今日の 言いまつがい言おうとしてたことと 違ったことを言ってしまう。 そういった失敗談を集めた名物企画。

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まつがい

オットは結婚するまで、
かなり我流の漢字の読み方をしていた。
「口説く(くどく)」を「くちどく」、
「溜飲(りゅういん)」を「るいん」などなど。
ツマに指摘されるまで
誰にも言われなかったそうで、
たぶんオットが早口な上に小声なため、
聞き流されてきたのだろう。
しかし、気付いてしまったオット自身が
めちゃくちゃ恥ずかしがっているので、
ツマが厳しく教育し、
今ではずいぶん改善されてきた。
‥‥と、ちょっと安心していた先日、
自営業の職場の朝礼で、従業員を前に、
オットがやっつまったのだ。
「‥‥ということでありますから、
 カクカク気をつけて
 業務に当たってください」
「各々(おのおの)」を
「カクカク」と覚えていたことが、
新たに発覚した朝だった。
従業員の手前、その場では指摘できず。
しかも、カクカクという響きがツボにハマり、
横で笑いを堪えてうつむくツマだった。
普段は、従業員にはオットの話を
よく聞いて欲しいと思っているが、
今回ばかりはみんな、
聞き流してくれたことを祈っている。

(もつ)

   
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