ポカスカジャンの脱線マガジン。

ツアー日記

9月16日(木)晴れるも空気が違う 夕張〜帯広

朝、筋肉痛で目覚める。
肉モモと右肩が特にひどい。
実は昨日、堀さん(夕張市役所職員の方で、
今回PSJのお世話をしてくれた)の所属する
野球チームの練習にまぜてもらったのだ。
打ち上げの飲んでる席での冗談のつもりが、
朝8時からミッチリ迎えに来てくれた。
練習場に着いて知ったのが、
そのチームは実は北海道内一位、国体出場チーム。
10月の大会に向けての本格的練習中という事だった。
堀さん、そういう事は最初に言ってください。
どうりで、おしりからモモのあたりがパンパンです。

はっきり言って吐く予感。
チームのメンバーが集まる。
みんなガタイがいい。
聞くと、ほとんどが甲子園レベルだ。
それじゃあ国体にも行く。

「玉ちゃん、軽く走る!?」

堀さんが聞いてくる。

「そうっすね」

恐怖心を隠して答える。
僕も言葉遣いが高校球児だ。
レフトからライトまでフェンス際を走る。
6往復。
しかも半分サンダル靴だ。
僕もかつて野球をやっていたので、なめてる訳じゃない。
でもパコパコいってる。
野球焼けした堀さんの黒い顔が鬼ラッキョに見える。
鬼ラッキョはなんでも一番打者で、サード、
キャプテンらしい。
一番サード鬼ラッキョ。
平常通りのメニューをこなすらしい。

国体レベルのウオーミングアップは、
普段自堕落な生活をしている僕にとってはゴーモンだ。
10年以上ぶりにやったモモ上げは、僕をせむし男にする。
つま先タッチ&ダッシュは、言わずもがな。
野球は声を出さなくてはいけない。

「さぁ、こいっ!!」

全然来て欲しくない。
でもそのおかげで、体があったまり、
遠投やっても肩が痛くない。
昔ぐらい投げられた。うれしい。
トスバッティングで、もうごめんなさいのところ、
バッティングマシーンの打撃までやらせてもらう。

「さあ、こい!!」

一球ごとに声を出す。
だんだん、カンを取り戻す。
大人の野球はいい。
皆、本当に好きでやってる。
だからユーモアがある。熱気がある。
すごく真摯な態度だ。

「昔、やってたでしょう」

監督に言われる。
うれしい。すぐ図に乗る。でもアゴが上がってる。
なんとか最後まで吐かずに終える。
舞台では吐いてしまったけど、野球では吐かなかった。

ちょっとしたカタルシスだ。
それじゃ筋肉痛になっても仕方ない。
肩をコキコキしながら、帯広に入る途中ラーメンを食べる。
スープまで全部キレイにいただく。
普段はスープをそれほど飲まない。
店を出ると一口分、はねっ返りがある。
皆、またかよ、の顔をしてた。

(PSJ/玉井伸也)

1999-09-25-SAT

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