このたびラジオ体操を教えてくださるのは
『大人のラジオ体操』の著者である中村格子先生です。

子どものころ、夏休みに毎朝通ったラジオ体操。
音楽にあわせてからだを動かすと、
けっこう、覚えているものです。
しかし、「覚えている」と「できる」には
大きなちがいがあるのです。
まずはプロローグとして、
糸井重里と「ほぼ日」の乗組員が
どんなラジオ体操を「覚えて」いたのか、
BEFOREの姿をどうぞごらんください。
副音声的に、格子先生の
ツッコミ(おだやかなようで、するどい)を
お聞きいただけます。






格子先生、ラジオ体操のすばらしさを
ひとことでいうと、なんでしょうか。
そうですね、ひとつ、と言われれば‥‥
それは体操の順番です。
順番が。
はい。ラジオ体操第一は
13の動きで構成されていて、
約400種類あるからだの筋肉をまんべんなく動かす
究極の全身運動です。
まず最初は‥‥
最初はえーと、背伸びの運動ですね。
そう。背伸びの運動、
そして腕を振って脚を曲げ伸ばし。
これで姿勢をつくります。

続いて、肩甲帯を動かす運動と
腰のための運動が3つ入ります。
そして、ふだん伸ばしきれていない
ハムストリングス
(膝裏からもものつけねまでの筋肉)を
刺激し、大回転の全身運動とジャンプ。
最後にふたたび脚の曲げ伸ばしをして、
深呼吸で鎮静させます。
つまり、起承転結のような
構成になっているのです。

いきなり大回転やジャンプからやると
怪我につながりかねないのですが、
ラジオ体操の順番でからだを動かすと
徐々に、そしてまんべんなく
筋肉を動かすことができます。
わたしたち運動の指導者から見ると、
この完成度は、すごいんですよ。
どなたが考案したのでしょうか。
発祥は戦前。逓信省簡易保険局によって、
「国民の健康を願ってつくられた国民保健体操」
としてはじまりました。
そして戦後、25人の制定委員が
あたらしいラジオ体操を作成しました。
戦後の開祖的な体操と運動の先生方が集まり
ひとつひとつの動き、流れを
練りに練ってつくりあげたのです。
ほほぅ、すごい。
こういう体操があるのは、日本だけでしょうか?
ラジオ体操のおおもと言われているのが、
アメリカのメトロポリタン生命が
つくった体操です。
生命保険会社が?
そう。
メトロポリタン生命が、アメリカ人の
健康寿命をのばそうとしてつくった体操を
日本のかんぽ生命保険が取り入れたんです。
保険会社は、人々が
健康なほうがいいから‥‥なるほど。
じっさい、80歳、90歳で
自立されている方は
継続的にラジオ体操をやってらっしゃる方、
多いですよ。
自立?
二本足で歩いて、介護を受けず、
自分の意思で生活できることです。
寿命も気になりますが、
「健康でいる時間」も大切ですよ。
これを「健康寿命」といいます。
健康でいる時間、かぁ。
でも、自己流で、適当にやっていたら
だめなんでしょうか。
だめ、ということではないんですが、
運動のポイントを把握してからやると、
効果がちがいます。


▲最初はけっこうバラバラでした。

▲でも、やる気はあります。

では、明日から主要な動きを中心に
ポイントを紹介していきます。
ひとつずつ、完璧に、覚えていきたいと思います。
よろしくお願いします!
明日から本番。つづきます。
2012-08-23-THU

※効果は中村格子先生の理論に基づくものです。また個人差があります。