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オフィスでお話をうかがったわれわれは、
その裏手にある作業場へと
小泉さんに案内していただきました。
なだらかな坂道を登り、その区域に向かいます。 |
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ここから先が、危険区域。 |
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小泉 |
デンジャラスゾーン。 |
── |
デンジャラスゾーン。 |
小泉 |
この先から火薬を扱う場所になります。 |
山の斜面をくりぬいたような場所に、
ちいさな作業場がありました。
ここは「星」をつくる場所だそうです。 |
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作業場に入るときは、
必ず「静電棒」を握るという決まりがあります。 |
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小泉 |
人間は必ず電気を持ってるんで。
だから、基本的には、
着るものも気を使わなきゃいけないんです。 |
── |
ああ、化繊とか。 |
小泉 |
ナイロン系とかはとくに摩擦で
静電気を起こすので。 |
静電棒をしっかり握ってから部屋に入ったら、
この日、玉をつくる作業は終わっていました。 |
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小泉 |
この釜で、星の粒を中に入れ、
色の薬をのせていくわけです。 |
薬をのせた星は、一度乾かしてから、
また別な色のための薬がのせられます。
乾かすために使う道具が、これ。 |
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「へぎ」という木の枠に星を並べて乾かします。
新潟名物の「へぎそば」も
こういう板におそばがのっていますが、
それと同じものではないそうです。
こういう木の枠を「へぎ」と呼ぶのですね。 |
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この区域には、さきほどのようなちいさな仕事場が、
たくさん建てられています。
ひとつひとつの建物は「工室」と呼ばれていました。 |
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こちらの工室では、「玉込め」の作業が。 |
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小泉 |
ああやって、星をずーっと並べて、
上まで並べたら割薬を詰めて、
そこでちょっと調整をします。
半分ずつ作って、最後に合わせる。 |
という作業を動画で撮影させていただきました。
どうぞ、ご覧ください。 |
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ありがとうございました。
この職人さんは、片野さんというお名前でした。 |
星と割薬を詰めた玉を、
片野さんが次の作業の工室へ運びます。 |
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運ばれたのが、この工室。 |
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ここでは仕上げ作業を行っていました。 |
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玉にクラフト紙のテープを重ねて貼っていきます。 |
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強度が出るように、決められた枚数を。
一枚ずつ、手作業で。 |
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これが完成した花火玉です。 |
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片野さんが込めた玉も、ここに。 |
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手前の女性は4月から勉強に来ているそうです。
福島県の花火屋さんの、孫娘さん。
突然カメラを向けてごめんなさい! |
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小泉さんがおっしゃるには、
いつもはガールズトークで
盛り上がっている職場だそうです。 |
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「工室」は基本的にちいさめで、
それぞれが山を切り崩した
溝の中に建てられていました。
これには理由があるのです。 |
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小泉 |
防火塀になってるんです。
万が一のとき、
火薬が連鎖的に燃えないように。 |
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ひととおり工室を案内してくださった小泉さんが、
大きな倉庫の扉をガラガラガラと開けました。 |
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そこには‥‥。 |
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筒が! |
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ステンレスの筒が、こんなに! |
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一筒一発。
なるほど、と思いました。
最後に、会社の入り口にある、
三尺玉用の筒の前で、記念撮影をお願いしました。 |
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── |
やっぱりすごい!
大きな小泉さんが、小さく見えます。 |
小泉 |
(笑) |
── |
小泉さん、
今日はほんとうに
ありがとうございました。 |
小泉 |
いえいえ。 |
── |
お話も現場も、
こんなに深くまで
教えていただいて、感謝です。
たのしかったです。 |
小泉 |
お役に立てましたでしょうか。 |
── |
もちろんです。
この次もしかしたらお会いできるのは、
花火大会の日でしょうか。 |
小泉 |
ぼくは、本部には必ず行ってます。
声かけてください。 |
── |
でも、
ピリピリされてるかもしれない。 |
小泉 |
大丈夫です、
ピリピリしてないです(笑)。 |
── |
そうですか、じゃあ、
お姿を見かけたら、ぜひ。
8月2日、たのしみにしています。 |
小泉 |
お待ちしています。 |
── |
ほんとうにありがとうございました! |
小泉 |
遠いところをありがとうございました。
お気をつけて。 |
※小泉欽一さんの会社、
「新潟煙火工業株式会社」のHPはこちら。 |