ほぼ日刊イトイ新聞

仲間の背中を信じて走る。

サンドウィッチマンのおふたりは、
高校ラグビー部の同級生!
大好きなラグビーをもっと盛り上げるため、
ラグビー芸人として全力で応援しています。
おふたりがMCを務めるラジオ番組
『サンドウィッチマンのWe Love Rugby』では
毎週、ラグビーにゆかりのあるゲストとして
現役選手やラグビー経験者を招いているのですが、
なんとこのたび、糸井重里にお声がけいただきました。
ラグビー経験者ではない糸井だから気づいた、
にわかファンのたのしみ方で盛り上がったお話を、
「ほぼ日」編集バージョンでお届けします。
ラグビーを愛するみなさーん、
にわかですけどラグビーの輪に入れてもらえますか?

ON AIR

武将とたまご泥棒。

糸井
ラグビーに詳しい人から教わったんですが、
グラウンドの上で選手同士に考え方の違いがあると、
すごく大きな影響があるそうですね。
前回ワールドカップの南アフリカ戦にしても、
最後のワンプレーで、
「キックで引き分けに持ち込むか」
「スクラムで逆転勝利を目指すか」というのは、
頭を使いまくって選んだ答えですよね。
伊達
たしかにそうですね。
糸井
あの肉弾戦の背景には、
言葉の雨が降っているわけですよ。
伊達
ラグビーって
ルールが難しいと思われがちですが、
やっていることはすごく単純で、
ボールを持って前に進むだけなんです。
ただその中にサインプレーだとか、
チーム内の細かいルールがあるんですよね。
富澤
気性の荒い人の集まりだと
思われがちですけど、
じつは知的な人たちなんです。
糸井
ラグビー選手の第一印象は、
体が大きくて恐そうな人でしたが、
ラグビーを観はじめるようになったり、
詳しい人と話したりするようになって、
知的な部分がよーく伝わってきました。
彼らの頭の良さを知っていると、
試合中のプレーの裏にある練習が
ちょっとずつ見えてきますよね。
たとえば、ノールックパスをするにあたって、
どんな練習が行われてたかを
想像するだけでたのしいわけですよね。
これから観戦に行こうかなという人に対して、
「荒々しいぶつかり合う音がいいですよね」
という話だけで誘い込むだけじゃなくて、
「アイツら、頭もいいから嫌になっちゃうんだ」
という話を混ぜてあげると、
みんながまたおもしろがってくれるんですよ。
伊達
いやー、すごいな。
ラグビーを生で観るときの、
目線が変わってきますもんね。
富澤
糸井さん、好きな選手はできましたか?
糸井
ぼくがはじめてテレビでラグビーを観た
ワールドカップの時には、
まず、五郎丸ファンですよね。
伊達
キックの前のルーティーンの
五郎丸ポーズ、流行りましたもんね。
糸井
祈りに似たポーズから、なんかこう、
ぼくの中の信仰心を呼び起こしたのかな(笑)。
五郎丸さんにはキックがあるから、
ひとりで点を入れられるのもいいですよね。
五郎丸さんはお正月の対談で
ぼくの質問にもいっぱい答えてくれたんで、
ますますファンになりました。
じつはまだ若い、というのも意外でしたね。
伊達
そう、32歳でまだ若いんですよ。
糸井
その年齢で人気でもみくちゃになったのに、
知的な態度を保ち続けていて、
なおかつ肉弾をぶつけている。
まあ、他のポジションと比べたら
肉弾の部分は少ないと言えば少ないんですけど。
伊達
フルバックですから、
そんなにぶつかることはないかもしれません。
糸井
それでも時々、
大きなお手伝いに入ってますよね。
富澤
いいですねえ。
「大きなお手伝い」(笑)。
伊達
一言一言がキャッチコピーなんですよ。
すっごいなー、もう!
富澤
たぶん、同じチームの選手とか、
経験者が聞いてもびっくりしますよ。
五郎丸さんのプレーを
「手伝い」って見てるんだって(笑)。
糸井
ぼくは「大きなお手伝いだなあ」と
思って観ていましたよ。
それ、経験者には新鮮なんですね。
富澤
他の選手はどうですか。
糸井
リーチ・マイケルさんなんて、
