今年もあります「市場で朝めし。」 気仙沼のほぼ日は観光案内所に!

写真:長野陽一

編みものファンのみなさん、お待たせしました!
ニットデザイナー・三國万里子さん待望の新刊が、
ついに全国の書店に並びはじめます!


『アラン、ロンドン、フェアアイル
 編みもの修学旅行

文化出版局/1998円(税込)

スタイリング/岡尾美代子
写真/長野陽一
アートディレクション/有山達也

関わった方々の名前を見るだけで、
ページを開く前からワクワクしてくる三國さんの最新刊。
表紙には立派なひつじと、著者ご自身が登場しています。
これはどうやら、去年までの三國さんの本とは、
かなり違った内容の一冊ができあがったようです。

いったい、どんな本なのでしょう?
三國万里子さんご本人と
担当編集社の三角紗綾子さん(株式会社リトルバード)を
お招きして、その内容についてインタビューをしました。

‥‥のですが、
インタビューをはじめる前に、ひとつ気になることが。

「三國さん‥‥
 目に貼っている、それは?」


三國 これはアイパッチです。
── アイパッチ‥‥。
なにか左目にトラブルが?
三國 はい。たいしたことはないのですが、
まぶたがちょっと腫れているので、
お見苦しいかと思って
アイパッチをつけてきました。
── ‥‥そうですか。
お写真、このまま撮っても大丈夫でしょうか?
三國 もちろん。
── わかりました(笑)。
では、アイパッチに
気を取られないようにしつつ、
インタビューをはじめます。

三國さん、三角さん、
新刊の完成、おめでとうございます!
ふたり ありがとうございます。
── 途中経過を小耳にはさんでいました。
お疲れさまです。
三國さんの目のトラブルも、
本作りのお疲れが原因かもしれませんね。
三角 そうですね、それはあると思います。
三國さん、たいへんでしたから。
三國 いえいえ、たいへんだったのは三角さんです。
わたしはたのしかった。
── 旅に、出かけていましたよね。
三國 はい。
三角 3月にガーンジー島とロンドンに行って、
5月にはシェットランド諸島と
アラン諸島に行きました。
── 編みものの聖地を巡ってきたから、
「編みもの修学旅行」。
三角 そうです。
三國さんがつづる紀行文と、
三國さんがこの旅で感じたことを
アウトプットした作品を収めた一冊です。
新作ニットは10点掲載されていて、
すべて編み方もついています。
── 紀行文ということは、
三國さんの文章がたくさん読める本。
編集者から見て、
三國さんの文章はいかがでした?
三角 それがですね‥‥おもしろいんです。
すばらしい。
ふだんの文章が上手な方だとは思ってましたが、
ここまで書けるとは
失礼ながら思っていませんでした。
三國 (しみじみと)ほんとーに、
どこもきれいだったよねー。
三角 きれいでした‥‥。
たとえば、ガーンジー島という場所。
── ガーンジー島。
三角 写真を撮ってくださった長野陽一さんから、
ガーンジー島で撮ったものを
お借りしてきたので、
きょうはその島のことをご紹介させてください。

写真:長野陽一
── ‥‥きれいですねぇ‥‥港の風景。
ガーンジー島の場所は、どのあたりに?
三角 イギリス海峡のチャネル諸島に位置する島です。
ロンドンから飛行機で30分。
すごく行きやすいんです。
三國 パフィンっていう鳥の柄の飛行機で行きました。
かわいいの。

写真:長野陽一
── その島は観光地なのでしょうか。
三角 気軽に行けるリゾート地という感じです。
気候も温暖で、サーフィンやヨット、
釣りなんかも楽しめます。
金融の街でもあって、
タックスフリーだからお買い物もしやすい。
ガーンジー牛、ロブスター、
ムール貝、カニなど、 食べ物もおいしい。
三國 豊かな島でした。
三角 フランスにも近いので、その雰囲気もあって。
ここはいちばんの目抜き通りで、
パステルカラーの街なみです。

写真:長野陽一
── 三國さんが歩いてる(笑)。
三國 アンティークのお店なんかもあるんですよ。
── とはいえ「編みもの修学旅行」ですから、
この島もやはり、編みものの聖地なんですよね。
三國 そう。
ガンジーセーター。
── あ、そうか、ガンジーセーター。
なるほど、あのセーターの発祥地‥‥。
‥‥ん? でも発音が違いますね。
ガーンジー島、ガンジーセーター。
三角 よく気づいてくださいました。
島の名前はGuernsey(ガーンジー)
という発音なんですけど、
セーターに関してはスペルが違う場合もあって、
GANSEY(ガンジー)と発音するんです。
── へえーー。
三角 漁師さんがこんなふうに普通に
ガンジーセーターを着て働いています。

写真:長野陽一
── かっこいい。
三角 ドライバーさんがすごくいい人で、
その方はラトビアの女の子に編んでもらった
手編みのガンジーを
15年着てると言ってました。

写真:長野陽一
── へえーー。
そんなに長持ちするんですね。

あの‥‥そもそもガンジーセーターとは、
どういうセーターのことを言うのでしょう?
三國 イギリス沿岸で編まれた、
紺色の硬いウールで密に編まれた
ボックス型のフィッシャーマンズセーターを
ガンジージャンパーと呼ぶんです。
── 「ジャンパー」ですか。
三國 日本ではジッパーが付いて前が開くものを
ジャンパーと呼びますが、
ここではセーターのことをジャンパーと。
そして、
ガンジーという言葉に「編んであるもの」
という意味が含まれているので、
このタイプのセーターを指して
「ガンジー」とだけ呼んだりもします。

