手紙184 WHO・7 3 by 5その後。
こんにちは。
長く休んでしまい、すみません。
最近は、海外でのHIV対策についての話をしていました。
HIVに感染している人は
昨年末現在で
世界中に4000万人くらいいると推定されているのですが、
途上国に限って言えば
2002年の時点で、治療が必要な患者さんのうち
2%しか治療を受けることができていない、という
残念な現実がありました。
HIVは一度感染すると
それを完全に体から駆逐することはできませんが、
ウィルスをできるだけ抑え込んで
病気を進行させないようにする、
とても効果の高い薬ができています。
この、とても良く効く薬を
できるだけたくさんの人たちに届けよう、と
WHO(世界保健機関)をはじめとする国際機関や
いろいろな国の(途上国も、先進国も、です)政府などが
協力してさまざまな計画を立てました。
「2005年までに
世界のHIV/AIDS感染者のうち、
300万人くらいにはHIVの治療薬を届けよう」
ということを目標にして
「3(百万人)by(までに)5(2005年)」計画、
というのがあって
各国政府に拠出金をお願いしたり、
実際にどのように薬を患者さんに届けるか、
医師や看護師などの医療従事者をどう育てるか、など
具体的なことを計画し、
できるところから少しずつ実行しています。
今日はその続きです。
今年になって、タイの北部の町へ行く機会ができました。
タイはアジアの国々の中でも
HIVの予防や治療に熱心なところで、
先進国の製薬会社に特許を放棄してもらって
自国で安くHIVの治療薬を作っている国でもあります。
わたしが今回見せてもらったタイ北部の町は
もともと、とても貧しい農村地域で、
HIVに感染しても治療薬を手にすることができず、
多くの方々が亡くなっていった経験をもつ
途上国に典型的な地域のひとつでした。
そこに、3by5計画などによって
資金と薬と技術が届けられました。
日本政府も
国際協力・公衆衛生の専門家を派遣するなどして
積極的な援助を行いました。
情報としては知ってる「3by5計画」ですが、
実際にその計画を実践した
現場の人々に会うのは初めてで、
お目にかかるのをとても楽しみに
でかけることになりました。
では、今日はこの辺で。
みなさま、どうぞお元気で。
本田美和子
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