ただいま製作中!ただいま製作中!

2009/03/15 05:41
chef

氷の海から。

フィンランドの武井です。
キヒニオというところから
カラヨキというところに来ております。
ヨキコトキクは犬神家の一族です。
そのカラヨキで泊まっているのは
「かもめの城」という宿です。
なかなかひなびた風情がございます。
地元の、じゃがいも農家であり
砕氷船も運航しているおじさんが
この宿をとってくれました。

ネットが不通だったキヒニオで
なにをしていたかというと、
凍った湖上で釣りに挑戦しました。
笑顔とうらはら、足下は水浸しです。
いくら氷が厚いったって、
水があがってくると怖いものです。
じっさいは大丈夫だそうなんですが、
理屈じゃなく怖い。しかも寒い。
なのに妙に楽しい。
不思議なもんです。

そのあときこりのレオさんの
お宅を訪ねましたら、
「ちょっとあんた、
 かきまぜといてくれる」と、
おかみさんに頼まれて
スープをかきまぜたりしておりました。
薪で加熱するストーブ、
ものすごい熱で、
こんどはのぼせました。
お鍋、飯島奈美さん
好きそうなデザインだなぁ。

そしてカラヨキでは砕氷船に乗りました。
観光船ではなくって、
ほんものの業務用の砕氷船です。
大型の貨物船が入る港の氷を
貨物船が移動しやすいよう、
割って回るのです。
その業務を見学すべく
操舵室に乗り込んだのですが
砕氷船の仕事はばっちりだったのに
貨物船がうっかり港に激突。
舳先が割れてあたり騒然。
といっても人がいないから静かなんですが、
貨物船全体がどんよりしたオーラに
つつまれていた気がします。
さらにそのことで
砕氷船の仕事が増えちゃって
2時間ばかり陸に上がれずにいました。
こりゃまた寒い。
といってもぼくはやることがないので
甲板で海の男ポーズをとってみたところ
フィンランド西海岸なのに
日本海っぽくなってしまいました。
(右側が事故った貨物船です)

いやしかし、肝心のおじさんは
すばらしい人ばかり。ほんとです。
旅の取材って、
出会いと別れを繰り返すばかりで、
せつないところもありますが、
出会ったことが宝物です。
そして失うことはない。
そんな気分で、
あすはヘルシンキに戻ります。