編みものファンのみなさん、お待たせしました!
ニットデザイナー・三國万里子さん待望の新刊が、
ついに全国の書店に並びはじめます!
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関わった方々の名前を見るだけで、
ページを開く前からワクワクしてくる三國さんの最新刊。
表紙には立派なひつじと、著者ご自身が登場しています。
これはどうやら、去年までの三國さんの本とは、
かなり違った内容の一冊ができあがったようです。
いったい、どんな本なのでしょう?
三國万里子さんご本人と
担当編集社の三角紗綾子さん(株式会社リトルバード)を
お招きして、その内容についてインタビューをしました。
‥‥のですが、
インタビューをはじめる前に、ひとつ気になることが。
「三國さん‥‥
目に貼っている、それは?」
三國 | これはアイパッチです。 |
── | アイパッチ‥‥。 なにか左目にトラブルが? |
三國 | はい。たいしたことはないのですが、 まぶたがちょっと腫れているので、 お見苦しいかと思って アイパッチをつけてきました。 |
── | ‥‥そうですか。 お写真、このまま撮っても大丈夫でしょうか? |
三國 | もちろん。 |
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── | わかりました(笑)。 では、アイパッチに 気を取られないようにしつつ、 インタビューをはじめます。 三國さん、三角さん、 新刊の完成、おめでとうございます! |
ふたり | ありがとうございます。 |
── | 途中経過を小耳にはさんでいました。 お疲れさまです。 三國さんの目のトラブルも、 本作りのお疲れが原因かもしれませんね。 |
三角 | そうですね、それはあると思います。 三國さん、たいへんでしたから。 |
三國 | いえいえ、たいへんだったのは三角さんです。 わたしはたのしかった。 |
── | 旅に、出かけていましたよね。 |
三國 | はい。 |
三角 | 3月にガーンジー島とロンドンに行って、 5月にはシェットランド諸島と アラン諸島に行きました。 |
── | 編みものの聖地を巡ってきたから、 「編みもの修学旅行」。 |
三角 | そうです。 三國さんがつづる紀行文と、 三國さんがこの旅で感じたことを アウトプットした作品を収めた一冊です。 新作ニットは10点掲載されていて、 すべて編み方もついています。 |
── | 紀行文ということは、 三國さんの文章がたくさん読める本。 編集者から見て、 三國さんの文章はいかがでした? |
三角 | それがですね‥‥おもしろいんです。 すばらしい。 ふだんの文章が上手な方だとは思ってましたが、 ここまで書けるとは 失礼ながら思っていませんでした。 |
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三國 | (しみじみと)ほんとーに、 どこもきれいだったよねー。 |
三角 | きれいでした‥‥。 たとえば、ガーンジー島という場所。 |
── | ガーンジー島。 |
三角 | 写真を撮ってくださった長野陽一さんから、 ガーンジー島で撮ったものを お借りしてきたので、 きょうはその島のことをご紹介させてください。 |
写真:長野陽一 |
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── | ‥‥きれいですねぇ‥‥港の風景。 ガーンジー島の場所は、どのあたりに? |
三角 | イギリス海峡のチャネル諸島に位置する島です。 ロンドンから飛行機で30分。 すごく行きやすいんです。 |
三國 | パフィンっていう鳥の柄の飛行機で行きました。 かわいいの。 |
写真:長野陽一 |
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── | その島は観光地なのでしょうか。 |
三角 | 気軽に行けるリゾート地という感じです。 気候も温暖で、サーフィンやヨット、 釣りなんかも楽しめます。 金融の街でもあって、 タックスフリーだからお買い物もしやすい。 ガーンジー牛、ロブスター、 ムール貝、カニなど、 食べ物もおいしい。 |
三國 | 豊かな島でした。 |
三角 | フランスにも近いので、その雰囲気もあって。 ここはいちばんの目抜き通りで、 パステルカラーの街なみです。 |
写真:長野陽一 |
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── | 三國さんが歩いてる(笑)。 |
三國 | アンティークのお店なんかもあるんですよ。 |
── | とはいえ「編みもの修学旅行」ですから、 この島もやはり、編みものの聖地なんですよね。 |
三國 | そう。 ガンジーセーター。 |
── | あ、そうか、ガンジーセーター。 なるほど、あのセーターの発祥地‥‥。 ‥‥ん? でも発音が違いますね。 ガーンジー島、ガンジーセーター。 |
三角 | よく気づいてくださいました。 島の名前はGuernsey(ガーンジー) という発音なんですけど、 セーターに関してはスペルが違う場合もあって、 GANSEY(ガンジー)と発音するんです。 |
── | へえーー。 |
三角 | 漁師さんがこんなふうに普通に ガンジーセーターを着て働いています。 |
写真:長野陽一 |
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── | かっこいい。 |
三角 | ドライバーさんがすごくいい人で、 その方はラトビアの女の子に編んでもらった 手編みのガンジーを 15年着てると言ってました。 |
写真:長野陽一 |
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── | へえーー。 そんなに長持ちするんですね。 あの‥‥そもそもガンジーセーターとは、 どういうセーターのことを言うのでしょう? |
三國 | イギリス沿岸で編まれた、 紺色の硬いウールで密に編まれた ボックス型のフィッシャーマンズセーターを ガンジージャンパーと呼ぶんです。 |
── | 「ジャンパー」ですか。 |
