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素人になにができるんだ、
だって?
ここまで、できるんだ!
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このRRRというジーンズマニアの人たちが、
ある意味で、このページの産婆みたいなものです。
モノをつくるということは、
情報を編集するということでもあるのだと、
あらためて実感しました。

彼らの「行動の軌跡」を一冊の本にまとめたのですが、
これは、次の時代を予感させるビジネス書です。
むろん、ジーンズファンには、たまらないカルトな一冊とも
言えるんですけどね。


「空中ジーンズ工場」の担当編集者ツルチカさんが、
マーケティングの専門家のスガハラさんのところに、本を送りました。
それを読んだスガハラさんは、「気分はプロフェッショナル」になって、
ツルチカさんに、メールを飛ばしました。
びゅびゅびゅーん!
ツルチカさん(ぼくも)は、それを読んでかなり膝をうったので、
膝が痛くなりました。
ツルとスガは、どっかで会いましょうと約束をしたらしいです。


空中ジーンズ工場を読んでのスガハラさんの感想

読者アンケートの集計をした鶴見さんが、
スガハラさんに送ったメイル。

菅原章サマ

御無沙汰しています。
すっかり秋めいてまいりました。いかがお過ごしでしょうか?
ほぼ日「恋はハートで仕事はマジで!」ちゃんと見ていますよ!

「空中ジーンズ工場」も刊行して2ヶ月余り。
少しずつ返品されながらもまだしぶとく書店に居座っています。
その面積は少々狭くなったようですがね。
あー、あと2ヶ月すると一気に勝敗が決するんです。
ここでもひとつ盛り返したい……そう思っている矢先の未来潮流。
RRRも4人全員が登場するので楽しみです。
PRになれば……と思っています。

読者のアンケートハガキも戻ってきているので、
その集計をしてみました。
集計した数字から見えてくることがあると思うんですが、
そういう分析ってあまりしたことなくて。
こういう場合の見方、みたいなものを
ちょっと御指南いただけると大変ありがたいなどと
急に思い立ったものでメールいたしました。

ざっと年齢、住所、購買動機、職業、購読新聞、
雑誌の集計をしました。
これだけ見てもなかなか思うところがあります。

1)今までの小社の読者とは違う層の購入が多い。
今までの読者とは? 40〜50代。70、80代。
(購読新聞は朝日、雑誌は週刊文春といった感じの人)

2)小社の他の出版物と売れ行きのパターンが大きく違う。
通常は首都圏(東京、神奈川、大阪、京都など)での
売り上げが80%。
3)とも関連があるが、インターネットでの認知度が高いので
地方都市で意外と売れている。

3)購入動機が新しい!!
書店の店頭で見てというのと
インターネットで知ってとの差が少ない。
その他に○した人はほぼインターネットが動機と思われるので、
ほぼ同数。

4)ジーンズ、インターネットが題材のためか、
  男性が90%。

5)狙っていたビジネスマン系からの返答は少ない。
(その層はハガキを書かないのかもしれないが……)
ビジネスマンたちに新しい可能性を感じさせる……まで広まらず、
今のところはジーンズマニア中心か!?
(購読雑誌を見るとよりそう感じます)

6)街での情報差がある分、
  地方の方がインターネットが盛んなのかも。

お忙しい折、突然のことですみません。

集計をみて、スガハラさんが分析して、ツルミさんに送り返したメイル。

鶴見サマ

こちらこそ、ありがとうございます。
ざーっとデータ、および鶴見さんのコメントをみて
思ったことを思った順に言います。
ストラクチャーされてなくてすみません。
(この手のdiagnosisはよくやるのですが、
ちょっと時間がなくて思うままに書かせてもらいます。
すみません)

・「今までの小社の読者と比べて・・・」等、
御社の通常の顧客と比較されていますが、
読者は「筑摩書房」の本かどうかを見て、
それを意識して買っているわけではないので、
これはあまり意味がないでしょう

・94件ものデータがあれば通常かなりのことが言えます。
データの属性は、ここにかかれているものだけでしょうか。
いずれにしても興味深いデータです

・で、更にinsightを出そうと思うと、
属性と属性のかけ算(一般にcross tabといいます)をすることが
必須です。例えば、居住地X購買情報源などです。
インターネットが購買情報源として多いことと
地方の購買者が多いことを関連づけられていますが、
もしかすると、購買情報源が「インターネットで見て」、
という29人のうち20人が東京居住の方かもしれません。
そうするとこの仮説は否定されます。
あらゆる消費者属性を切り刻んで、
個々の消費者の姿を

浮き彫りにしてしまうことが必要かと思われます

・ビジネスマンの手に届いていないかもしれない、
ということですが、
購買新聞の2位に日経が来ていることを思えば
そんなことはないのでは?
これもcroastabで確認すべきでしょう。
例えば、購買新聞X年齢で日経X30才以上というセグメントが
抽出されたとして、そのセグメントの購買情報源を分析した結果、
「書店で見て」、という比率が高ければ、意味合いとしては、
「ビジネスマンがビジネス書と見なしてこの本を買った人が多い」
ということになります。

・50才以上が5人もいることが気になります。
5人くらいだったら、
5枚のはがきをraw dataレベルでじっと読み込んだら、
かなりのinsightが湧くのでは?
是非みてみたい。このセグメントがどんなどこに住んでいて、
どんな購買情報源で買っていて、どんな雑誌読んでるのか。
5人くらいだったら、名前ベースで、
「山口さんってのは、こんな人だけど、
高橋さんはこういう人だよね」
という会話ができるくらい、消費者の顔がはっきりしてきます。
う〜む、これは面白そう。是非raw dataがみたい。

・で、もう一つ。女性。
11人しかいないなら、彼女たちの性体、
いやまちがった生態を知りたい。
どこにすんでて、どんな購買情報源なのだろう。
もしかしたらこの全員、東京にすんでて、
全員の購買情報源が「書店でみて」かもしれない。
だとすると、「女性はネットなんかはやらないが、
実はコンプレックスをもっていて、
インターネットがらみだが、
ばりばりインターネットじゃない本に飛びつく」なんて、
ちょっとこじつけっぽいような仮説まで飛び出す。

う〜ん、久しぶりに消費者データの生々しい側面にふれました。
ありがとうございます。
消費者サーベイデータは宝の山です。
オフィスに居ながらにして、末端消費者の行動、
心理が手にとるようにわかる(設計次第ですが)代物なのです。

すみません、怒濤のように書いてしまいましたが、
お役に立ちましたでしょうか。
後で、時間を見つけて、また思うことがあったらご連絡します。

以上

1998-09-16-WED

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