「鶏卵写真」

父は定年後、大学で生徒たちに写真を教えながら
鶏卵写真という、卵の白身を使って
プリントする技法を研究し、
手すきの和紙を鹿児島から取り寄せるなど、
こだわり抜いた作品を作り、
各地で、写真展をやっていた。
この写真は、インドのサドゥー(修行者)だけど、
当時ドレッドロックスだった僕かと思いました、
などと写真展に来る友人たちに
からかわれていたのを思い出す。


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〜父の書斎から〜

僕の父はやはりフォトグラファーで、
毎日新聞社の報道カメラマンをしていました。
定年後は、福岡に移住して九州造形短期大学というところで
写真を教えながら足繁くインドに通い、
鶏卵写真という技法で手すきの和紙に、
インドの風景や人々を自らの手でプリントし
各地で展示発表などもしていました。
父は3年前に亡くなったのですが
今、その書斎を、僕が少しずつ片付け始めています。

父が、何十年もの間に撮った写真たちは、
文字どおり山のようです。
ネガとポジとプリントと、そして新聞の切り抜き。
写真展パネルやら額やら、
カビの中にいつも呆然と立ち尽くすばかりで
なかなか仕事が進みません。簡単には捨てられないしね。
僕が死んだら、こんな写真がさらに倍増する!?
なんて考えると、
息子たちはどうするんだろう? とも、思います。
父の写真を通じて、
ちょっとした自己確認をしているのかも知れませんが、
今週は、そんな気分をシェアさせてください。


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(写真をクリックすると大きな画像で見られます。)

 
2017-01-27-FRI
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