はーい、ぐっさんお兄さんが
到着しましたよーー。
工作が得意なお兄さんです。
さっそく、つなぎに着替えます。
やっぱり工作は準備が大事。
道具も気分もね。
みなさんからの相談、質問、
まだまだ受け付けてます。
どうぞよろしくお願いします!
さっそく質問が届きました。
ええと、なになに?
「家具の脚を北欧風に・・・」
ぐっさん、ごめん、質問の意味が
オレにはよくわかんないんだけど。
「どれどれ?」
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家具作りに磨きをかけられている
ぐっさんお兄さんに質問です。
脚がついた家具(イスとか机)を作るとき
北欧風に少し斜めに
脚を取り付けたいのですが
難しそうで挑戦できません。
仕上がりがガタガタしないかな、
と不安になり、結局真っ直ぐに
脚を取り付けてしまいます。
うまく斜めに取り付ける
やり方はありますか。
(マンボ)
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「はいはいはい、どういうことかというとね、
ふつうの家具ってこういうふうに
(写真2枚目)
脚が地面に対して
垂直に立ってるでしょ?
それを、こういうふうに
(写真3枚目)
斜めにつけたいってことだと思うよ。
ただ、そうするとむずかしいのが
天板と脚のあいだに
隙間ができちゃうってこと。
(写真4、5枚目)」
ああ、たしかにそうだね。
ていうか、それ、無理でしょ。
斜めに切る? 無理?
うーーん、ぐっさんお兄さん、お願い!
「けっこう、これは難しいなあ‥‥」
「木材を斜めに切るために、
『ソーガイド』というものがあります。
角度を合わせると、木材にたいして
その角度が固定されるという
たいへんすぐれたものです。
たとえば90度にしたければこう。
15度斜めにしたければ
こういうふうに105度に合わせます。
(写真3枚目)
これを木材に宛てると、
ほら、105度の角度が確保されます。
(写真4枚目)
これに合わせて線をひくと
斜めのガイドラインが引けます。
(写真5、6枚目)
電動ノコギリを使ってる場合は
このガイドにそのままあてて
ギャーーっとひけば大丈夫。
(写7真枚目)」
じゃあ、電動ノコギリがない場合は、
ガイドラインを頼りに
ギコギコ引けばいいんだね。
「いや、それはおすすめしません」
えっ、なんで!
「手でひくノコギリだと、
最初は木材に対して
刃を垂直にあててひいているつもりでも
いつのまにか、刃が斜めになってしまいます。
ほんのわずかな角度ですが、
そのズレは、仕上がりに大きく影響します。
たとえば椅子の脚だと
ちょっとガタガタするだけで
ストレスでしょう?」
あーー、なるほど。
じゃ、電動ノコギリがおすすめ?
「はい。
このメールをくださった方は、
すでに自分で家具を自分で
つくった経験があるようですので、
電動ノコギリをおすすめします。
もしも電動ノコギリを持ってるなら
ソーガイドの購入をおすすめします」
もし、家具をつくったことがない人で
脚を斜めにしたい場合は?
「ずばり、ホームセンターで
切ってもらうことをおすすめします。
こういうものを作りたい、
角度は何度にしたい、と説明すれば、
お店の人は喜んで切ってくれます。
その際、『ただ切ってくれ』というのでなく
『こういうものを作りたい』と
はっきり言うと、お店のおっちゃんとかは
張り切って相談に乗ってくれたりします」
はーーー、なるほど。
ホームセンターに行くにもいろいろコツが。
「なんにでもコツはあります。
ホームセンターに行くときは、
いちばん最初に木材コーナーに行って
材料を選んで、説明して、切ってもらいます。
そのあいだに、他の買い物とか
食事とかして時間をつぶします。
『1時間くらい後で取りに来て』
って言われますが、
だいたい30分くらいでできてます」
な、なるほど。
あとさ、切るだけじゃなく、
斜めの脚を取り付けるときの
ポイントとかあるんじゃない?
「仕上がりがガタガタしないように」
みたいなことが書いてあったし。
「そうですね。
天板に対して脚を斜めにしたら、
横に補強のための板などを
渡さないと強度が保てません。
ちょっと図で書いてみました。
(写真2枚目)」
わ、なにこの図。いま描いたの?
あいかわらず、仕事が早いね。
ああー、なるほど。
脚と脚の間に板を渡すのね。
「まあ、こういう補強は、
脚が斜めだろうと、垂直だろうと、
やっておかなきゃダメなんですけどね。
脚を斜めにするなら、そういった補強も
よりしっかりしないとダメってことです」
ほうほう。
ん? この、図に描いてある赤い丸は何?
