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この3人で、
あらためてこうやって話すのは、
ちょっとふしぎな感じです。
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ふしぎ、ふしぎ(笑)。
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はい。
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なにをどう、聞いていけばいいのか‥‥。
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どうします?
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やっぱり、あれですよね、
今回の募集に興味をもってくださったかたに、
すこしでも経理の現場のことをお伝えしたい、
という気持ちがありますよね。
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うん、うん。
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じゃあ、もう、素直に、
「ほぼ日の経理の仕事で感じたこと」
をテーマにしましょう。
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経理の仕事で感じたこと。
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実際にはたらいてみてどうか、ということですね。
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はい。
そのあたりをざっくばらんに。
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ざっくばらんに。
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じゃあ、まずはタナカちゃんに聞きます。
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お(身構える)。
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身構えないで(笑)。
ざっくばらんにお願いします。
タナカちゃんは‥‥何年目でしたっけ?
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わたしは入社4年目です。
まる3年経って、いま4年目。
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4年目。
前の会社には何年いたの?
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ええとね、6年。
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6年もいたんだ。
「ほぼ日」は、その会社で読んでいた。
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そう、会社とか家とかで。
ふつうの読者です。
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そんなタナカちゃんが「ほぼ日」に入社して、
実際に経理の仕事をはじめて、
最初にどう思いました?
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そうですねえ‥‥
「なんじゃこりゃ!」って。
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なんじゃこりゃ(笑)。
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前の会社とまったくちがったんです。
あまりにもちがいすぎて、
なにがちがうのかさえわからないくらい。
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おどろいた。
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おどろきました。
ほんとになにをしたらいいのかわからなくて。
「だれか仕事をください」
みたいな感じだったと思います。
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でも、この会社は、
「仕事ください」に厳しいでしょ。
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そうそうー。
自分から見つけないとだめなんですよね。
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どうやって自分の仕事を見つけたの?
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それは‥‥ええと‥‥
わたしが入ったころから人数が増え出して、
それと同時に
「会社の仕組みを整えていこう」
という動きがあったんです。
その仕組みができてくるのにあわせて
自分のやるべきことがわかってきました。
「あ、これをやらないといけないな」とか、
「これをやるってことは次はこれがあるな」とか。
だんだんだんだん、こう、
経理の仕事のかたちみたいなものが
見えてきたという感じです。
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なるほど‥‥。
経理の仕事以外ではどうでした?
入ってみてのギャップとか、ありました?
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ありましたよー。
いろいろびっくりしました。
たとえば、お昼休みに時間の制限が‥‥
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ないですよね。
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最初はそれすらどうしていいかわかんなくて、
困っちゃったんです。
前は12時から1時と、きっちり決まってたから。
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なるほどね。
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武井さんとか、なんかちいさいし。
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‥‥え?
なにそれ、どういう意味?
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もっと大柄だと思ってたから、
「あれ?」って。
さんって、大きくないんだー。
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武井さんが
思ってたよりちいさくておどろいた。
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そう(笑)。
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わははははははは。
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でも、ほんとうにね、
ふつうの企業からきたから、
おどろくことばっかりだったんですよ。
だから、その意味でいうと‥‥
この会社の体質になじむっていうことに
いちばん苦労はしたかも。
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ああー、はい、
新しい環境に来た人はだれでも
「なじむ」ことについて不安になるよね。
「なじめた」と思った瞬間って、覚えてます?
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急になじんだんじゃなくて、
徐々にだと思います。
1年目はだめで、緊張してて。
2年目くらいでした、
ようやく気がらくになってきたのは。
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徐々になじむというのは、
仕事の流れでできてきたもの?
それとも、人との関係の中で大丈夫になったもの?
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それは‥‥
なんか仕事の流れが整ってきて、
周囲といろいろ話せるようになって‥‥
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そうか、両方だ。
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そう。
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「大食いだ」
とかいわれて、キャラがうまれてね(笑)。
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そうそう(笑)、不本意ですけど。
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なるほど、わかりました。
じゃあ、今度は、
いま自分がされたのと同じ質問を
イサワさんに投げかけてもらえますか。
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え? わたしが?
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そう。
インタビューしてください。
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イサワさんに?
わたしが?
そうなの?
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そういうことなんですか(笑)。
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経理のふたりで話してほしいと思って。
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‥‥インタビューっていうのは、
ええと、
ほんとは知ってることも
知らないふりをして質問するの?
