ほぼにちわ。
ほぼ日のです。まいどどうも!
春になってきましたな‥‥。
くしゃみ、してますか。目かゆいですか?
当方は、うっすら派です。
うすら目が痒く、うすらくしゃみが頻繁で、
うすら鼻水がでます。決して派手ではありません。
さて、そんな花粉症の程度の問題を
書いている場合ではないのです、
みなさま、お正月に「筆で抱負を書く大会2015」という
コンテンツがあったのをご記憶ですか??
乗組員が2014年の年末に筆で書いた抱負を掲載するとともに、
読者のみなさまからもひろく抱負を募集したものです。
お正月から今日ここまではやまるっと2ヶ月。
記憶の彼方に押し込んだそれをちょいと引っ張りだしてください。
私は、そのコンテンツの制作チームにおりました。
そして、コンテンツ掲載終了後1週間ほどたった
1月13日のことでした。
(ずいぶん前のことです! すみません!)
私は思ったのです!
「書いてもらった抱負、どうしよう?」と。
書道で抱負を書いたのは
コンテンツ製作の都合上2014年の年末でしたが、
掲載は2015年にはいってから。
それも、2日からはじまったのだから、
それは「書き初め」と考えても差支えがないのではないかと。
書き初めならば、なんらかの儀式をして
処分せねばならないのではなかったかしらん?
ただ、シュレッダーにかけたりしたらイカンのじゃないかしらん?
確か、燃やしたりしなかったかしらん?
神社にもっていくのではなかったかしらん?
こういうときは、もちろんgoogle先生にきいてみるのです。
「書き初め 燃やす 神社 正月 後」
チーン! でた!
「どんど焼き」。そうそう。それそれ。それ。
「左義長」。そうそう。それそれ。それ。
正月飾りや書き初めを燃やすやつ!
1月15日の小正月に行事は行われるらしい。
おーい! 大代表~!
(大代表とは「ほぼ日」でコンテンツの責任者のことをいう。)
「お呼びですか?
私が大代表の星野です。
筆で抱負を書く大会2015の大代表、星野です。」
「説明的なセリフで登場をありがとう。星ちゃん。
ええとですね。
例のコンテンツの書き初め作品、
どうにかしないとじゃない?
どうやらね、日本には
どんど焼きという習慣があるらしい。
神社でやる行事らしい。
お正月飾りや書き初めを燃やすらしいのよ。
なんでも、燃やして火の粉が高く上がると、
書道の腕前が上がるらしいし!
これは‥‥参加せねばではないでしょうか??」
「そうしましょう!
そうしましょう!
乗組員のみなさんのはもちろんですが、
読者のみなさんのもプリントアウトして
持って行きたいです!
これでコンテンツをうつくしく終了できますね!」
星野はいつも即答です。
星野といえばびっくり顔でもあります。
それはさておき。
「どうも1月15日くらいにやるらしいから、
どこかさがして行こうよ。」
「調べます。ちょっとまってください。」
そうして、星野が調べてたどりついたのは、
井の頭線の久我山駅から徒歩10分ばかりの場所にある
久我山稲荷神社でした。
「ほしちゃん、んでは確認の電話を
お願いしてもよいでしょうか!」
「すぐやります!」
星野、電話をとる。
「当日は10時からやるそうです!
電話にでた方はおっとりと教えてくださいました!」
「んじゃ、コンテンツの係のもので、
行けるひとは行くってことでどうかね。」
「そうしましょう!」
こうして我々は、チーム内に声をかけてみて、
、、、私の
4人が行けることがわかり、
この「ほぼ日ニュース」も4人で分担して
書いていくことを決め、
当日の朝、久我山駅に集合したのだった‥‥。
雨だった‥‥。寒い‥‥。
平成27年1月15日午前10時、
京王井の頭線久我山駅改札。
「ぶるぶるぶる‥さ、寒い‥ぶるぶるぶる‥」
「みなさん、おはようございます。
朝一番での集合、本当にありがとうございます。
お世辞にもよいお天気とは言えませんが、
メンバーも時間通りに全員揃いましたし、
抱負もカメラも忘れずに持ってきました。
あとは盛大に燃やすのみです!」
なんと頼もしいお言葉。
あぁ、これでもう書道の腕前は上がったも同然、
コンテンツはうつくしく終了の巻。
▲改札で記念撮影。はりきっています。
ずずいと先頭をどうぞ。
「もちろんです。まかせてください!
