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2012/08/03 10:51
七日日(なのかび)

気仙沼地方では、8月7日を「なのかび」と言い、
初盆を迎えるお宅に、お焼香に伺う風習があります。
全国的には「お盆の入り」という意味合いで、
7月のところもあると思います。

誰かがお亡くなりになった時、
近い親類やご近所、親しい友人などに、
お通夜や葬儀の予定などの
「お知らせ」を伝えます。
この「お知らせ」を受けた方々は、
仏事のお手伝いなどもしながら、
法要までの仏事を支えていきます。

8月7日の、なのかびには、
この「お知らせ」を受けた方々はもちろんですが、
お知らせは受けていなくても、
親しくしていた方々や、
「葬儀の時に不在でお悔みに行けなかった」
などの方々も、初盆を迎えるこの日に、
お焼香にお伺いしたりします。
いづだりかづだり
(気仙沼弁で
「勝手な時に。無計画に。」というような意味です)、
よそのお宅にお伺いするのは、
遠慮があるという場合にも、
このなのかびが、
訪問しやすいキッカケになることもある様子です。

もちろん、お盆に帰省した時に、
という方も多いですが、
地元の人たちは、
7日にお伺いする場合が多いです。
お盆は身内でゆっくり過ごされるご家庭も多いので、
これは、理に適った風習とも言えるのかもしれません。

というわけで、
気仙沼では、一年で一番暑い時期頃の
8月7日になると、
黒っぽい洋服を着た方々が、
忙しそうにあちこちを回って歩く姿が見られます。

友人で、仮設住宅に住む、初盆を迎える人が、
「いやー、みんな、来るのかな? どうだろう?」
と、ちょっと悩んでいました。
(いらっしゃった方々へ、
お茶や水菓子を用意したり、
時にはお昼ご飯などを用意する
おうちもあるのです。)
とはいえ、
その日に向けてあれこれ考えなくちゃ、と、
気持ちを新たにしているようなところもあります。

今年の8月7日、どんな一日になるのかな。
お迎えする人たちにとっても、
お伺いする人たちにとっても、
過ごしやすい一日だといいな、と思っています。

(*kazue*)


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