MONEY IS... Vol.00 ほぼ日刊イトイ新聞12周年記念企画
『お金のことを、あえて。』 糸井重里によるイントロダクション。
創刊12周年をむかえる今年、 ほぼ日刊イトイ新聞が取り組む 大きなテーマのが「お金」です。 どういう態度で、どんなふうに、取り組むのか。 糸井重里がじっくり語りました。 6月6日、日経ホールで行われる 「いろんなメディアがごちゃごちゃになる」 矢沢永吉さんとの生中継イベントについても お知らせしていきます。
 
第1話 お金について考えよう。
2010年5月某日── 東京糸井重里事務所、大会議室。
ほぼ日刊イトイ新聞の12周年を記念して、 「お金」というテーマに、 取り組んでいこうと思っています。  これから、いろんなコンテンツや イベントがはじまると思いますが、 まずはそれに先駆けて、 ぼくらはこういう考えで 「お金」に取り組んでいきます、 ということを、言っておきたいと思います。
お金について、しっかり考えて、 きちんとことばにしていくというのは、 じつは、けっこうむつかしいことです。  多くの人は、お金のことをあいまいにしながら 生きているとぼくは思っています。 お金が欲しいとか、もっと稼ぎたいとか、 声高に言う人はたくさんいるでしょうけど、 それはおもに稼ぎ方について述べているだけで、 ほんとうにお金について考えているのかというと そうじゃないだろうと思います。
いつの時代にも、お金に関して、 思い切ったことを言ったり、 新しい行動を起こしたりした人が脚光を浴びるんです。 なぜかというと、自分の中に、 「そう言えたらいいだろうな」 「そんなふうにやってみたい」 という気持ちがあるからだと思うんです。
要するに、お金のことばかりをシビアに考えて、 自分の行動の理由にしていると、 とっても生きにくくなってしまうんですね。 だから、「オレはお金のことは考えない」って 決めちゃうと、ある意味では、ラクです。
お金のどこまでを自分が欲していて、 どこまでを欲していないのか。 そのあたりを真剣に突き詰めていくことは けっこう、むつかしい。
一方で、お金について、 ひっきりなしに考えてる人もいます。 そういう人は、いいにせよ悪いにせよ、考えた分だけ、 お金に対しての考えというか、 哲学を身につけてきてるわけですから、 それを考えずに逃げまわってきた人に比べたら、 自分の欲望というか、 自分の像の輪郭がはっきりしていると思うんです。 やっぱり、「お金とは、なにか?」ってことを 真剣に考えるということは、 愛とはなにかを考えることとか、 生きるとはなにかを考えるのと 共通する部分がありますから、 そうとう切実な自分像ってものが生まれてくるんです。
逆に、自分の考えじゃないところで お金とつき合ってる人は、 ラクをしている分だけ、 ぐらつくんですよ、やっぱり。 自分がぐらぐらしているだけじゃなくて、 そうと気づかずに人に悪いことをしたり、 知らないうちに変なことをされたり、 っていうこともあるんじゃないかと思う。  そんなことを、 けっこういい歳になってから、ぼくは考えたんですよ。 で、「ああ、どんだけ逃げてたか」って、 つくづく思ったんです。
つづく
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ほぼ日刊イトイ新聞12周年記念 トークライブ 「お金のことを、あえて。  矢沢永吉×糸井重里 素人社長会議」
日時:2010年6月6日(日)14時00分開演 場所:日経ホール チケット: 5月19日(水)午前11時より日経BPサイトにて抽選販売申込開始 (抽選販売申込期間 2010年5月24日午前11時まで)
ほぼ日刊イトイ新聞の創刊12周年を記念して、 「お金」をテーマにしたトークライブを行います。 ゲストは、矢沢永吉さん。 ミュージシャンであると同時に「社長」でもある矢沢さんと 同じく、「社長」でもある糸井重里が、 「お金」について、たっぷり、じっくり語ります。 当日の様子は「ほぼ日」で生中継! テキスト中継+動画! さらに、Ustreamをつかった中継も予定していますので Twitterによる参加も可能です。くわしくは下をクリック!

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2010-05-31-MON
 
(C) HOBO NIKKAN ITOI SHINBUN