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いやいや(笑)、ふつうでいいです。
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うーーん‥‥
ええと、じゃあ、いきます。
イサワさんは、
「ほぼ日」に入って‥‥3ヶ月目ですよね。
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そうです、3ヶ月目です。
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前の会社には‥‥13年いらして。
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はい、13年経理をやってました。
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「ほぼ日」は、その会社で、お昼休みに‥‥
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お昼休みに読んでました。
「はたらきたい。」とか、
お仕事系の記事が好きです。
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そんなイサワさんが「ほぼ日」に入社して、
最初にどう思いました?
どうですか? うちの会社。
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いいぞタナカちゃん、その調子。
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ギャップとかありました?
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ギャップですか、そうですね‥‥。
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思っていたのとちがう、みたいなこと。
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うーん‥‥。
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武井さんがちいさいとか。
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わははははは。
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やっぱり、あの‥‥
「ほぼ日」というところは
ディズニーランド的にたのしいんだろうな、
と思っていたのですが、
入ってみたら
ちゃんと仕事しないといけないんだって(笑)。
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あー、そうですよね(笑)。
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みんな意外とはたらいてるんですよね。
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うん。
それで、ええと‥‥次は何を聞けば‥‥。
どうしよう、わかんなくなっちゃった(笑)。
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大丈夫です(笑)。
ではここで、すこし脱線しましょう。
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脱線。
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おふたりに聞きたいことがあります。
ふたりとも過去に、
「ほぼ日」の乗組員募集に応募して、
その結果、ここにいるわけですよね。
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ええ、そうですね。
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人事採用とうのは、
「お見合い」みたいなものだと思うんです。
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あー、はい、わかります。
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だとすれば、
何が自分の「お見合い成立」の
ポイントになったと思っていますか?
つまり、「なぜ採用されたのか」。
自分が考えるその理由を教えてください。
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ああーー。
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まずは、タナカちゃん、
聞かせてください。
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えーー、うーーーん‥‥。
わたし、自分の面接を思い返すと、
ほんとに経理のことをよくわかってなかったので、
ぜんぜん答えられていないはずなんですよ。
だから‥‥
そうやって考えると、なんなんだろ?
わたしが採用された理由‥‥?
えーー、
うーん‥‥‥
顔じゃないですかね。
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‥‥え?
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え。
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顔だと思います。
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顔。
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そう、顔。
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‥‥すごいわ。
その答えは(笑)、ちょっとすごい。
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えー、だってなんか、
一次面接のときドアをあけて
部屋に入ったときに
みんなが笑顔でむかえてくれたんです、
私のことを。
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そりゃふつう、むかえるよ、笑顔で!
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いや、だって、ちがうのちがうの。
ほんとに面接のとき、
まともなことを答えた記憶がないの。
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あー、なるほど、
そうやって消去法で考えていくと‥‥
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そうそう!
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自分は顔で選ばれたとしか思えない(笑)。
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じゃないかなーと思ってます。
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タナカちゃん。
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はい。
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すごくおもしろいけど、たぶんちがうと思う。
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あら。
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タナカちゃんの顔は
もちろんすばらしいけれど、
でもそれだけで決めてたら、たいへんだよ?
問題ありますよ、うちの会社。
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そうなのね。
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顔だけじゃなくて、
ちゃんと総合的に見ているはずです。
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うーーん。
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‥‥でもなぁ、
「選ばれた理由は顔じゃないですかね」
という答えは、おもしろいなぁ。
あながち否定できないというか‥‥
「面構え」というのは大事で、
やっぱり人間は見ますからね、そこもね。
面接のときだけに限らず。
そうかぁ、顔かあ‥‥。
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ふふふふっ。
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すごいわ、タナカちゃん。
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すごいですね。
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イサワさんは、どうですか。
お見合い成立のポイントは?
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ぼくは、
嫁の推薦文かなって(笑)。
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ああーー! 推薦文。
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奥様が書かれたんですね。
どんなことを書いてくれたんですか?
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えーーと、それは‥‥。
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あ、言える範囲でかまいません。
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「あまりできる人ではありません」
と書いていたような(笑)。
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へええー。
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「できる人ではないけれど、
ほぼ日は好きで読んでいます。
本人が好きな職場ではたらけるなら、
応援します」
というようなことが書いてありました。
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なるほど。
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その推薦文には感謝しています。
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なるほど、なるほど‥‥。
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わたしにもそれがあった!
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な、なに? どうしたの。
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妹が書いてくれた推薦文を読んで、
わたし驚愕したんです。
「この子、こんなちゃんとした文章書けるんだ」
って思って。
しかもちょっとおもしろく書いてくれてたんで、
すごーいと思いました。
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ほらねー、
そういうポイントもあるじゃないですか。
だからやっぱり、
総合的なものなんですよ。
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うーーん。
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というわけで、脱線終了です。
タナカちゃん、
インタビューの続きを。
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‥‥え、どうしよう、なに聞けばいいの?