「はい、これは、脚を斜めにすることで
いろんなことが難しくなる、
ということを示しています。
脚に角度をつけるだけで、
この赤い丸の部分、ぜんぶに
同じ角度をつけなくはいけないんです」
ん? ああああ! そうか!
「簡単ではないよ、というのは
きちんとお伝えしたいところです。
ただ、そこを乗り越えることこそ、
工作のおもしろさですから、
むしろ『失敗する前提』くらいの感じで
チャレンジしてみてください。
そのうち、自分なりのコツが見つかります」
なるほど。
ありがとうございました!
読者の方からの質問です。
工作好きな5歳の息子さんの今後について。
ぐっさん、どう思う?
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我が家の長男、
5歳のことで質問したいことがあります。
絵、工作系のことに関する質問です。
長男は、まだ幼稚園年長組なのですが、
絵を描いたり工作したり、
ブロックで何かを作るといったことが大好きで、
彼の絵の色遣いやブロックで作る構造物は、
独創的で素敵です。
(親のひいき目だとは思うのですが‥‥)
幼稚園でも周りの子の真似をするのではなく、
描きたいものをのびのびと描き、
家でも大人が思いつかないような構造の
飛行機や武器をブロックでデザインします。
長男のその感性をのばしてあげたいな
と思っているのですが、
具体的にどうしてあげればいいのかわかりません。
「本物」を体感するために一緒に美術館に行き、
一緒に楽しむこと(私も絵が好きです)や、
工作の材料をなるべくたくさん用意してあげること
(ほとんど廃材ですが)
くらいしか思いつきません。
絵の教室に通うのは、
なんだか違う気がしています。
とくにその方面を仕事にしてほしいとか
いうつもりはないのですが、
好きなことに没頭する経験や、
そのことで得られる喜びを
もっと感じさせてあげたいなと思っています。
息子の好きなことを、
充分、楽しくのびのびとやらせてあげるために、
親が何かできることはあるでしょうか。
(のぞみ)
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「まず、お子さんのこういう面に
きちんと目を向けてらっしゃる
お母さんがえらいなあと思います。
なにがえらいかというと、
息子さんの『色づかい』や『構造』を
ほめてらっしゃるということです。
これはぼくが子どものころ感じていたことですが、
大人って、子どもの作品や
つくったものをほめるんじゃなくて、
『つくったという行為』ばかりをほめがちなんです。
『最後までできてえらかったね』とか。
それが絶対ダメなわけじゃありませんが、
工作好きとしては、
やっぱり『モノ』をほめられたい。
『色』とか『仕組み』とか
工夫したものをほめられたい。
それができているというのは、
いいお母さんだなあと思います。
今後のことについて、
いっしょに美術館に行くということを
例として挙げてらっしゃいますが、
まあ、子どものタイプによると思いますが、
ぼくの経験でいえば、美術館の絵って、
やっぱりわかんないんです。そのときは。
行って、飾ってある絵を見るだけだと、
正直、つまらないんじゃないかな。
それよりも、
メールに『私も絵が好きです』とありましたが、
息子さんのそばで自分も絵を描く。
そういうことが
いちばんいいんじゃないかと思います。
たのしそうに、工夫しながら、ものをつくる。
絵じゃなくても、編み物でも、料理でもいい。
自分と同じように、ものをつくってる人がいる、
ということが、とっても大事だと思います。
もっとぼくの個人的な感覚でいうと、
『どうやったらいいんだろう?』って
考えながらつくっている人が
そばにいるのがいいんです。
乱暴につくるのでもなく、
できるに決まってることをやるのでもなく、
『これ、どうやったらできるかな?』って
たのしく悩んでる人が、自分のそばにいることが
自分がなにかをつくる力になるんです。
その意味では、それはお母さんじゃなくて、
友だちとか、誰でもいいと思います」
(つづきます)
読者の方からの質問に対する、
ぐっさんおお返事の続きです。
工作好きな5歳の息子さんの今後について、
ぐっさんの答え、その2。
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「いただいたメールのなかに、
『工作の材料をなるべく
たくさん用意してあげる』とありますが、
それはとってもいいと思います。
また個人的な話になりますが、
そのときに『新しい素材』ということを
意識してもらえると、
子どもはさらにうれしいかなと思います。
ぼくが子どものころ、
大人のつくるものを見て何に驚いたかというと
技術がすごいというよりも、
『こんなものがつかえるんだ!』
ということに対してでした。
たとえば、子どもが木の端材をつかって
延々とものをつくるのは、
純粋だからというよりも、
その素材しか知らないからなんです。
もっとほかものがあれば
発想はどんどん広がるんです。
また自分の例になりますが、
子どものころ、ぼくはすごく
大きな電力が欲しかったんです。
モーターを、もう、すごく速く回したかった。
電球を限界まで明るくしたかった。
だから、子どもの頃のぼくにとっては
9ボルトの四角い電池が王様だったんです。
ところが小学校に入り、
電池を直列につなげればつなげるほど
電圧が上がることを知ったんです。
その瞬間、大量の電池を直列でつなぐことが
ぼくのあこがれになったんです。
ぼくはおねだりしました。
ホームセンターに行くたびに、
乾電池の20本パックを買ってくれと‥‥。
ええ、つなぎましたよ、20本!