戦国時代の武将を見ているようです。
伊達
武将ね、それわかります!
糸井
自分が先頭に立つんだけども、
死んじゃ困るというタイプの選手ですよね。
感情と知性のバランスが、
いかにも武将らしくていいんです。
激しく燃えて止められない感じもありながら、
その気持ちを抑えないといけない感じも
テレビから伝わってくるんです。
伊達
ああ、よくわかります。
糸井
みんなそれぞれにいいですけど、
特に気になっているのは、
あの背丈でやっている田中選手ね。
伊達
スクラムハーフの
田中史朗選手。
ⒸJR2019, Photo by H.Nagaoka
糸井
スクラムハーフって要するに、
ボールを盗み出す人でしょう?
伊達
そうです。
糸井
たまご泥棒みたいですよね。
サンド
ぶわっはっはっは!!
伊達
ああ、これはおもしろい!
スクラムハーフをたまご泥棒!
本っ当に、にわかファンらしくていいですね。
富澤
田中選手は小さいから、
なおさらたまご泥棒みたい(笑)。
伊達
これはね、糸井さんにしか言えません!
いやあすごい。さすがですわ。
糸井
素人のうちしか言えないことがありますから、
ぼくの良さを引き出してください(笑)。
伊達
ああ、これはすごいなあ。
たまごを盗んでいるみたいです。
ⒸJR2019, Photo by H.Nagaoka
富澤
はあー、素晴らしいですね。
ラグビーを観たことがない人に、
「あの選手、よーく見て。ほら、あのたまご泥棒!」、
いやあ、おもしろいねえ!
伊達
田中選手、身長166センチで
ちょこちょこ動き回ってるんだよねー!
富澤
「ほら、あの武将とたまご泥棒見ててよ」。
伊達
わっはっはっは!
糸井さんならではだな、本当に。
糸井
田中選手はね、
奥さんの献身ぶりもいいんですよ。
伊達
田中選手の奥さん、
ずっと応援しているんですよね。
糸井
ラグビー選手の奥さんはだいたい良くて、
「奥さん業」が、にわかじゃないんですよ。
ぼくは、ラグビー選手は奥さんは
にわかじゃダメだと思うんです。
「わたし、普段はキュウリとか切らないし」
とか言うような人と結婚したら、
ラグビー選手のボディは維持できないですから。
伊達
ああ、なるほどなるほど。
糸井
で、そのような奥さんを作り上げているのは、
ラグビー選手である旦那なんですよ。
組織の最小単位は家族ですから、
ラグビーの組織力が活かされているのかな。
足を踏んだり、おいしい物を作ってくれたり、
子どもの面倒を見てくれたりする、
ひとつのチームを作り上げているんですよね。
田中選手も山田選手もリーチ・マイケル選手も、
みんなそうだと思うんですよね。
ラグビー選手は胆力もあるし、知力もあるし、
全部を持っているんだって思いますね。
伊達
糸井さんの目線はやっぱり独特で
おもしろいですねー。
富澤
いや、感心しました。
奥さんまで見てるんだ(笑)。
伊達
こういう見方があるんですね。
これから田中選手のことは、
たまご泥棒にしか見えません。
富澤
そう思って試合を観ると、
またおもしろくなります。

(つづきます)

2019-03-03-SUN

TBSラジオ
「サンドウィッチマンのWe Love Rugby」
毎週火曜から金曜 夕方5時50分~6時
AM954kHz、FM90.5MHz

サンドウィッチマンのおふたりが、
今年、日本で開催されるラグビーワールドカップを
応援するために放送中のラジオ番組。
現役選手からラグビー芸人といった経験者など、
毎週、ラグビーにゆかりのあるゲストを迎えて
ラグビーの話題で盛り上がっています。

公式ページはこちらからどうぞ。
パソコンやスマートフォンから「radiko」でも
聴くことができますよ。

ほぼ日のラグビー企画

  • 仲間の背中を信じて走る。
  • にわかラグビーファン、U20日本代表ヘッドコーチに会う。
  • ものすごく気軽にラグビーを観に行こう。
  • 行ってきました、はじめてのラグビー観戦!トップリーグ開幕戦@秩父宮ラグビー場