。
柴犬のお散歩コースで、サビムラサキホコリ発見。
生け垣の腐りかけた木から発生してました。
生け垣の腐りかけた木から発生してました。