ツアー日記
8月10日(火)
静岡ライブ開演直前までのグッドマン・レポート
静岡でのライブ会場となったのは、なぜかグッドマンの実家。
市内の商店街で、グッドマン・ママがやっている甘味喫茶
「松風堂」を舞台にしたのだ。
主催は、グッドマンの同級生・増田直己くん。
会場と同じビルに入っている老舗の総菜屋「やいづや」の
二代目、若旦那である。
彼が奔走してくれたおかげで、タウン誌の取材や、
地元FM局「FM−Hi!」への出演など、
プロモーション活動はばっちり。
すでにチケットは完売だった。
午後3時頃、下田から、ポカスカジャンの車が到着。
ワゴン車に、「マジカニミラレルツアー」のでっかいシール、
さらに、3人の顔写真もはられていて、
ちょっとドサな雰囲気。静岡は暑くて「ボサな雰囲気」と
言えなくもないけど、ポカスカの周りだけはドサ。
ルーフトップには機材がどっさり(ダジャレじゃないよ)、
車の中も、楽器やPA、このツアーで売る
CDなんかがぎっしり。
人が乗るすき間もないほどの過密さだ。
もう一台、WOWOWの取材の車。なんと、12月に
このツアーの模様を含めて、ポカスカジャンの特番が
組まれるらしいのだ。なんだかすごいことになっている。
松風堂はビルの半地下で、奥のカウンタースペースを除いて、
使えるのは10畳くらいのもの。舞台を2畳とすると、
お客さんは8畳くらいのスペースに入ってもらうことになる。
東京の公演では、桟敷に、これ以上入れないというほどの
お客さんを詰め込んで、劇場の動員記録を塗り替えてきた
ワハハ本舗だが、地方公演、ましてやノンビリした土地柄の
静岡で「詰め込み作戦」ができるのかどうか、不安がよぎる。
なにしろ、前売りは、電話予約を含め、80人を越えた。
8畳に80人? 1畳に10人。うーん……。
さいわい、この日は「客詰めのプロ」ワハハ制作部の
アパッチくんが来ているので、彼に任せることにしよう。
生音でやるので、PAのセッティングはなし。
小道具や楽器を用意したら、そんなにやることはない。
桟敷にフトンを敷くなど(じかに座るのでお尻が痛くなる)
の会場作りはボランティアのスタッフにお願いして、
ポカスカの3人とWOWOWの撮影隊(といっても1人)、
グッドマンはすぐ近くのFM局へ。ポカスカは楽器を
鳴らしながら商店街を歩く。でもそんなに注目されなかった。
楽器を持ったままFM局まで歩きました |
DJは高田理佳さん |
FMは、15分間、ゲストとして、CDの宣伝やら、
ライブでは演らないネタやら、たっぷり披露。
「ラブ・ユー・両国」という、CDの中でもイチ推しの曲も
かけてもらえた。ありがとうございました、
「FM−Hi!」の三木さん。
収録後、「松風堂」に戻る。ポカスカの3人は
衣装がえのため、今日宿泊することになっている増田家に
向かった。増田くんの奥さんの江利子さんが同行・案内。
奥さんは病院の検査技師なのだが、
この日のために有給休暇をとってのボランティアだ。
そろそろ6時。開場の時間だ。
歩道に小さなテーブルを出して、受付にする。
看板も手描きです |
会場があまりに狭いので、手荷物はすべて預かり、
靴もぬいでもらい、「ぎゅうぎゅうですよ!」と
ダメおし。どんどんお客さんが入っていくが、
受付にいるので、中の様子はわからない。
必死で客詰めをするアパッチ君の声がきこえる。
お客さんが悲鳴をあげている。
本当に、入るのだろうか?
いったん入ったものの、あまりの過密さに耐えきれないのか、
帰ってしまうオジサンもいた。
換気扇がひとつで、窓もない会場。冷房は入っているが、
さすがに効かない。開演前から、お客さんは
汗びっしょりになっているらしい。
結局、73人が詰め込まれた。お客さんは身動きもとれない。
スタッフは、どうやっても見ることのできないほどに、
入り口までお客さんでふさがっている。
人いきれで、会場の入り口には、熱帯雨林のような空気の
エア・カーテンができている。
そうして待つこと1時間あまり。衣装をつけた
ポカスカジャンがやって来た。ステージまで行くには、
ぎっしり詰まったお客さんの間を通ることになる。
「ども〜〜〜〜! ポカスカジャンです〜〜〜〜〜!!」
と、ギターをかき鳴らしながら、
3人がお客さんの波の中に消えていった……。
このあとのルポは、省吾にバトンタッチです。
(グッドマン)
|