PHILADELPHIA
遙か彼方で働くひとよ。
フィラデルフィアの病院からの手紙。

手紙61 休暇

こんにちは。

2週間の休暇をまるまる日本で過ごして帰ってきました。
「こないだジャマイカへ行ったばっかりなのに
また休みなの?」とあちこちで言われました。

正確にいえば、あれは前年度の休みで
これは今年度の休み。
病院の暦は7月から始まるんです。

それはともかく、
1年間のうち自由に分けて取れる4週間と
お正月またはクリスマス休暇の1週間の
合わせて5週間の休暇というのは
のんびりできて、いいものです。

今回の休みにはたくさんの友達に会いました。
とくに学校の同級生には
会うのは卒業以来という友達もいて
近況報告というよりは
ほとんど昔ばなしの域に入りそうな、
仕事を始めてからの出来事について
いろいろ話をしました。

学校を卒業した後の進路は
さまざまです。
臨床医となることを選んだ人たちは
研修医としてスタートをきることになるのですが、
その場所もばらばら。

そのまま自分の学校の付属病院で働くことにした人、
別の学校の病院へ行った人、
どこの学校にも所属せずに
自分で病院を選んで臨床研修を始めた人。

どの道を選んでも、この時期になると
みんな一通りの研修を終えて、
次のステップへ進んでいました。

専門家として独り立ちしたり
勉強しに学校へ戻ったり、
家を買ったり、新しいことを始めたり。

順風満帆で
何の不満のない生活を送っている人なんて
だれもいないけれど、
みんな何だか
確実な現実のなかに暮らしているんだということは
とてもよく伝わってきました。

そんな友達と話していると、
永遠の研修医生活を過ごしているわたしは
もう、ほんとにこんなことしている場合じゃないよねー、と
しみじみしてきます。

外国での生活の折り返しも過ぎて
これから
日本に戻ってどんなふうに暮らしていこうか、と
考えながら帰ってきました。

では、今日はこの辺で。
みなさまどうぞお元気で。

本田美和子

2000-09-17-SUN

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