

エイプリルフールにちわ!
乗組員のです。
4月バカだからといって、わたしは嘘をついたりはしません、
という、例のパラドックスをここに書いてみます。
ワハハハ!
ええと、そんな季節の挨拶的なことはさておき、
急なことですが10年ほど時間を巻き戻します。
ぎゅーん。
我々は、2003年にこのようなカップラーメンを
作ったことがあったのです。
ドゥ・ユー・リメンバー?
もしも、覚えている方がいれば
その方にはこのように御礼を。
「長い間、ほぼ日にお付き合いいただきまして
まことにありがとうございます。」
そのラーメンは名を(見ればおわかりのことですが)
「ほぼ日公式ラーメンサルのおせっかい」
と申します。
こちら、そんじょそこらのカップラーメンではございません!
あの、日清食品とつくった、カップラーメンなのです。
全国のセブン-イレブンで販売もされたんですよ。
このラーメンができたきっかけは、
2003年当時、日清食品の広報部長の筒井之隆さんが、
postman@1101.comに
直接メールをくださったことに始まります。
「サイトのオリジナルラーメンの共同開発に取り組みたい」と。
そこからチームを組んでいただき、
「ほぼ日」と一緒に、スープや具材を開発して発売したのです。
味をね、詳しく申しますとね。
「こんがりガーリックしょうゆ味」に
チンゲンサイ、煮豚、焦がしネギ、普通のネギ、
ローストガーリック、たまご、なると(サル印)の具が入り、
特徴はなんといっても、「おせっかい袋」にはいった
「スッパイス」です。
「スッパイス」です。
といわれても困るかとおもいますが、
これは小さな袋(おせっかいぶくろ)にはいった
酸味スパイスのこと。
ほら、ラーメンにお酢をいれるみたいに、
カップラーメンに酸味をトッピングできるんです。
当時を知る乗組員は、カップラーメンを食べるたびに
頭の片隅をシュッ! と、このラーメンがよぎるのです。
「ああ、『サルのおせっかい』おいしかったなあ。
深夜の作業のおともだったあれ‥‥ぼわわわわ〜ん。」
思い出の中なので、
おいしさを30%くらい増量しているかもしれないけど、
純粋に食いしん坊として、
「また食べたい」と心の底で思っているのです。
で、その公式ラーメンをつくるきっかけのメールをくださった
筒井さんが、去年横浜にできた
「カップヌードルミュージアム」の館長になられた
というお話をききつけまして、
「行ってみよう!」ということになったのです。
まずは、当時筒井さんの部下で、
当時も一緒に
「サルのおせっかい」を開発してくださった
広報部の松尾さんに連絡をとりました。
「見学したいのですが〜〜!」
「筒井さんにもご挨拶したいんですが〜!」と。
そうしたら、メールには、
「もちろん!」というお返事とともに、
ミュージアムの目玉のなかのひとつである、
「マイカップヌードルファクトリー」という
スープと具材を自分で組み合わせて、
オリジナルのカップヌードルを作れるアトラクションで、
「サルのおせっかい」の味に近いものを再現できる、
という話までもが書かれていました。
当時を知る乗組員、盛り上がる盛り上がる。
行く前から盛り上がる、盛り上がる。
そして、その日はやって来ました。
ようやっと春になってきて、あたたかくなってきたなー。
の、反動の「妖怪・寒の戻り」が出た日のことでした。
ああ、港町の海風は、身にしみるぜ!
▲非常にどんよりした寒い港。強風。
ついた!
▲寒さどこ吹く風、盛り上がる!
左から当時を知る、トミタ、シェフ、西本。
すげ〜!
▲ミュージアムの
総合デザインは、佐藤可士和さんだそうです。
おっされ〜!
ワオ!
天井高!
▲あ、この西本のおとなりにいる方が
日清食品の松尾さん。
「もちろん本日のみなさんのお目当ては、
『マイカップヌードルファクトリー』だとおもいますが、
その前にほかのアトラクションも
ごらんになりませんか?」
正直もうしあげて、このときには
「企業博物館っておもしろいのかなあ?
はやくラーメンつくりたいなあ」と思っていました。
しかし! そんなことを思っていた
自分の横っ面をびたーんとはたきたくなるくらいに、
面白かったのです。ミュージアムの展示が!
まず最初に
「インスタントラーメンヒストリーキューブ」
という部屋にはいったとたん
もう、あっというまにエキサイト。
▲ひゃあ! すごい! まず、数に圧倒されます。
「こちらには、世界で最初のインスタントラーメンである
チキンラーメンからはじまって、
その歴史が一覧できる部屋です。」
▲これが、世界初のインスタントラーメン。
「チキンラーメン」であります!
当時は、「インスタントラーメン」といっても
一般的には、なんのことやら?だったので、
窓がついていました。
なるほど〜〜。
そして、ざーっと見て参りまして、
あれ? 「サルのおせっかい」は、
ここにはいっていないの?