え? どうなったかって?
いや、あの、モーターってね、
電池1個でも回るようにできてるんです。
そこに高い電圧を流すとね、
ある程度までは速く回るんですけど、
限界を超えると、壊れちゃうんです‥‥。
ま、電圧だけでいえば、
コンセントが最強なんですけどね、
子どもはそういうことがわかんないんです。
ええ、大きくなってから、
チャレンジしましたけどね、コンセント。
家中のブレーカーが落ちて‥‥。
あ、話がそれました。
そういう意味ではやっぱり、
ホームセンターに行くだけでも、
発想がものすごく広がります。
新しい素材や新しい道具を知る
という意味もありますし、
なんというか、『規模の概念』が
バーンとひっくり返ったりしますし。
ほら、ホームセンターって、
ブルーシートとかロープが
『100mでいくら』とかいう単位で
売ってたりするじゃないですか。
それだけ、もう、
考える枠が大きく広がるんです。
あと、工具はなるだけ
ほんとうのものを与えてあげたほうが
いいと思います。
『カッターは危ないから』みたいなことで
道具をセーブするのは
もったいないかなと思います。」
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なるほどーーー。
あいかわらずの説得力です。
ぐっさんお兄さん、
今回もためになるお話、
ありがとうございました!
さぁ、いいメールが来ましたよー。
実際にやってみる形になりそうです。
こういうメールなんですけどね。
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こんにちは、
工作の神様、ぐっさんに
教えていただきたいのです。
ここしか聞くところがないのです。
是非にお願いいたします。
今週土曜日に子どもの学校で
PTAのコンサートがあります。
コンサートのテーマはおばけ、妖怪、ホラー。
ちなんだ曲を演奏し会場も飾り付けます。
発泡スチロールで作った墓石、
子どもたちが描いたおばけの仮面など。
そこで「ちょうちんおばけ」を
墓石周辺に漂わせるつもりで作成しました。
ところが本体ができたところでふと疑問が。
「どうやって漂うの‥‥?」
釣竿みたいな感じにすればいいのでしょうが、
釣竿なんて何本もないし、
リールが見えたら台無しな気が‥‥。
何か入手しやすい道具を使って
できないでしょうか?
お知恵を貸して下さいませ!
(さるくち)
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うーーーん、なるほど。
いろいろ縛りがあっていいですね。
なにしろ、発表は今週の土曜日。
すぐできる、っていうところがポイント。
でも「子どもたちを驚かせたい!」
っていうあたりは譲りたくない。
どういう会場なのか、よくわからないから
汎用性のある仕掛けじゃないと
ダメだなあ‥‥さぁ、どうする、ぐっさん?
さぁ、今週土曜日に行われる
PTAのコンサートで、
「ちょうちんおばけ」を
ふわふわ漂わせるには?
おそらく、凝ったことはできない。
汎用性も高くないとダメ。
さぁ、どうする?
ぐっさんの出した結論はこちら!
「テグスをつかいます。
といっても、釣り竿は使いません。
あと、ステージの上手と下手にいる
ふたりでやるのがポイント。
ふたりで両手をつかって練習すれば、
上下左右に自由に動かすことができます。
一日練習すれば、子どもたちを
驚かせるくらいの動きはできると思いますよ」
え? 実際にやってみる?
じゃあ、このあと、動画で公開します!
おまたせしました、
いま、ぐっさんとじゅんぺいが実験し、
ばっちり動画が撮れました。
以下のアドレスをクリックして
youtubeでご覧ください。約30秒。
5分ほどしか練習してないので
ちゃんと練習すれば
もっともっと「漂う」はず。
こちらの動画をご参考に!
youtu.be/1oKgBzHqdO8
↑すみません、リンクがうまくいかないみたいで
こちらをアドレスバーにはりつけてください。