2014/08/21 23:28 これにて終了〜!
サカモト教授の目が
こんなにかっこよく光ったところで、
「勉強の夏」のインタビューをすべて
終了させていただきます。
みなみなさま、
ありがとうございました!
たーっぷりと、
ためになるお話をうかがうことができました。
というわけで、
ゲームもいいけど勉強もね!
これにて終了いたしまーす。
また来年も、お会いできますようにーー!
2014/08/21 23:28
9/17
ライブ&アルバム発売!
サカモト教授、
本日はありがとうございました。
「果たしてお役に立ったかどうか」
たいへん興味深く、
実践的なお話をうかがえたと思います。
ところで、サカモト教授、
また「ほぼ日」でライブをしてくださるとか?
9月の17日とうかがいました。
「そうなんです。
またこちらでライブを。
で、同じ日に『REBUILD』という
セカンド・アルバムも発売になります」
おお、それはどちらもたのしみ。
またその日に、よろしくお願いします!
「よろしくお願いします」
最後にもう一度、
目を光らせていただけますでしょうか。
「わかりました。
‥‥あれ?(スイッチをいじっている)
つかないな‥‥んん?
なんでだろう?
ついてます? ついてませんよ。ええと‥‥」
(マネージャーさんがたまらず登場)
マネ「うしろを、見ます。
ああ、線がはずれてました。
‥‥はい、つないだので大丈夫です」
あ、つきました! 赤いのがついた!!
2014/08/21 23:22 英語に関する質問。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
〈おたより〉
こんにちは。
私は英語を喋れるようになりたいのに、
全然だめです。
読んだり書いたり、テストの点はいいのに、
いざ話そうと思うと
頭の中がまっしろになっちゃうし、
先生の言ってることがわからないのです。
どうしたらいいですか?
(sie)さん
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
という質問でした。
「ぼくも大学受験までの英語はこの方と同じで、
ただ単語や文法を覚えて
テストのための勉強しかしてなかったんですね。
で、社会に出て、
スエーデンとかフランスとか
海外でライブをするようになって
英語をしゃべることが必要になったんです。
海外に行って痛感したのは、
文法とかむちゃくちゃでいいんですよ。
いちばんダメなのは語彙がないこと。
やっぱり単語なんです。
向こうの人って
日本人が完璧な英語をしゃべることを
ぜんぜん求めてないんですよね。
だってほら、日本にいる外国人が
かたことの日本語しゃべっていても
ぜんぜんコミュニケーションとれますよね?
文法よりも単語。
単語を並べることができれば
コミュニケーションはとれます。
その上で、
今度は向うが言ってることを
理解するのがたいせつになります。
けっこう早口でわかりませんからね。
理解するためには、
たくさん英語を聞くのが大事です。
ぼくが自分でやって効果的だったのは
毎日、毎日、英語の音を聞くんですよ」
やっぱり音ですか。
「はい。音。
外国の映画を字幕なしで観る。
受験用の英語の参考書についてる
CDをiPodに入れて聞く。
とにかく聞き続けると耳が慣れてくるんです。
英語独特の言い回しだったり
イントネーションだったりがわかってくる。
ある日ふと、
カフェで話しているご外国人同士の会話が‥‥
ん? わかる!‥‥ってなるんですよ。
とにかく物量ですね、たくさん聞くんです」
どのくらいの期間、聞き続けるんでしょう?
「ええと‥‥ぼくの場合は、半年でしたね。
大事なのは、
英語を話さざるをえない環境に入ることです。
外国人だけの場所に飛び込んじゃうとか。
あとは、学校の先生に話しかけるとか。
英会話教室もいいかもしれない。
とにかく英語を使う環境を
強制的に作っちゃうということですね。
勉強しても使う機会がないとおとろえちゃうので。
へたくそでいいから口に出して
話しかけてみるべきです。
伝わる。やりとりができる。
これがたいせつです。
そこからブラッシュアップしていけば
いいんじゃないでしょうか。
発音とか文法とか。
コミュニケーションができるとたのしくなるので、
ステップアップしたくなると思います」
なるほど、欲が出てくる。
うーーん‥‥ありがとうございました。
よく、わかりました。
(sie)さん、いかがでした?
まずは単語。
そして、どんどんしゃべっていきましょう!
2014/08/21 23:10 質問コーナーです。
それでは最後に、
読者からの質問に答えていただきます。
この中から何点か、選んでください。
「うーーーーん‥‥
どうでしうねぇ‥‥
どれなら答えられるでしょうか?
