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2022/08/24 11:04
akiko.kusaoi

万葉集はじまりの歌を
ご存知ですか?

万葉集講座第2回
アプリで再配信となりました。
講師は、奈良大学から國學院大學に移られた
万葉学者の上野誠さん。
この日の授業では、
万葉集の1番の歌について
教えていただきました。
若菜摘みをしている女性たちに
天皇が結婚を申し込む歌。
当時の恋が「歌」から始まったことを、
この歌を題材に語ってくださいました。

黒板の文字にもあるように、
万葉集の研究方法には、
文芸的研究や
歴史社会的アプローチ、
加えて民俗学的アプローチが
あるそうです。

上野さんはすべての手法を使いつつ、
なかでも民俗学に深い関心を
寄せていらっしゃるのですが、
その研究姿勢が個人史と絡んで
日本エッセイスト・クラブ賞受賞に
結びついた近著
『万葉学者、墓をしまい母を送る』が
今月、文庫になりました。

1973年、13歳という
「大人と子供のあいだ」にあった
上野少年は、祖母と母を手伝って
亡くなった祖父の湯灌(ゆかん)をします。
故人のお清めですね。
今では業者に委ねることの多い
湯灌を体験したことが
上野さんの研究の原点になったそうです。

そこからはじまって、話は、
老いたお母さまを奈良に呼び寄せ、
7年の介護の末に見送った
近年の体験へと移っていきます。
極めて個人的な体験を交えて
この四十数年に
「死」との距離はどう変遷したか、
万葉学者の考察が光ります。

講座とあわせてどうぞ。