2003年だから、このへんにあるはずなんだけど?
松尾さん、
「あ、それは‥‥ゴニョゴニョ‥‥。」
と、言葉に詰まる。
まあ、そりゃそうですね。我々、おこがましかった!
展示の終わりの方には、
世界のインスタントラーメンの数々。
▲ああ、私けっこう食べたことがあるぞこのへんのラーメン群。
そして、この展示を見終わったあとは、「百福シアター」へ。
インスタントラーメンを発明した、
日清食品の創業者の安藤百福さんの生涯について、
そして、インスタントラーメンの歴史についての
映像を見ることができます。
▲シアター内部。まっかっかです! かっこいい!
NHKの教育番組やニュースをイメージして
映像をつくられたそうで、
とても‥‥よくできてて、大人もとてもたのしい。
シアターの外にでてみると、さらに様々な展示があります。
▲こんなものや。
▲こんなものも!
▲こちらの「アイデアを育てる」の展示は、
広報の松尾さんのお気に入りだそうです。
確かに‥‥これはすごい!
あんまり詳しく説明しちゃうと、
みなさんが行った時の驚きをうばってしまいますので、
このあたりは駆け足でまいりますが、
これらの展示は、
「百福シアター」の上映をしっかりみておくと、
展示内容が頭にすいすいと入ってくる仕組みになっています。
そのすいすいっぷりには少々感激しました。
真面目にみておいてよかったと思いましたよ。
展示の最後には、創業者の安藤百福さんと
一緒に写真を撮影することができます。
この、クールなミュージアムにブロンズ像はちがうな、
ということで「銀」になったとのこと。
「では、本日のメインイベントへ参りましょう!」
いきましょう! いきましょう!
▲こちらが「マイカップヌードルファクトリー」。
作りますよ! 「サルのおせっかい」に似たやつを!
(できたら、自分のオリジナルなやつも!)
「まずは、こちらでオリジナルの『カップ』を
つくってください。
片面がまっさらのカップがありますので、
ご自分で絵を描くことができるんです。」
▲我々、絵を描きまくる。無言で描きまくる。
特別に贅沢をさせていただき
ひとり2つつくらせていただきました。
「パッケージ描けたら、中身を作りに行きましょう!」
▲おお! これが! 具材! こんなにあるの??
トッピングは12種類、スープは4種類で、
5,460通り!
チーズやキムチなど、あまり馴染みがない具材も。
松尾さん、もちろん自分の好みでオリジナルの
カップヌードルも作りたいのですが、
まずは、「サルのおせっかい」に近いものを作りたいんです。
「まかせてください! オーダーの方法をご紹介します。
まずは、スープはカップヌードル味を選択してください。
『サルのおせっかい』のベースはしょうゆでしたね。
そして、そこに、
煮豚の代わりにコロチャーを。
さらに、ローストガーリック、
ネギ、なるとをいれます。
おさるの“さると”じゃなくて残念ですが。
そしてここに、ご自宅に帰られてから、
スッパイスのかわりに、
レモン果汁をしぼっていただければ
かなり近いものにはなると思いますよ。」
▲こんな具合に! やった! うれしい!
▲パッキングしていただいて‥‥。
▲おみやげ用のラッピングをして、できあがり。
たのしかった!
早くたべたいなあ〜〜!
どのくらいまで再現されているのだろうか‥‥。
そして、翌日。
事務所のキッチンで、みんなで試食をしました。
食べたことがある古株の乗組員が
匂いを嗅ぎつけてやってきました。
食べたことがないけど、
食いしん坊の乗組員の田中もやってきました。
▲レモンを絞りまして‥‥。
▲「む! かなり! かなり近い!」
当時のプロジェクト担当の西本が言います。
たしかに、たしかに、レモンがはいって、
あの、ラーメンなのにさっぱりしてる
「サルのおせっかい」の
おいしさの再現ができている気がする!
すばらしい!
そして、それ以外にも
それぞれの「オリジナルカップヌードル」も
みんなでちょっとづつわけあって食べて、
大満足をいたしました。
これは‥‥ほんとにたのしい。
われわれ、
「カップヌードルミュージアム」を
全面的に堪能いたしました!
実は、ミュージアムには、
ここではご紹介しきれなかった、
フードコートや、こどもが遊べる室内アスレチック、
ミュージアムショップもありますよ!
現在、土日や休日はまだまだ人気で混雑しているそうですが、
平日はよゆうがある日もあるとか。
混雑状況などは、ミュージアムのサイトに
リアルタイムで出ていますので、
確認してから行かれることをおすすめいたします。
なにか、横浜にいく機会があったら、
ぜひ、立ち寄ってみてくださいね!
(おしまい)
「カップヌードルミュージアム」 |
※後日、日清食品の松尾さんから西本宛に電話があったようです。
「当時の具材により近いものが用意できるかもしれない」と。
いや、どうなんでしょうね。
だったら、うれしいんですけどね。でも、今日は4月バカですしね。