糸井 |
たのしみですね、ほんとに。
『さよなら群青』がどうなっていくのか。
最後はどうなるんだろう‥‥。
──マンガっていうのはどうなんですか?
終わり決めておいて
連載を続けることが多いんでしょうか。 |
さそう |
それは漫画家によるんですが、
ぼくの場合は最後どうするかを
わりと考えているほうだと思います。 |
糸井 |
最後は決まっている。 |
さそう |
『神童』にしても『マエストロ』にしても、
最後がどうなるかは早い段階からありました。
でも『さよなら群青』は、
ぼくにしては珍しく、まだ最後がないんです。 |
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糸井 |
へぇー、そうなんですか。
決まっていない。
じゃあ、その意味では、
ご本人もたのしみなわけですね、最後が。 |
さそう |
そうですね。 |
編集の
かた |
ただ、じつはですね‥‥
『コミックバンチ』本誌での連載は、
3月の初めころで終わりになるんです。 |
糸井 |
‥‥え?
それだと話が終わらないでしょう。
4巻で完結なんですよね? |
編集の
かた |
そうなんです。
『コミックバンチ』に掲載されるのは
だいたい3巻までの内容です。
ですからその後の連載は、
モバイルサイトで続けることになりました。 |
糸井 |
モバイルサイト。
それはそれでいいと思うんですけど、
そうですか‥‥。
いや、でも、もったいないなぁ。
本誌で続ければいいじゃないですか。
ページは確保できるでしょう、
水着の写真とかをどかせば。 |
編集の
かた |
いや(笑)糸井さん、うちはもともと
グラビアページがないんです。 |
糸井 |
うーん‥‥3月で終わり。
ほんとですかそれは。 |
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さそう |
そうなんです。 |
編集の
かた |
‥‥そこで、ご相談があります。 |
糸井 |
なにを相談すればいいんでしょう。 |
編集の
かた |
「ほぼ日」さんで連載をしませんか。 |
糸井 |
──ぜったいやりますよ。 |
編集の
かた |
やってくださいますか。 |
糸井 |
ぼくらはぜったいやりますよ。
そんな話、乗るに決まってますよ。 |
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編集の
かた |
そうですか。 |
糸井 |
つまり、連載場所を「ほぼ日」に引っ越して、
4巻分をまるまる
うちで連載するということですよね。 |
編集の
かた |
はい。
モバイルサイトと同時連載で。 |
糸井 |
ぼくらは好きなマンガが
自分たちのところに載るのが
いちばんの理想ですから。
そんなの、ぜったいやりますよ。 |
編集の
かた |
ありがとうございます。 |
糸井 |
こちらこそ、
やらせていただいていいんでしょうか。 |
編集の
かた |
ぜひよろしくお願いします。 |
糸井 |
さそうさんは大丈夫ですか、
ウェブでの表現になりますけど。 |
さそう |
はい、それはもう、
『マエストロ』がそうだったので、
慣れてます。 |
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糸井 |
そうですか。
じゃあ、やりましょう。
読者によろこんでもらいましょう。 |
さそう |
はい。 |
糸井 |
読者はちゃんとわかってくれると思うんですよ。
──以前ぼくは、
『ディア・ドクター』っていう映画を
ほめまくったんですけど、
あの映画もやっぱり根っこのある作品なんです。 |
編集の
かた |
はい。 |
糸井 |
あの映画が推せるんだから、
『さよなら群青』だって推せますよ。 |
|
さそう |
ありがとうございます。 |
糸井 |
西川美和監督っていう人も、
そうとう言葉にならない部分で
勝負してますからね。
ストーリーとかビジュアル以外の
微妙ななにかを表現しようとして、
それがあんなによろこばれているんです。
あれを人はわかってくれるんだから、
大丈夫です、これもよろこばれます。 |
さそう |
最後までストーリーを考えてないのが、
こうなると良かったのかなって思います。 |
糸井 |
ああ〜、
ストーリーなんかどうだっていいんです。 |
さそう |
そうですか(笑)。 |
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糸井 |
まあ、どうでもいいっていうのは言いすぎで、
『さよなら群青』の色とか匂いを
ちゃんと感じるためには、
1巻から順に読んで、物語の流れの中で
世界観に触れたほうがいいに決まってるんです。
そこは、ストーリーマンガですから。 |
さそう |
はい。 |
糸井 |
でもやっぱり、いちばん大事なのは
そこじゃないって思うんですよ。
ぼくは『アバター』という映画で、
いちばんおもしろかったのは、
「身長が3メートル」ですから。
アバターの大きさが3メートルっていう設定が、
いちばん好きだったんです。
ほかにもいろいろほめるところはあるけど、
「3メートルなんだよ」っていうのは、
しびれましたねえ。
そういうのは、もう、
ストーリーと関係ないですもんね。 |
さそう |
はい。 |
糸井 |
とにかくもう、
ほんとうに好きなように描いてください。 |
さそう |
ありがとうございます。 |
糸井 |
あの島の、色とか匂いを、
ネットでぷんぷんさせていただきたいです。 |
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さそう |
そうですね‥‥ぜひ。 |
編集の
かた |
よろしくお願いします。 |
糸井 |
なんだかきょうはすっかり
漫研ムードになってしまって‥‥。 |
編集の
かた |
たのしかったです(笑)。 |
糸井 |
なんだかぼくばっかりがしゃべっちゃって、
すみませんでした。 |
さそう |
いえ、とても勉強になりました。 |
糸井 |
思いが噴き出しちゃったもんだから(笑)。 |
編集の
かた |
予定していた時間を
ずいぶんオーバーしてしまいました。 |
糸井 |
ついね、
ぼくはほんとうにしゃべりましたもん。
ひとりでしゃべっちゃった。
‥‥このマンガが悪いんですよ! |
一同 |
(笑) |
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(こうしてほぼ日への引っ越しが決まった
『さよなら群青』は、
すでに新展開の連載がはじまっています。
こちらから、どうぞ。
さそうあきら×糸井重里の対談は、今回で終わります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました) |