これは‥‥『自分に厳しくなるには?』
ああ‥‥
これは自分も知りたいことです(笑)」
選ぶのが、難しいでしょうか?
「そうですね‥‥
あ、英語に関する質問がありますね。
これは答えられることが経験上あります」
わかりました。
では、その質問ひとつにお答えください。
2014/08/21 23:04
結局、
勉強ってなんでしょう?
「結局、勉強って何なのか‥‥?
‥‥今になって思うのは、
要は、社会に出てから役に立つのは、
『本質的なこと』なのだということです。
本質的な思考を身につけてる人と
そうじゃない人の住む世界は
ぜんぜんちがうなって、
今になって思うんです。
ぼくはこうなってた。
(視野が狭いという仕草)
就職活動では
ゲーム音楽のクリエイター目指してて
任天堂も受けたんです。
作品選考は通るんですけど、
面接で落ちました。
マリオの曲を作った近藤浩治さんや
トタケケさん(戸高一生さん)にも
その面接でお会いしてます。
でも、落ちました。
本質的なものの見方を
ぼくができていなくて
そこを見られたんだと思います。
卒業して、
サウンドクリエイターになりたくて
フリーターしながら就職活動してたんですが
なかなかうまくいかなくて‥‥。
そんなとき大学の軽音サークルの先輩で
東京のベンチャー企業で働いてる人が、
『ふらふらしてるんならうちで働かない?』
と声かけてくれて、
ぼくは東京に出てきました。
ベンチャー企業って
新人教育のマニュアルもないし、
自分で仕事を見つけて
自分で価値を生まないとだめなんです。
そういう環境で、
4、5年はたらいて、もまれて、
本質的なものの見かたを
学ぶことができたと思っています」
学校ではできなかった勉強ができた。
「そうです。
ドラゴンクエストとかファイナルファンタジーとか、
RPGって敵を倒して
経験値をゲットするじゃないですか。
経験値をゲットして
ある一定値に達するとレベルアップする。
‥‥それと同じじゃないかなと思ってて。
ぼくらはひとつひとつのできごとで
失敗するんです。
失敗するんだけど、
『失敗には共通点がって、
こういうことをするとこうなるんだ』
っていうのが見えてくるんですよね。
ああ、こういうものの見かたを
するべきだったんだなぁって、
その4、5年で一気に人生が変わりました。
個々の出来事で心を乱すことなく、
俯瞰で全体を見渡して、
落ち着いた対応ができるようになりました。
『なんのためにやるのか?』
『なぜそれはこうなるのか?』
そんな問いかけを常にするようになった。
‥‥小学校の頃からそれができてれば
もっと人生が変わったのにって思いますね‥‥」
いや、それはなかなか難しいことかと。
サカモト教授の子供時代は、
やっぱり十分、すごい時代だと思います。
「ありがとうございます。
すみません、なんだか‥‥。
でも、そうですね、
いまはもう、学ぶことがたのしいです。
なんのためにやるかが明確にあると、
大きなモチベーションになりますよね。
現在はとてもいい時代です。
興味があればインターネットで
すぐ調べられる。
興味がある人がのびやすい時代です。
自分の頃には資料を揃えるのにも
手間やお金や時間がかかりましたから。
いい時代です、ほんとうに。
みんながどんどん興味をのばしていける」
2014/08/21 22:38 そういう音楽との出会い。
「そんなダメダメの大学時代でしたが‥‥
ちょうどその当時、
ブロードバンドが整備されはじめて
一般の人がインターネットを
たのしめるようになってきたんですね。
ぼくはパソコンを持ってなくて、
大学のメディアセンターのパソコンを使ってて。
そこでいろいろ調べてたら
パソコンで作曲する
っていうことにたどり着いたんです」
ああ‥‥。
「パソコンで作曲をするために、
バイトと奨学金でパソコンを買いました。
そうすると、
シンセサイザーも欲しい、
インターフェイスの欲しい、
スピーカーのいいのが欲しい‥‥。
お金がめちゃめちゃかかります。
そのためにバイトに明け暮れたのも、
単位を落とした理由ですね」
でも、大きな出会いですよね。
「はい。
そういう音楽との出会いがあったので
今に至る、ということはあると思います」
ちなみにその時期、
就職の状況はどうだったんでしょう。
「氷河期ではなかったけど、悪かったです。
ただ、とはいえ京大なので、
どうしても就職できない
という感じはなかったですね」
うーーん、なるほど。
そこはさすが「京大」ですね。
2014/08/21 22:27 軽音にどっぷり。
さて、京大に入学しました。
大学での勉強はいかがでした?