‥‥‥?‥‥‥?‥‥‥?」
どうされましたか?大代表。
「‥‥‥久我山稲荷は、どっち?」
あぁ、地図を持って「どっち?」とおたずねか。
こういうときは、
もちろん Google マップ 先生にきいてみるのです。
「ここ から 久我山稲荷神社」
チーン! でた!
「神田川を右」
神田川を右だそうですよ、大代表。
Googleマップを手にした多田に
ついてきてくださいー。
▲はぁー。これは神田川なんだぁー。
▲鯉!
歩くこと10分。ついに久我山稲荷神社に到着したのです。
▲ついたぁー。
えっちらおっちら石段をのぼりまして。
さぁ。心ゆくまで燃やしましょうぞ、大代表。
いざ。いざ。
天高く燃やしちゃってくださいよ!
「もちろんです。まかせてください!
‥‥‥‥!?」
▲‥‥!?
▲‥‥‥‥!?
▲‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥!
「えっ‥?」
火の気も人気(ひとけ)もない、静かな神社。
そして看板には「一月十五日午後二時」の文字。
なんと、どんど焼き本番は
「午後2時」からであったのだ。
そして大代表、ぼそっと衝撃のひとこと。
『そういえば私、時間を間違える夢を見たんです‥‥』
ぎゃー、正夢。
▲集められた、ずぶ濡れのお正月飾りたち。
そもそも雨天決行なのか?
ほんとうに今日なのか?
だって人っ子一人いないよ!
急に不安です! 大代表ー!
「‥‥あ! 人が来ました。聞いてきます!」
返事を待たずに走り出す、星野。
その他みんなは呆然として足が棒。
そして、とにかく寒い。
「やはり今日の午後2時からだそうです‥‥。
電話では10時って言われたと思ったのになあ‥‥。
どうやって聞きまつがったのか‥‥。」
がくーんとうなだれる星野。
しとしとと降り続ける雨。
「とにかくさ、お参りでもしてから会社に戻ろうよ。
誰にでも間違いはあるし、気にすることないよ。
ほぼ日ニュースのいいオチができたってことでさ!」
すかさず製作中にこの様子をアップするモギさん。
頼もしい!お参りしましょう、そうしましょう。
▲せめてもの、お参り後。
こうしてわたしたちは、
抱負を燃やせぬまま会社へと戻ったのでした。
▲さっき通ったばかりの川沿いの道を戻ります。
▲当時のほしのの感情にフィットした看板。
「確認が肝心」と嗜められているように感じたそうです
ほんとに驚きました。
人生初の正夢が、まさかこのタイミング‥‥。
しょげては謝るわたしへの、
同行3人のやさしいフォローは一生忘れません。
▲わたしが書いた今年の抱負。ある意味、見事に達成されました。
ぶるぶる震えながら青山のオフィスに戻ると、
何も知らない同僚たちがあたたかく迎えてくれます。
(やさしい同僚A)
「雨の中おつかれさま!抱負はよく燃えた?」
「そ、それが‥‥。」
(やさしい同僚B)
「どんど焼き、どんな感じだったの?」
「そ、それが‥‥‥‥‥‥。」
声をかけてくれたひとに
4人それぞれがことの顛末を説明します。
ああ、3人は何にも悪くないんです。
悪いのは、わたしなんです。
そういえば、
モギさんは集合時間に遅れないように
駅の階段を走ったと言っていたなあ。
多田さんなんて、家が遠いから
いつもよりだいぶ早起きして久我山に来てくれたのに。
それを全部台無しにしてしまった‥‥。
これは、リベンジするしかない‥‥‥‥‥‥!
この瞬間、わたしは午後再び久我山稲荷に向かうことを
かたくかたく決意したのでした。
「モギさん、多田さん、ももちゃん、
わたし、もう一度久我山稲荷に行ってきます。」
「え、せっかく帰ってきたのに!?
寒いし、雨だし、無理しなくていいよー!」
「大代表として、
ここで燃やさないわけにいきません。
燃やしたいんです!
ちなみに午後の仕事も、なんとかなりそうです!」
「‥‥‥‥‥‥‥‥よっしゃ、
じゃ悪いけどよろしく頼む!」
「本当に本当にすみません、
午後は会議が入っていて手伝えず‥‥。
でも、報告を楽しみにしています!」
行ってきます、やさしいお三方。
次は絶対に時間を間違える訳にいかぬ!と
すぐさま久我山稲荷さんに確認の電話をかけます。
「もしもし、本日そちらでどんど焼きが
開催されると聞いたのですが、
開始は何時からでしょうか?」
(神社の方)
「14時からです」
「じゅうよじ、ですね!
