これも1972年です。 なんとなく覚えているのは、 横井さんがジャングルから発見されて 父が突然グアムに行って、 お土産にアロハシャツを買ってきてくれたこと。 後に、フィルムが入ってなかったミスがあった、 みたいな失敗談を聞きました。 とにかく新聞社のカメラマンは 3〜4日に1度は泊まりがあって 事件があれば、すぐに飛んで行く──そういう仕事でした。
〜父の書斎から〜
僕の父はやはりフォトグラファーで、 毎日新聞社の報道カメラマンをしていました。 定年後は、福岡に移住して九州造形短期大学というところで 写真を教えながら足繁くインドに通い、 鶏卵写真という技法で手すきの和紙に、 インドの風景や人々を自らの手でプリントし 各地で展示発表などもしていました。 父は3年前に亡くなったのですが 今、その書斎を、僕が少しずつ片付け始めています。
父が、何十年もの間に撮った写真たちは、 文字どおり山のようです。 ネガとポジとプリントと、そして新聞の切り抜き。 写真展パネルやら額やら、 カビの中にいつも呆然と立ち尽くすばかりで なかなか仕事が進みません。簡単には捨てられないしね。 僕が死んだら、こんな写真がさらに倍増する!? なんて考えると、 息子たちはどうするんだろう? とも、思います。 父の写真を通じて、 ちょっとした自己確認をしているのかも知れませんが、 今週は、そんな気分をシェアさせてください。
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