2015年5月12日のニュース 京都動物愛護センターに
行ってきました。
こんにちは、「ほぼ日」のです。
この4月、京都にオープンした京都動物愛護センターに、
糸井重里と、ミグノンプランの友森玲子さんといっしょに
行ってきました。
(上の写真に写っているのは、左から
 糸井重里、門川大作京都市長、
 京都動物愛護センターの
 名誉センター長である杉本彩さん、
 友森玲子さんです)
京都駅から近い、上鳥羽公園にあります。

このセンターは、
京都府と京都市が共同で運営する行政施設です。
動物の引き取りから譲渡にいたるまでの過程で、
獣医さんをはじめとする専門家の監修をあおぎ、
それぞれのネットワークを活用して
職員さんとボランティアスタッフさんたちが
現場作業を行うそうです。
そうすることで、いろんな問題を抱えていた犬や猫も
人といっしょに暮らすためのトレーニングをして
譲渡への道を見つけていく仕組みをつくります。

センターに足を踏み入れて驚いたのは、
3000平方メートルにおよぶ
広大な芝生のドッグランがあることです。


▲友森さんが「うらやましい!」と
 声をあげていらっしゃいました。

このドッグランは、登録をすれば
(登録にはワクチン接種などの条件があります)、
1頭300円で利用できます。

犬や猫の収容室や譲渡室ももちろんあります。


▲犬の収容室。
 外を眺められるようになっているんですね。

しかし、さらに驚いたのは‥‥まず、
ここに夜間動物救急診療所が
開設されることでした(5月中予定)。
これは、京都の獣医師会との
強い連携のうえで実現したそうです。
動物を家族に迎えたい人にとっては
夜間の救急診療所があることは、すごく安心です。

そしてもうひとつ驚いたのが、
「まち猫」の避妊去勢手術をするために
一時預かるための部屋があることです。
京都市では、ご家庭の犬や猫の避妊去勢手術にも
 補助金が出ます

「まち猫」や「地域猫」とは、
周囲にお住まいの人びとの合意のもと、
地域のルールにもとづいて適切に飼育されている
のら猫のことです。
京都では、大学内でも「まち猫システム」が
根づいているところが多いそうです。
京都に大学はたくさんありますし、
キャンパスは広大で、のら猫にとっては
住みやすい空間なのかもしれません。

それから、このセンターは、開所時間内であれば、
特に予約もなく、見学に行けます。
(でも、具体的に譲渡を考えている場合は、
 そのときに譲渡される犬や猫がいるかどうかを
 問い合わせたほうがいいそうです)
ドッグバスやドライヤーなどを完備した
犬のトリミングルームの貸し出しがあったり、
「犬猫のしつけ方教室」が定期的に開催されたりします。
また、動物の飼い方に悩んだときに相談できる
「飼い方相談窓口」も設置されるなど、
動物のことならなんでも、という感じで
すごく充実しています。

ドッグランにやってきた人や
譲渡や保護に関心があって寄った人、
飼育に悩みのある人がふれあい、
いろんなコミュニケーションが生まれそうで、
いい場所だなぁ、と思いました。

糸井と友森さんは、この日、
門川大作京都市長、名誉センター長の杉本彩さんと
座談会をしました。
その内容は京都新聞に掲載され、
京都新聞のホームページ「京都大好きトーク!」でも
お読みいただけます。

杉本彩さんは、20代のころに
たまたま出会った猫がきっかけで
動物の保護活動をはじめ、
公益財団法人動物環境・福祉協会Evaを設立されました。

この京都動物愛護センターの
名誉センター長に就任されるにあたって、
座談会の中で杉本さんは
このようなことをおっしゃっていました。

杉本さん
「今後、動物を家族に迎えるときは、
 このようなセンターや保護施設から譲渡される
 という方法が、スタンダードになるといいですね。
 迎える側もしっかりいろんなことを学べるし、
 犬もすでにトレーニングされていて、
 いっしょに幸せに暮らすことについて
 いろんなサポートもあるんだということが
 みなさんにきちんと浸透できるようにしたいです」

以前、「ほぼ日」で
友森さんもおっしゃっていましたが、
充分な説明がされないまま
知識なく動物を迎えたご家族が
「こんなはずではなかった」という
問題をかかえてしまう結果になることを
杉本さんもたくさん見てこられたそうです。
しっかりしたトレーナーさんから
アドバイスをもらいながら
家族になるということが
犬や猫にとっても、自分にとっても、
いいことなのですね。

私スガノは京都出身なのですが、
京都市は盆地で、冬は寒く、夏は暑いです。
雪が積もったりすることもあって、
2015年のお正月も、けっこう雪が降りました。
市長が、こんなことをおっしゃっていました。

門川大作市長
「京都は、真夏は暑さが厳しいし、冬も冷えます。
 雪が降る日に街を歩いている人って‥‥、
 幼稚園や保育園に子どもさんを送っていく人、
 あとは、犬を散歩している人、
 ほとんどそれだけです(笑)。
 人が閉じこもりがちな季節にも、雨の日にも、
 犬がおうちにいる人は、時間が来たら外に出ます。
 それは、健康にもいいし、人の気持ちにとっても
 いいことだと思うんです。
 人と動物の共生は、
 すべての命を大事にすることにつながります。
 いろんな意味で、人間の心も
 元気になれるのではないかな、と思います」

動物を大事にすることで、みんなを大事にできる。
もともと公園だった、広々とした場所に、
動物とのふれあいの場所があって、
そこにいつでもふらりと行けて、
いろんなことを知ったり相談できる場所があるのは
いいなぁと思いました。



京都動物愛護センター

京都市南区上鳥羽仏現寺町11番地
開所時間:午前9時〜午後5時
休所日:木曜日(祝日の場合は翌金曜日)、年末年始
アクセス:近鉄十条駅から徒歩5分
京都動物愛護センターホームページ




2015-05-12-TUE