向こうで買ったものを持ってきました。
(テーブルに広げる)よいしょ。
── おおー。
三國 イギリス沿岸全体に
ガンジージャンパーというものはあるんですね。
基本的にメリヤス地で、
胸から上の部分に
地方独特の柄が配されています。
そんな中でも、
ガーンジー島のガンジージャンパーは
すごくシンプル。
裾のところに波のラインが一本とか、
袖の継ぎ目のところにちょっとした
ガーター模様が入るとか、
ほんとにシンプルなんです。

▲袖の継ぎ目にガーター模様。
 脇の下と首の横に三角形のマチが。
三角 このセーターはガーンジー島のファクトリーで、
機械で編まれたものです。
でも、首のマチや衿とか、肩をつけるところは
手で編んでいました。
三國 ガンジーセーターが展示してある
資料館もあるんですよ。

写真:長野陽一
── あれ?
この左の女性は、イセキアヤコさん
三國 そうです、イセキさん。
ロンドンに住むイセキさんに、
この旅のコーディネートをお願いしました。
すごくお世話になったんです。
── ふたりともたのしそう。
三國 はい。たのしかった(笑)。
三角 すごくすてきな建物で、
18世紀の貴族の館なんだそうです。
三國 ここに、微妙なディテールの差がある
ガンジーセーターが
いくつか展示してあるんです。

写真:長野陽一
三角 「Folk and Costume Museum」
という施設でしたね。
── こちらの写真は、
セーターのファクトリーでしょうか?

写真:長野陽一
三角 そうです。いい写真ですよね。

機械で仕上げるんですけど、
その機械に家族の写真が貼ってあったりして。

写真:長野陽一
── いいですね‥‥機械を使った「手仕事」です。
三國 ふたつのファクトリーを
見学させていただきました。

写真:長野陽一
三角 こうしてガーンジー島で触れたあれこれが
三國さんにインプットされ、
新たにうまれたのがこのガンジーセーターです。
(テーブルに広げる)
── はあーー‥‥。
これが、三國さんの新刊に?
三角 収録されてます。もちろん編み方も。
三國 ガンジーセーターの波のような裾の部分、
この作り目も紹介しています。
── そのガーンジー島には、何泊したのですか?
三國 一泊です。
三角 とにかく取材のスケジュールがいっぱいで‥‥。
── どんなホテルに?
三角 「La Trelade Hotel」というところでした。

▲「La Trelade Hotel」    
写真:長野陽一
三國 落ち着いた、すてきなホテルでした。
三角 朝食もおしいかったです。
バターがガーンジー牛のもので濃厚でした。
── 三國さんが食べてる(笑)。

写真:長野陽一
三國 もうちょっと、ここにいたかったです。
できたら一週間くらいのんびり。
三角 ねー。
ガーンジー島、いいところですよね。
三國 はい。美しいところ。
人ものんびりしてて。
三角 もっとロブスター食べたかったー!
三國 もっとお買い物したかったー!
── ありがとうございました(笑)。

ガーンジー島だけでなく、
アラン諸島、
シェトランド諸島、ロンドンでも
それぞれの場所で美しいものに触れて、
新刊がつくられていったわけですね。
三角 はい。
編みものをしない人も
たのしめる本だと思います。
── ああー、そうですね、
まだ読んでいませんが、
お話をうかがっていて
きっとそういう一冊なのだと思いました。
三國 どうぞよろしくお願いいたします。
三角 ‥‥あ、そうだ忘れてた!
こういうのも持ってきてたんでした。
── これは?
三角 ガーンジー島のお金です。
1ガーンジーポンド。
三國 これ、ガーンジー島でしか使えないんです。
日本の銀行でも両替できないはず。
── それはもう、あれですよ、
「これを持ってまたガーンジー島に行きます」
というお金ですよ。
ふたり ああーーー。
三國 そうね!
三角 そうね!


※「ガーンジー島に行ってみたい!」という方は、
 英国政府観光庁のブログ
 公式サイトを訪ねてみましょう。
  ガーンジー島の他、
 英国各地の最新情報が案内されています。
 英国政府観光庁のツイッター
 Facebookもたのしいですよー。

※このニュースが更新される11/7(金)~11/9(日)まで
 HOBONICHIのTOBICHIにて、
 「Miknits2014
  三國万里子さんの編みものキットと本の展示販売会」
 を開催します。
 会場では三國さんの新刊も販売しますので、
 よろしければお出かけください。
 くわしくはTOBICHIのページをご覧ください。

PRESENT!
三國さんからのおみやげを
抽選で10名様にプレゼント!!


マフラーや毛糸などなど、
三國さんが「ほぼ日」読者のみなさんのために買ってきた
おみやげを、抽選で10名様にプレゼントします。
(ほとんどがガーンジー島で購入したものです)

下の応募ボタンをクリックしてたちあがるメールに、
三國さんへのメッセージ等を
お書き添えのうえご応募ください。
送付先のご住所などは、
当選された10名様にメールでおたずねしますので、
ご応募の際に記入の必要はございません。
当選の発表は、締め切りの日に送信する
ご当選者へのメールをもってかえさせていただきます。
(いただいたメールに返信するかたちで
 ご当選をおしらせしますので、
 必ずご自分のアドレスからご応募くださいね)
たくさんのご応募をお待ちしています。

締切/2014年11月13日(木)午前11:00

宛先はpresent@1101.comです。
件名を 『三國さんのおみやげ』プレゼント としてください。

2014-11-07-FRI