ほぼにちわ、モギです。お元気ですか?
栗はもうむきましたか?
きのこはどっさり食べましたか? 柿はいかが?

いやあ、秋ですね。
衣替えもしなくっちゃなあ‥‥。
衣もそうだけど、帽子も秋冬物に替えなくちゃ!
って、どうでしょう? 
この流れるような華麗な導入。
自画自賛をはさみつつ、
話を前へ前へと進めていきます。

「ほぼ日」では日曜日のお楽しみコンテンツ、
「スソアキコの古墳部」でおなじみのスソアキコさん。
とても情熱的に古墳について語っておられますが、
その本業は帽子作家さん。
本業についても、以前に「ほぼ日ストア」で
オリジナルの帽子を作ってくださって
販売したこともありますし、
その昔々には、「スソさんのたのしい帽子教室」という
コンテンツで帽子作りを教えてくださったこともあります。
(ああ、なつかし。ああ、自分若し)。

で、そのスソさんが、10月14日の火曜日から青山で
帽子展を開催されるそうです。
今回のテーマは「ニュー山高帽」!


photo by Kuge Yasuhide
▲展覧会のDM。後ろ姿のご本人。
 かぶっている帽子も「ニュー山高帽」のひとつ。

山高帽というのは、あのチャップリンがかぶっている、
というとわかりやすいですね。
今回の展覧会のタイトルには、
その山高帽に「ニュー」がついている。
スソさんに、どんな「ニュー」なのか、
お話を聞かせてください、とお願いしたら、
逆に、スソさんからこんな提案が。


「展覧会に出そうと思っている帽子の大部分が、
 いま、帽子職人さんの工房にあるんですよ。
 全部自分で作る帽子の場合もあるんですが、
 今回の作品の多くは、
 帽子の型を私がつくって、
 その型と素材を職人さんにお渡しして、
 帽子のもとになる形をつくってもらう、
 という流れにしています。
 職人さんが、わたしの帽子の作業をする日に、
 工房にお伺いしつつ、そこでお話をしませんか?」

と。
もちろん、喜んで!
後日、スソさんと二人で、工房へ!

職人さんは、
「あるてモードJapon」の
高野康男さん。
日本を代表する帽子デザイナーの
故・平田暁夫さんのアトリエで
長らく帽子の制作と研究をされてきた方です。


▲スソさんはじめ多くの帽子作家の方々が
 たよりにされていという高野さん。


「今回のテーマの「山高帽」は
 フェルトの布でつくったものもありますが、
 ブレードというリボン状の素材で
 作られるものもあります。」


▲これがブレード。リボン状の素材です。


「このブレードをくるくると回しながら
 両脇を螺旋状に縫い合わせていって、
 帽子の形をつくるのです。
 説明するよりも、高野さんの作業を
 動画で撮ってください。」


りょ、了解です!
(そんなわけで、アイホンでとった動画でございまして、
 手ブレ恐縮! 音声ナシ恐縮!)


麦わら帽子なども
この方法で作られているものも
多いのだとか。


▲麦わら帽子用のブレード。


「高野さんがおやりになると
 スイスイと成形できていってしまいますが、
 そんな簡単な話ではないんです。
 帽子には「型」があるので、
 その型にあわせて、縫いしろを調整しながら、
 型とおなじ形に縫い上げるというのは
 並大抵なことではないんですよ。
 おまけに、帽子にはサイズもありますからね。」


▲できあがったものを型にかぶせて仕上げのアイロンをして、
 高野さんの作業は終了。
 ここからスソさんがさらに加工して「帽子」になります。


「私の帽子のブレードの幅は
 1センチくらいありますが、
 高野さんはそのブレードの幅が2ミリ程度のものでも
 縫うことができるという超絶技巧の持ち主で、
 たぶん日本には高野さんしか
 いらっしゃらないのではないかと業界では言われています。
 わたしの帽子はそんな方にお願いして作っているんです。」


▲この細かさ。これが一本のリボンを
 ぐるぐると縫って行ったものとは思えません。


▲拡大図。


「ブレード素材でつくった帽子のほかにも、
 羊毛のフェルトの山高帽ももちろんあります。
 さらに、うさぎの毛のフェルトの山高帽も作りました。
 手触りがほんとにいいですよ!」


▲こちらがウサギの毛のフェルトのもの。
 毛並みが! 触り心地が! すごいです。


「そして、羊毛の山高帽には
 こんな縁取りをしたものもあります。」


▲か、かわいい!  なんてかわいいのだ! とてもほしい!


「これは、縁のところに色の違うフェルトを
 針でザクザクとさしていったものです。
 フェルトで人形をつくったりする方には
 おなじみの手法でしょうか?
 針でさすと、フェルトの繊維がからまりあって、
 固定することができるんです。

 その他にも、いろんな種類の
 山高帽も作りました。
 あ、山高帽でないものも‥‥いろいろと。
 こちらはいらした時のお楽しみということで!」


▲スソさんの帽子をかぶってみる高野さん。

帽子はあまりかぶらないからなあという方も
ぜひ、そのかわいい姿を見に行くだけでも
行ってみてはいかがですか?


▲こちらもふわふさのブレードでつくられています。
 色の切替もすてきです。

スソさんの個展は
会場のスタッフやスソさんに一言断っていただければ、
試着が可能です。
帽子はかぶってみると、似合う似合わないがすぐわかる、
と、スソさんはおっしゃいます。
いろいろかぶってみると、
似合う帽子って自分でわかるはずですよ、と。

わたしは、以前は帽子は似合わないと思って
一つも持っていませんでした。
でも、スソさんの帽子があまりにもかわいいので、
欲しくなってしまって、いろいろ試着してみて、
似合うものをみつけることができました。
それ以来、帽子をかぶるのが楽しくなってしまって、
いまではたくさん持っています。
スソさんの帽子で、「帽子かぶらず嫌い」が
なおってしまいまったということを
蛇足ですが付け加えさせてくださいませ。

展覧会場のDEE'S HALLは青山の
ほぼ日のTOBICHIにも
そう遠くないところにあるのですが、
期間中にTOBICHIでの企画はありません。
が、TOBICHIで配っている周辺の地図があります
個展に来がてら、この地図をみながら
青山をぶらぶらするのもよいかも!

それでは、また!


スソアキコ帽子展
「ニュー山高帽」


2014年10月14日(火)〜21日(火)
12:00〜20:00(日曜日と最終日は18:00終了)
会場:DEE'S HALL
   東京都港区南青山3-14-11
   地下鉄「表参道」A4出口徒歩3分
   ※駐車スペースはありません。

2014-10-13-MON