三國 | 日本ではジッパーが付いて前が開くものを ジャンパーと呼びますが、 ここではセーターのことをジャンパーと。 そして、 ガンジーという言葉に「編んであるもの」 という意味が含まれているので、 このタイプのセーターを指して 「ガンジー」とだけ呼んだりもします。 向こうで買ったものを持ってきました。 (テーブルに広げる)よいしょ。 |
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── | おおー。 |
三國 | イギリス沿岸全体に ガンジージャンパーというものはあるんですね。 基本的にメリヤス地で、 胸から上の部分に 地方独特の柄が配されています。 そんな中でも、 ガーンジー島のガンジージャンパーは すごくシンプル。 裾のところに波のラインが一本とか、 袖の継ぎ目のところにちょっとした ガーター模様が入るとか、 ほんとにシンプルなんです。 |
三角 | このセーターはガーンジー島のファクトリーで、 機械で編まれたものです。 でも、首のマチや衿とか、肩をつけるところは 手で編んでいました。 |
三國 | ガンジーセーターが展示してある 資料館もあるんですよ。 |
写真:長野陽一 |
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── | あれ? この左の女性は、イセキアヤコさん? |
三國 | そうです、イセキさん。 ロンドンに住むイセキさんに、 この旅のコーディネートをお願いしました。 すごくお世話になったんです。 |
── | ふたりともたのしそう。 |
三國 | はい。たのしかった(笑)。 |
三角 | すごくすてきな建物で、 18世紀の貴族の館なんだそうです。 |
三國 | ここに、微妙なディテールの差がある ガンジーセーターが いくつか展示してあるんです。 |
写真:長野陽一 |
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三角 | 「Folk and Costume Museum」 という施設でしたね。 |
── | こちらの写真は、 セーターのファクトリーでしょうか? |
写真:長野陽一 |
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三角 | そうです。いい写真ですよね。 機械で仕上げるんですけど、 その機械に家族の写真が貼ってあったりして。 |
写真:長野陽一 |
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── | いいですね‥‥機械を使った「手仕事」です。 |
三國 | ふたつのファクトリーを 見学させていただきました。 |
写真:長野陽一 |
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三角 | こうしてガーンジー島で触れたあれこれが 三國さんにインプットされ、 新たにうまれたのがこのガンジーセーターです。 (テーブルに広げる) |
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── | はあーー‥‥。 これが、三國さんの新刊に? |
三角 | 収録されてます。もちろん編み方も。 |
三國 | ガンジーセーターの波のような裾の部分、 この作り目も紹介しています。 |
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── | そのガーンジー島には、何泊したのですか? |
三國 | 一泊です。 |
三角 | とにかく取材のスケジュールがいっぱいで‥‥。 |
── | どんなホテルに? |
三角 | 「La Trelade Hotel」というところでした。 |
 写真:長野陽一 |
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三國 | 落ち着いた、すてきなホテルでした。 |
三角 | 朝食もおしいかったです。 バターがガーンジー牛のもので濃厚でした。 |
── | 三國さんが食べてる(笑)。 |
写真:長野陽一 |
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三國 | もうちょっと、ここにいたかったです。 できたら一週間くらいのんびり。 |
三角 | ねー。 ガーンジー島、いいところですよね。 |
三國 | はい。美しいところ。 人ものんびりしてて。 |
三角 | もっとロブスター食べたかったー! |
三國 | もっとお買い物したかったー! |
── | ありがとうございました(笑)。 ガーンジー島だけでなく、 アラン諸島、 シェトランド諸島、ロンドンでも それぞれの場所で美しいものに触れて、 新刊がつくられていったわけですね。 |
三角 | はい。 編みものをしない人も たのしめる本だと思います。 |
── | ああー、そうですね、 まだ読んでいませんが、 お話をうかがっていて きっとそういう一冊なのだと思いました。 |
三國 | どうぞよろしくお願いいたします。 |
三角 | ‥‥あ、そうだ忘れてた! こういうのも持ってきてたんでした。 |
── | これは? |
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三角 | ガーンジー島のお金です。 1ガーンジーポンド。 |
三國 | これ、ガーンジー島でしか使えないんです。 日本の銀行でも両替できないはず。 |
── | それはもう、あれですよ、 「これを持ってまたガーンジー島に行きます」 というお金ですよ。 |
ふたり | ああーーー。 |
三國 | そうね! |
三角 | そうね! |
※「ガーンジー島に行ってみたい!」という方は、
英国政府観光庁のブログや
公式サイトを訪ねてみましょう。
ガーンジー島の他、
英国各地の最新情報が案内されています。
英国政府観光庁のツイッターや
Facebookもたのしいですよー。
※このニュースが更新される11/7(金)~11/9(日)まで
HOBONICHIのTOBICHIにて、
「Miknits2014
三國万里子さんの編みものキットと本の展示販売会」
を開催します。
会場では三國さんの新刊も販売しますので、
よろしければお出かけください。
くわしくはTOBICHIのページをご覧ください。