気仙沼のほぼ日便り

こんにちは、サユミです。
気仙沼のほぼ日は、
現在いろいろなイベントに向けて準備中です。
ということで今回も、
その準備の中で見かけた街のようすをご紹介します。

まず、こちらは気仙沼市内を見下ろす
安波山からの眺めです。
海と陸地が入りくんだ、
リアス式海岸の地形が見てとれます。
この安波山から見える景色は、
気仙沼市のホームページや、
パンフレットに使われるほど定番で、
気仙沼市民に愛されている山です。

この写真でいうと真ん中の上のほう、
南気仙沼のあたりは、
建物がほとんど見当たりません。
でも目を凝らすと、工事車両がたくさん見えます。
震災前はもちろん、
会社も工場も家もお店もたくさんありました。
現在、まず、土地を高くするための
かさ上げ工事が行われていますが、
再び街をつくるには難しい課題がたくさんあります。

安波山から、鹿折方面に向かいます。
鹿折はししおりと読みます。

鹿折復幸マルシェという復興商店街では、
海鮮丼や手打ちうどんのお店があったり、
八百屋さん、乾物屋さん、洋服屋さんなど、
いろんなお店があって、つい立ち寄りたくなります。
私は立ち寄りついでに、八百屋さんで
レタス小×2を150円、
サツマイモ一袋100円で買いました。
だいたいが100円以下です。
ずいぶんお得でした。

さて、場所は変わって、
こちらはコの字岸壁です。
前にご紹介した出船送りをしているのもこの場所です。
この日も船がたくさん停泊していました。
少し前、船がずらりと並んでいる岸壁を見て、
乗っていたタクシーの運転手さんが
思わず拍手をしたことがありました。
その運転手さんは、岩手のタクシー会社さんで、
震災直後に報道関係者をつれて来て以来、
久しぶりに気仙沼にきたそうで、
「こんなに船が停泊してるって嬉しいことだね」
と話していました。

ちょうどその岸壁の横には、
ガードレールの頭だけが地面から少し出ています。
これは、震災前の道路にあったガードレールで、
つまりは、その高さの分だけ、
地盤沈下しているということになります。
沈下した土地には水がたまったり、
浸水被害が出やすくなっています。

道いっぱいに広がっていた
建物の破片、壊れた車、船がなくなった今、
「もう何があったかわからないね」
という街の人の声をききました。

震災前にどんな街があったのか、
わからないという意味と、
はじめて気仙沼に来た人は、
どんな被害があったのかわからないだろう、
という意味の、どちらの意味にも取れました。

私も震災の時は東京にいて、
去年気仙沼に引っ越してきたので、
どちらの意味でも、
何があったのか、本当のところは
よくわかっていません。

上から眺めた南気仙沼付近を車で通る時、
写真ほとんど撮れませんでした。
次から次へとトラックがやってくるからです。
邪魔になりそうだったので、すぐに移動して、
大川沿いの桜並木で少し車を止めました。
桜の木は、もちろんまだ冬の姿のままで、
吹きぬける風が痛いほど冷たかったです。

花見のときは、
「桜の下で気仙沼ホルモンを食べる」と
教えてもらったものの、
私はその光景を見た事がありません。
今年は見ることができるでしょうか。

震災からもうすぐ2年になります。
当たり前のように時間が過ぎていくことを考えれば、
冬の次は当然春です。
私は今すごく春が待ち遠しいです。