「日本・海辺の町のものがたり/10」


海の向こうの夕焼けの空に、遠く
富士山の頂上がのぞいている小さな町で、シロシは思った。
「ダイジョウブ、きっとうまくいく。
 誰も、ひとりなんかじゃないんだし」

誰が悪いとか、責任はどこにあるかとか
そういう話も大事かも知れないけど
俺は今、自分にできることを考えよう、とな。
そしてもう一度、大きなクシャミをひとつすると
手ぬぐいで鼻をかみ、シロシはカメラを手に
外に出かけていったのだそうな。

これもまた、いつかは「いまは昔」になっていく
小さな小さな、どこにでもあるお話じゃがの。
春が来るまでもう少し、ゆっくり、のんびり、がんばんべ。
@Hayama/神奈川県 2007
 
2008-02-15-FRI
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