もう、しょっちゅうです。
じゃあ 「おまえ、いいこと言うじゃないか」 「いや、増田さんが言ったんですよ」 ということは、よくあるでしょう?
それもしょっちゅうです。
いろいろきくでしょう? きいてなるほどと思うことを 人にしゃべるわけだけど、 ぼくはそれを教えてくれたやつにまで 説教しますから……。 「それ、ぼくが言ったんですよ」 ということ、よくあるんです。 過去は消えるから。
ぼくは「ロジックはあとで考える」みたいに、 すぐには理解されないようなアイデアを 思い浮かぶことがよくあるんです。
増田さんはおそらく 膨大な情報を整理したり すりぬけたりして 理解の領域を超えた企画に たどりつくんですよね。
どちらにしても 「すぐに説明できるようなことを 考えついたのでは自慢はできない」 というアイデアですからね。
ただ、そこを部下がわかっていて、 ぼくの理解の領域にぶちこめたら、 その企画は実現するというわけです。
そうです。 TSUTAYAをはじめた時から、 ぼくはいずれは店舗は 三〇〇〇店を超えると確信していました。
情報を共有し合う社会には かならずTSUTAYAが必要になる、 という単純なメッセージがあったのですが、 そんなことをいわれても ふつうはわからないわけです。
「ビデオの本質は メディアだから本と一緒でしょう」 ということも、 もちろんまだ数店舗のころには よくわからないわけで……
だからこちらとしては、 フランチャイズのオーナーさんには、 はじめにはそんなに 概念的なことを言うべきではないんです。
だから、 わかっていただけないときには 「もうかりまっせ!」と。
「……もうかるのか!」それがあって、 ようやく、オーナーさんは 実行できるじゃない。
その人にとっての いちばんわかりやすいメッセージは 「もうかります」なんです。
実際に店舗をやってうまくいくと、 オーナーさんの理解の領域は 確実に広がるんですよね。
いきなり 「TSUTAYAは 情報流通革命の拠点だ!」 とおっしゃったりするわけで……
「フルマラソンを 走れるようになった素人」 みたいになるんだ。
増田さんは原点は宗教家ですけど、 やっていることは教育者なんですね。 まあ、決めつけるつもりは ぜんぜんないですけど。
増田さんは教えながら 「ここは自分でもわかってなかった」 と考えるから、 またおもしろくなるわけですよね?
「これを書いてください」 と書かせるわけで、 ぼくはだからその書類をワーッと書く。
ぜんぜん。 やりたいことを まだぜんぜんやってないですから。
ぼくはうちの会社を 企画会社として世界一にしたいんです。 「あそこに頼めばすごいよ!」と──。
そうです。
ひとえにぼくの能力じゃないかなぁ。
わかりやすいけど、実際にそうですもん。
いろいろあるんですけど、 まずは「英語ができないこと」。 もしもあのとき、 ぼくが英語をしゃべれていたら、 結果はちがいました。
2005-04-06-WED