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テーマは、
「ほぼ日の経理の仕事で感じたこと」です。
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えーと‥‥。
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「なじむ」ことについて、とか。
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あ、じゃあ、それ!
イサワさん、どうですか?
3ヶ月経って、会社にはなじみましたか?
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いや、まだまだです。
乗組員としても、経理の仕事についても。
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乗組員としては徐々になじむので平気ですけど、
経理の仕事は?
どのあたりがなじまない感じですか?
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前の会社と比べてちがうところを見つけて
「ここは変えよう」と
つい考えてしまうんですが、
「ほぼ日」の会社としてのありかたを考えると、
どうも、そうではないようで‥‥。
自分のノウハウに合わせるのは
正しくないと思えてきて‥‥。
これは新しいやり方を考えないといけないぞ、
ということを、いま思っているところです。
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そうですか‥‥。
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新しいところに入ったときには、
自分の経験を
否定しないといけないような、
そういう局面がよくありますよね。
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はい。
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そこはしんどかったりしますか?
それとも、切り替えられるタイプですか?
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それが、
いましんどい時期なんだなって、
ちょっと思っています。
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悩みになっている‥‥?
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自分は何を求められて入ったのだろう?
ということは、よく考えています。
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経理、経理、経理、
経理の仕事ですよ(笑)。
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いや、経理なんですけど‥‥
いまやっている仕事のほとんどが、
素人のところなんですよ。
経験は別にそれほどいらないというか。
だから、正直に言うと、
前の会社でやった経験は活かせてないんです。
だから、そう考えると、
何を求められてるのかな? と。
わりとぼくは年齢も高めですし、
経験なのかなーと思って入ってきたんですけど、
そうではないようで。
そこを考えると、けっこうギャップが‥‥。
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そうですか、あの‥‥
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|
はい。
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あの、あれです‥‥
たしかに経理の経験は求めてたんですけど、
それよりももっと求めてたのは、
「うちの会社で
経理としてたのしくはたらける人」
ということなんです。
それがイサワさんだと思ったから、
イサワさんに来てもらおうと思ったんです。
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‥‥それは‥‥はじめて聞きました。
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イサワさんの経験が活かされていないのは、
ただ、その、まだうちの会社が
そこまでいってないから、だけなんです。
だって、もしね、
もっと大きな会社になれば、
イサワさんが前にいた会社でやってた仕事を
やらざるを得なくなるので、
そのときに初めて経験を
活かしてもらえると思うんです。
でもいまは、ぜんぜんそんな段階じゃない。
だからいまは、
いまやらなきゃいけないことを、
いっしょに分かち合ってやれる人が必要なんです。
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それは、
今回の募集でやってくる人も同じ‥‥?
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そうです、そうです。
経理だけがそんなにつっぱしって、
そんな、なんか、
ふつうの大企業みたいなことをやっても、
しょうがないって思っているので。
もちろん、
ね、
「そういうふうになるぞ!」
ってなったら、つっぱしりますよ。
でもいまはたぶん、
いまはまだちがうと思う。
なので、
ええと‥‥うーーん‥‥
なんか、もうちょっと
じょうずに言いたかったんだけど、
ごめんなさい、尻切れトンボ?(笑)
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いや、タナカちゃん、
いまのすごくよかったよ。
いい。
もういまので十分なんじゃない。
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あ、そう?
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うん。
あのね、読みものチームで、
1年くらい前から
新メンバー募集の話をしてたんだけど、
どんな人に来てほしいか?について
さんざん話し合った挙げ句、
全員一致でたどりついたのが、
「いばらない人」だったんですよ。
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へーー。
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みんなそれぞれ、いろいろ言うんだけど、
もう、見事に共通してるのが、
「いばらない人にきてほしい」
ていうことなの。
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わたしたちも、そうかも。
経理がいばる会社って多いんです(笑)。
でも、「ほぼ日」の経理がそれをやると
うちの雰囲気を壊しちゃうから。
そういうのって、
ぜったいに残念じゃないですか。
だから、いばらないは大事です。
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「のびのびやってくれる
いばらない人が仲間としてほしい」
それは読みものチームも同じなんですよ。 |
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うん。そうですね。
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じゃあ、終わりましょうか。
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はい。
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|
ありがとうございました。
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こちらこそー。
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‥‥しかしそれにしてもタナカちゃんの、
「選ばれた理由は顔」
っていうのは、ほんとにすごかったわ。
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ふふふふふっ。 |