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花火大会の本番に向けて、
練習のようなことは毎年されるのでしょうか。
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小林 |
それがですね、
ぎりぎりにならないと、台本がこないので(笑)。
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あ、そうなんですか。
それはちょっと心配になりますね。
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小林 |
でも2日くらい前にはいただけるので、
ちゃんと目は通せるんです。
声を出して練習をしすぎて
当日に声が枯れていてもいけませんし、
ちょうどいいのかもしれませんね(笑)。
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なるほど。
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小林 |
ですから本気で取り組むのは、
当日、現場に入ってからですね。
パーッと目を通して、
まずは誤字・脱字をチェックします。
スポンサーのお名前などは
まちがえるわけにはいかないので。
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そうですよね。
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小林 |
諸注意事項の案内ですとか
迷子放送の案内とかもしながら、
チェックをしていく感じですね。
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そうか、迷子放送。
そういうことも同時に。
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小林 |
そうなんです。
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わぁ、それはたいへんですねぇ。
10年間、そういうふうに続けていますと、
へんな話ですが、
「やっちゃった!」みたいな、
ミスのようなこともありましたでしょうか?
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小林 |
やらかしてしまったこと‥‥
何かあったかな? どうだったかな?
うーん、
たぶん大失敗はないと思うんですけど、
でも、ああ、あれが‥‥。
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なんでしょう。
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小林 |
メッセージ花火というのがあるんですね。
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はい、メッセージ花火。
お祝いの言葉とかを
小林さんが読み上げてくれて
それで花火を打ち上げるんですよね。
あれ、とってもよかったです。
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小林 |
はい。
それで去年、
メッセージを読みながら
本当に泣きそうになってしまって‥‥。
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ああ‥‥。
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小林 |
お祝いも多いですけど、
亡くなった方への慰霊の花火というのも
少なくはないんですね。
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─── |
はい。
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小林 |
それはたぶん、お子さんに向けての
メッセージだったんです。
私も母親の立場ですので、
読みながら、これはまずいって‥‥。
もしかしたら泣いていたのかもしれないです。
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そのメッセージは、その台本の中に?
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小林 |
ええ、あります。
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そうですか。
もし‥‥もしも、小林さんがよろしければ、
それを読んではいただけないでしょうか。
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小林 |
‥‥わかりました。
では。
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(拍手)‥‥ありがとうございました。
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小林 |
はい‥‥。
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‥‥‥‥‥‥。
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小林 |
‥‥‥‥‥‥。
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─── |
‥‥‥‥‥これは‥‥ほんと‥‥
ほんとにまっすぐなメッセージで‥‥‥
‥‥‥‥‥‥ごめんなさい。
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小林 |
‥‥大丈夫ですよ。
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明るい前向きなきもちも込められ‥‥‥‥だめだ。
すみません、すみません。
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小林 |
わかります(笑)、
私も読みながらぐっときてしまって‥‥。
そうだ! あのですね、
メッセージ花火では、こんなこともありました。
私のアナウンスで、
プロポーズをした人がいるんですよ。
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え‥‥プロポーズですか。
メッセージ花火で?
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小林 |
そう。
「結婚しよう!」みたいな。
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えー!
それを小林さんが読んだんですか?
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小林 |
はい(笑)。
それはちょっと、恥ずかしかったです。
「好きだー!」って。
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そんなに情熱的なんですね。
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小林 |
「○○ちゃん、結婚しよう! 幸せになろう!」
みたいな感じで。
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それで、花火がドーンと。
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小林 |
ドーンと。
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いいなぁー、最高ですね。
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小林 |
読んでてちょっと恥ずかしいんですけど、
私が照れててもしょうがないので、
もう、思いきって読みました。
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ちなみにそのプロポーズは、
おいくらでできるんですか?
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小林 |
メッセージ花火は、
たしか5万6000円からですね。
ただ、毎年たくさんの応募があって、
その中からの抽選なんですよ。
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そうですか、倍率がすごそうですね。
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小林 |
ええ、そうみたいですね。
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小林さんに読んでもらえたら、
うれしいだろうなぁ。
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小林 |
ことしはもう募集が締め切りになったので、
よろしかったら来年
応募してみてください(笑)。
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はい。
伝えたいメッセージがそのときにあったら、
応募するかもしれません(笑)。
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小林 |
ぜひ。
あ、そうだ、ちなみに、
さっきお話しした花火でのプロポーズは、
めでたく受理されたと、うかがっています。
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OKの返事をもらったんですね。
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小林 |
のようです。
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いいなぁー、おめでたい。
花火の威力ですね。
それと、小林さんのアナウンスのちから。
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小林 |
いやそんな(笑)、
でも、そういうお話を聞くと、
やっぱりとてもうれしいです。
(つづきます) |