「みごとにダメ人間になりました」
あら。
「最初は夢がありました。
国家資格とって国家公務員になるとか、
大企業に入るとか。
でも‥‥
新入生歓迎のチラシのたばの中に、
軽音のチラシがあったんですね。
ちょっと見に行ってみようかな、と。
で、行ってみたら、
先輩がライブをやってて‥‥
これはモテる、と」
また(笑)、「モテ」の話が。
「結局どっぷり軽音につかりました。
(2枚目の写真、どっぷりつかる仕草)
京大では、
4回生の男子を『四男(よんだん)』、
3回生の女子を『三女(さんじょ)』と
そういうふうに呼ぶんですが、
軽音には、なんか、
『八男』とか『八女』がいるんです。
ふつうにいるから、
そういうものなのかなぁと、
ああ、留年とかいいんだぁ、
そういうもんなんだぁ‥‥と勘違いして‥‥
あれよあれよと単位をとりこぼし、
結局『六男』で卒業しました」
ああ、よかった、
卒業はしたんですね。
2014/08/21 22:14 結局、得意の‥‥
お話をうかがっていて
ハラハラしてきました。
寿司屋さんのバイトとゲーセンの日々は
いつまで続くんですか?
「12月まで」
間に合わないじゃないですか!
「そうなんです。
これはやばい、もうセンター試験だ!
そこからもう‥‥」
‥‥どういう勉強法を?
「暗記モードに入りました」
え。
「バイトもゲーセンもやめて、
お得意の暗記モードに入りました。
もう、一から暗記していくんです。
朝から晩まで、ひたすら、書く書く書く。
ノートからチラシの裏から、
紙という紙に書いて書いて書いて‥‥。
数学も国語も英語も、
とにかく書いて書いて覚えます」
手で書く。
「はい」
記憶で克服できなかったはずの教科も、
それでなんとかなったんでしょうか?
「そうなんですよ、なんとかなった。
どういうわけか‥‥
繰り返し書くことによって、
全体的なロジックみたいなものが
見えてくるようになったんでしょうかね。
書き続けたことでわかるようになったんです」
はあー。
結局は同じスタイルで、
つまり「記憶する力」のボリュームを上げて
乗り切った、と。
「そうですね。
受験勉強は、強引な勉強方法でした。
だから、たのしくなかったです」
たのしくなかった。
「ええ。
京大の経済学部に合格しましたが、
その道のりは、たのしくはなかったです」
2014/08/21 22:04
寿司とゲームの
浪人時代。
ということは浪人中に、
グっと成績をあげたんですね。
「それが、そうではなくて‥‥。
まず、浪人中はバイトをはじめるんです。
回転寿司のチェーン店で
『くら寿司』ってあるんですけど
そこでずっと寿司を握ってました。
あと、そのころ、
ゲーセンでビートマニアが流行るんです。
DJのゲーム」
ビートマニア‥‥。
「寿司屋の仕事は面白いんです。
酢飯を上からカポッと入れると、
ごにょごにょってなって、
自動で出てくるんですね、シャリが。
まるいターンテーブルみたいなのの上に
シャリが出てくる。
そのシャリをとって、
皿に乗せ、ネタを乗せ、レーンに置く。
これが一連の動きです。
これをめっちゃ高速でやるんですよ。
そうやっていちにち寿司屋で
ターンテーブルの練習をしてから、
バイトが終わったあと、
ゲーセンに行ってビートマニアをやる。
浪人時代はそんな毎日でした」
‥‥なにをやってるんですか、なにを。
2014/08/21 21:53 大学受験は‥‥
さて、小中学時代を過ぎまして、
高校時代になりまして、
大学受験もやはり順調で?
「それがぜんぜんダメでした。
小中学校までは
イメージ暗記法でいけたんですが、
高校の勉強になるとまったく違うんで」
ちょっと成績が落ちましたか。
「公立の進学校に入ったんですが、
入ったときは主席で合格してるんです」
おおー。
「そこがピーク。
高3のときには
400人中の300番くらいになりました。
高2のときに
バンドをはじめちゃったんですよ。
文化祭でモテたくて」
モテたくて(笑)。
「ドラムをやってるやつって珍しかったので
誘われることも多くて。
バンドやってると、どんどん成績が落ちます」
そこから‥‥どうやって京大合格までに?
「大阪大学を受験しまして、落ちました。
当然のことです」
あ、では浪人を。
「はい」