ポカスカジャンの脱線マガジン。

6月2日 天気 もう梅雨かぁ by玉ちゃん

人には体質と言うものがある。
鯖を食べると、じんましんが出る人や、
どんなに動いても汗をかかない
猪木のような抜群のスタミナを誇る無汗症の人など様々だ。
大ザンス稽古真っ只中のワハハにも、
いろんな体質の人がいる。
元気安(アバンギャルド・フォークの旗手)は、
ゲロとかうんことかの汚い言葉に対して、
ついついリアルに想像してしまう気があり、
すぐ空ゲロをもよおす。
そんな時は、その想像力を逆手にとって、
マスカット・ゼリー等の綺麗な言葉を投げ掛けてあげると、
吐き気が治まる、という特異な体質を持つ。
マネージャーの和田女史は風船がダメだと言う。
試しに側に持って行くと、睨むだけでノーリアクションだ。
そして今日の主人公、森雅晴(ワハハ本舗・広角打法型芸人。
器用なのでオチよりは前フリによく使われるが、
未来の張本勲の呼び声高し)だ。
まず彼は雅晴と言う名前なのに、
「まさお」と呼ぶと何故か振り向く。それが不思議だ。
また彼は顔が無国籍だ。その顔で仮面ライダー・クーガーの
怪人カメレオン男の座を勝ち取った程だ。
若手に無理やり"仮面ライダー・クーガー限定Tシャツ"を
売り付けて、迷惑がられている。
そして、最も彼を表す体質として、
異常にダメ出しを受けやすい、というのがある。
人間を男と女以外の方法で二つに分けるとしたら、
インドに行く人間と行かない人間に分かれる、と言ったのは
横尾忠則だが、ダメ出しをする人間とダメを出される人間、
二つに分けるとしたら、間違いなく森まさおは後者だ。
この日も稽古後、カメレオン男バブルで気前良く
奢り酒してたら、前出の元気安に、
まるでアステカ帝国語のようなダメ出しを受けていた。
酒を奢ってるのに、殴られそうにまでなってる。体質なのだ。
仕方ない。そういう元気安も仕方ないのだ。
アバンギャルド・フォークの旗手として、
不条理の地平線の彼方にいるのだから。
だから例えアステカ語のダメ出しであっても、
甘んじて受けるしかないのだ。
もうすぐ東京公演が始まる。そしたら全国ツアーだ。
地方で楽しい事いっぱいしようよ、
元気さんも入れてあげてさ。

6月3日(土)天気 この季節デブはどんな天気でも汗だく
byしょうご


稽古もいよいよ大詰め、と言うか
ネタ作りの方も出来上がっているチーム、
煮詰まってるチームそれぞれだ。
ちなみに僕のチームは煮詰まるどころか
もうびっしり焦げついてる。
こうなると「たのむ! シアターアプルよ燃えてくれ!」
などと不埒な思いを抱く僕がいる。
だからと言ってこれは僕のせいじゃないのだが、
今日 地震があった。切羽詰まった劇団員は
地震まで起こせるのか!?
「だから俺のせいじゃないってば」
(プロミスのCMのじいや風)
要するに僕が言いたいのはだねぇ・・・ダメだ!
言葉が出てこない、もう頭が働かない、
頭を働かそうとすると足が勝手にステップを踏んでしまう
(それだけダンスを毎日踊っているのだ!)
僕なんかはダイエットしてないのに3kg近くも
痩せてしまった! デブキャラなのに!
玉井なんかは毎日ダイエットビスケットなるものをかじって
腹筋運動をしているので
「あと3kg痩せたら高校時代の体重と一緒だ!」
などと色気づいていた・・・年がいもなく。
僕の予想だとツアーで地方の旨いものを食って
リバウンドをくらって
玉ちゃんが本当の意味でたまちゃんになるだろう。

番外編 しょうごの今夜のおかず!
笹塚駅前から徒歩0分おそうざいの店“弁天屋”で
マグロステーキかつ弁当を買う。
御飯はグリンピース御飯にしてもらう。
キャベツの上に乗っかったマグロステーキかつに
タルタルソースをぶっかけて
ラワン材で出来た割り箸を厳かに引き割り
品の良い僕の口へとはこぶ・・・美味い!
もしこのマグロステーキかつ弁当のCMを作るとしたら
主役は間違いなく僕だろう。
あぁ飯食ってる時が一番幸せ!


6月4日(日)byのんちん

今回の稽古の雰囲気は山の天気のようだ。
暖かい日差しが差し込んだかと思えば突然雷が落ち、
しかも寝ると死ぬのだ!
今回初めての経験となる新人は、
胃に穴が開く思いでいっぱいだろう。

さて今回の舞台の作品の中で、
我らポカスカの経験が役だったものがある。
その経験の話がおもしろいので、聞いてください。

あれは忘れもしない3年以上前のことだった。
当時仕事などめったにないポカスカに、
テレビの仕事が舞い込んだ。
しかも韓国の人気番組で、
なんでもウッチャンナンチャンのやってた
「特報王国」という番組の韓国版だという・・。
俺達は大喜びで仕事の現場へ3人で向かった
(マネージャーは何故か来なかった)。
現場にいたのはカメラマン(といっても小さなデジカムを
持ってただけ)、ディレクターらしき人、
そしてどう見てもさえない予備校生にしか見えない
“韓国のナンチャン”だというタレント。
そして恐るべきことに通訳がいないのだ!
カメラの前でVサインしてるスタータレント、
何やらエキサイトしてるディレクター・・
顔を見合わせる3人。
そしてディレクターが取り出したのは
ガ・ガ・ガムテープではないか!
わかった! あれをやって欲しいのか!
ポカスカのファンはもうお解りだとおもうが、
我々には「伝説のフィストチャンピオン」というネタ、
いや作品がある。なんのことはない、
お尻にガムテープを貼って切る、
しかもクイーンの曲にのせて・・・。
新宿二丁目に向けて発信したものだ。

俺達は、気がつくと東中野の公演で
いつの間にか尻をだしてガムテを切っていた。
真冬だった・・・。
でもテレビで嬉しかった。
けなげだった。

そんな3人に 差し出されたのは割り箸だった。
さすがに「こんなことやったことない」と詰め寄ったが
言葉が通じない。
玉井と省吾を見ると、ふたりとも鳥肌のたった腕を震わせ
何かを決心している。
よし。俺達はふんどしに割り箸をはさんで折っていく。
1本・・2本・・5本・・6本。
目は血走り、いつのまにか汗をかいている。
そして7本折った時やっとスタッフから拍手がおきた。
よっしゃ!
しかしだ・・
次に差し出されたのはなんとしゃもじだった。
バカヤローと俺が怒鳴りそうになった時、
省吾がそのしゃもじをギュッと握り締め、
尻へと持っていった。
バキバキ、凄い音と共にしゃもじが真っ二つに折れた。
省ちゃんかっこいいー!
ところが省吾の尻を見ると、なんと血がでている。
でも省ちゃんかっこいいー!

一体あれは何だったのか。
オンエアーされたのか。
ギャラは払われたのか。
すべては薮の中だ。

この経験がどう役だったかは、
「大ザンス」を見に来た人だけに解る仕組みになってます。

2000-06-17-SAT

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