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2022/09/21 11:02
akiko.kusaoi

「日本の文学はLOVE」

日本文化のおもしろさや深みについて
外国の方の指摘で再認識することは
ままあることですが、万葉集講座で
ピーター・マクミランさん
お話を聞いたときも、まさにそうでした。

英語の百人一首カルタ
「百人イングリッシュ」を考案した
マクミランさんは、『伊勢物語』を例に
日本人がどれほど昔から
恋の歌をたくさん詠んできたかを
語ってくださった上で、
その恋心、歌心は、今を生きる
私たちにもあるとおっしゃいました。

「日本の文学はLOVEなんです」
マクミランさんの言葉です。

そして、その言葉に励まされて、
この授業では、
誰もがその姿を知る富士山に寄せて、
それぞれのLOVEを歌にしました。
受講生のみなさんが披露する
秀歌をぜひ聞いてください。

この授業のあと、
マクミランさんは万葉集の英訳に
取り組んで本を上梓されました。
『英語で味わう万葉集』。
古文がわからないのに、
英語でなんてもっとわからない。
そう思われるかもしれませんが、
案外そうでもないのです。
マクミランさんの英訳は
シンプルに作られていて、
とてもわかりやすい英文もあります。

君が行く海辺の宿に霧立たば
我が立ち嘆く息と知りませ
上野誠さんの授業をご覧になった方は
耳に馴染みがあるかと思います。
上野さんの名調子が耳に蘇りますね。
その訳です。

If your lodge by the sea
is covered in mist,
please know it’s my breath
that covers you
with lamenting sighs.

マクミランさんのやさしい声を
脳内再生しながら口に出して
読んでみてください。
原文とはまた違った趣があります。
そしてこれもまた、
恋心の歌ですね。