ポカスカジャンの脱線マガジン。

ツアー日記

9月1日(水) 雨、ながら晴れる 松山〜高知

このツアー、気がつくと僕はずっとノーパンだ。
ツアー初日、下田の鈴木さんの家に泊めてもらった時、
うれしさのあまり全裸で寝て以来、
ずっとパンツをはいていない。

替えのパンツは持ってきてはいるけど、
カバンの奥底に眠ったままだ。
楽屋がない時の青空駐車場で着替える時も、
熊本城でWOWOWの撮影で
“ラブ・ユー・両国”の衣装になる時も、
岡山の高級レストランで打ち上げの時も、
いつもノーパンだった。

別にウケを狙っている訳ではない。
何かの病気になっている訳でもない。
開放的な自己演出でもない。
ただノーパン。
シンプルノーパン。
ストレイト トゥ チンポ。

ただし、舞台ではまわし姿になる為、
キチンとサポートパンツをはく。

舞台ではパンツをはく。
降りたらノーパン。
すごく健全でいい。
スッキリとしている。

ここまでノーパンでくると、
何故パンツをはくのかが解らなくなってくる。

モモヒキは解る。
寒くなったらモモヒキ、暑くなったら脱ぐ。
非常に解り易い。

くつ下も同じようなところがある。
しかもムレる。革靴など大変だ。
だからはく。これも解る。

しかしパンツだ。
確かに寒い時パンツをはく人を僕は知らない。
重ねパンツなど聞いたこともない。
しかも暑いからといってパンツは脱がない。

次にムレの問題だ。
一見くつ下の構造と同じように思える。
足や股間はムレる。だからはく。
しかしはくことによってまた起きるムレ。
この悪循環。パラドックス。
一見、そうだ。
しかし、違う。
試しにやってみる。素足にスニーカー。
スゴク、ムレる。スグにムレる。
靴の中で音をたてる程だ。
フルチンにズボン。スゴクいい。ムレる事などない。
むしろスースーしてる。
チンポの固定感はないものの、自由感がある。
固定感よりは自由感に一票だ。
パンツをはくことによってムレ現象が起きてる可能性大だ。

けれども人にノーパンですと告げると
大体はケゲンそうな顔をする。
中には「お前バカじゃねぇの?」とまで言われる。
(ちなみに、僕はバカじゃない。)

非人格者扱いを受ける。
何故だ。
素足にモカシンやスニーカーがオシャレで、
何でフルチンに半ズボンが変態なのだ。
別に横チンはみ出ている訳でもないのに。
ノーパンが道徳的にまずい事なのか、
モラルに反した反社会的行為なのか?

どうなのか解らないまま、今日もライブだ。

高知のお客さんは熱い。
アンコールが鳴り止まなかった。
(ミュージックデリバリーの皆さん、
川村さんの友達の皆さんとお母さん、
本当にありがとうございました。)

夜は川村ディレクターの実家に泊めてもらう。
またしても至れり尽くせりの歓迎を受ける。
そして修学旅行生のように布団をしいて寝る。
今日も全裸だ。
お母さんが、「寝苦しくない?」と気を使って、
エアコンを調節しに部屋に入ってくる。
灯りをつけた。
一瞬、沈黙があった。
半分、僕は眠りかけていた。
「あらイヤダ」
お母さんが小さな声で言った。
寝たフリをする僕の毛布を掛け直してくれた。
パンツってこういう時の為にはくんだ、と思った。

(PSJ/玉井伸也)

1999-09-07-TUE

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