今日の 言いまつがい言おうとしてたことと 違ったことを言ってしまう。 そういった失敗談を集めた名物企画。

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まつがい

夏休みになると、中学生をもつ親が当番制で
夕刻に防犯パトロールなるものをします。
中学生の母親3〜4人で、ゲームセンターや
ひと気のない公園など巡回しますが、
いつも私が思っていたことは
「こんなオバサンの3〜4人で、
 不良少年に勝てるわけないやん。
 どうか不良少年に鉢合わせしませんように」
ということでした。
そんなオバサン軍団が
駅前に着いた時はもう薄暗くなっていました。
駅前通りには本屋、
おいしいたこ焼きの屋台に続いて
あと数件お店がありますが、
本屋ビルの裏側と線路の間が
暗い抜け道になっていて
オバサン軍団は迷わずそちらに向かいます。
すると、向こうの端の2段ほどの段に
こちらに背を向けて座っている
4〜5人の少年を発見。
しかも、どの子からも
白い煙があがっているではありませんか!
私はパニックになって心の中で言いました。
「ど、どうしよう。
 あの子達、タバコ吸ってる!
 どう言葉を掛けたらいいんだろう。
 ってか、怖い!
 不良少年にでくわしてしまったやん!」
こんな私と裏腹に勇敢な他のオバサン達は
どんどん少年達に近づいていきます。
私も及び腰で続きます。
しかし判明したのは、そこにいたのが
熱々のたこ焼きを
フーフーしたり
ホクホクほおばったりする
男子中学生たちだった

ということでした。
そしてオバサン達に気づくと
詰めて道を譲ってもくれたのでした。
「疑って悪かったね」と心の中で呟きながら、
恐怖のショックでまだ少し膝が震える私でした。

(妄想オバサンの事件簿)

   
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