ぼくはこのような
20年間の経営の経験から
「一・三の法則」
というものを発見したんです。
社員が何人いるか?
店舗は何店なのか?
売りあげは何億円か?
組織に「一」や「三」がつく時には
マネジメントの
スタイルを変える必要があります。
企業の成長曲線は遠くから見ると
カーブしているのですが、
近くに寄って見ると
階段状になっているんです。
成長のプロセスが
どういうものかといいますと……
ある時期にうまくいくスタイルが
まずはあります。
ところがそのスタイルを続けると、
すこし下降路線に入るんです。
そこでうまくマネジメントを変質できれば
また成長曲線に入ることができるのですが、
スタイルを変えないままでいると
落ちてしまうんです。
それが
どんなタイミングでやってくるのか、
というのが「一・三の法則」です。
人数でいいますと、
一人、三人、十人、三〇人、
一〇〇人、三〇〇人、一〇〇〇人、
三〇〇〇人、一〇〇〇〇人……
そういう時には、
かならず変化が必要なんです。
優秀なリーダーが
ベンチャービジネスをはじめて、
ひとりで必死こいて
がんばってやれるのは
三〇〇人までじゃないかとぼくは思うんです。
組織の人数が増えると
階層ができるじゃないですか。
三〇〇人だと
だいたい三階層ぐらいになっているから、
トップと現場の間をつなぐ
中間管理職が要りますよね。
ところが、
この中間管理職の人材というのが、
はじめのベンチャーのころには
そろわないわけでしょう?
……正直にいってしまうと
その時期には当然
「まともなやつがこない」わけです。 |