ちなみに、雨天決行ですか?」
(神社の方)
「決行です。」
おいしい給食(カレー)を食べて、体力フル充電。
単独で、いざ久我山稲荷!
雨はどんどん強くなるし、靴下はほんのり濡れているけれど、
そんなのはちっとも気になりません。
なぜなら、わたしは気合いに満ちているからです。
20分ほどの移動で久我山駅に着くと
ホームからでもかすかに、
でも確実に煙のにおいを感じます。
朝はこんなにおい、しなかったなあ。
いよいよ、とうとう、燃やせるんだ。
はやる気持ちを抑えつつ、
でもやっぱり抑えきれずに小走りで久我山稲荷へ。
(道順は午前中に予習済みなので、ばっちりです。)
▲抱負の入った封筒
▲あ、見えた!煙だー!(小走りなので、ぶれています)
▲けむり、けむりー!
境内目指して十数段の階段をのぼると‥‥
ものすごい勢いで、燃えています!!!!!
雨にも負けず、燃えています!!!!!!!!!
いてもたってもいられず、
早速目の前の係の男性にお願いをしました。
「あのう、会社で書いた今年の抱負を、
燃やしていただいてもいいでしょうか?」
(封筒から、半紙の束と読者投稿のプリントアウトを取り出す)
「いいよー。この袋にまとめちゃうね。(ガサゴソ)」
(その場にあった京王百貨店の紙袋に抱負をまとめて入れる)
あっさり!ありがとうございます!
そしてその男性、
紙袋の他にしめ縄や縁起物をごっそり抱え、
すたすたと炎の前へ。
バサッ!(炎に投げ込む音)
ゴォーーーーーー、メラメラメラ‥‥
(わたしたちの抱負が燃える音)
もくもくもく‥‥
(どこまでものぼっていく煙)
もう!?早い!
到着から賞味2分。
わたしたちの抱負は天高くのぼる煙になったのでした。
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久我山よりほしのです。
と、到着後2分で燃やしてもらいました!
あまりのスピーディさに驚きました…
みなさまの抱負は
しっかり天にのぼりましたので、
ご報告いたします。
(すごく煙たいです)
ほしの
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↑こんな速報メールを会社に打っていると、
さきほどの男性がこちらへやってきて
「今、見た?さっき預かったやつ、燃やしたよ。」と
お茶目に報告をしてくださいました。
ありがとうございます、しっかりと拝見いたしました!
「燃やしてもらえるかも分からないので、
会社への戻り時間は読めません。」
などと大げさなことを言って会社を出てきたのに、
ものの2分で終わったわたしのリベンジ。
せっかくなのでもうすこし見学をしていこう。
バサッ!
ゴォーーーーーー、メラメラメラ‥‥
もくもくもく‥‥
バサッ!
ゴォーーーーーー、メラメラメラ‥‥
もくもくもく‥‥
たくさんの縁起物が投入されては
鮮やかなオレンジ色の炎となり、白い煙となり‥‥。
何度そのサイクルを見たでしょう。
何枚の写真を撮ったことでしょう。
さあ、そろそろ帰り時だ。
境内で手を合わせた後、
燃やしてくださっているひとたちにそっと一礼。
雨で濡れた石段を慎重に降りて、
わたしは久我山稲荷神社を後にしました。
抱負の束の入っていたカバンは
すっかり空っぽになったけれど、
こころは満足感で満ちあふれていました。
<完>
長文でおおげさにお送りしてまいりました
「ほぼ日ニュース」ですが、
簡単にまとめると
「書いてもらった抱負を燃やすために
朝一番でどんど焼きに向かったが
星野が時間を間違えてまだやっていなかったため、
出直して結局は無事に燃やしてもらえた。」
というお話でした。
それでは、何だか名残惜しくもありますが、
これにて「筆で抱負を書く大会2015」を
しめくくらせていただきます。
タイミングはずれのリポートにお付き合いいただき、
どうもありがとうございました。
そして、このコンテンツに参加してくださった
すべてのみなさまに、心より感謝申し上げます。
筆で抱負を書いて始まった2015年が、
実りあるすばらしい年になりますように!
▲終始へなちょこな大代表、星野でした!