読みかえす
「今日のダーリン」
2003/05/31
今週は、なさけないのか、たのしいのか、
みたいな話を、3日ぶん、ご紹介します。
「あんまん」の話は、特に笑いましたよー!


5月25日

【「お天気や」でいること】

「体調のよくない日というのは、
 カラダが弱くなっているぶんだけ、
 ココロのほうも
 弱くなっているわけですよ。
 いつもならココロが
 皮膚で覆われているとすれば、
 体調の悪い日は、
 粘膜に覆われているという感じになる。
 そういうときには、
 傷つきやすかったり
 怒りやすかったりするわけです。
 ふつうだったら、
 そのままにしてることに対してでも、
 過剰に反応してしまうんですね。
 ・・・これってつまり
 『お天気や』ということでしょう。
 できることなら、『お天気や』の状態で
 何かを言ったり書いたりすることは
 避けたいわけですよ。
 で、そういうときには、
 『お天気やになりやすい状態にいる私』
 であることを、
 あらかじめ伝えておきたくなるんですね。
 しかし、体調よくなくても、
 それを伝えないままで、
 『お天気や』にならない大人になることが
 いちばんいいんだと思います。」


5月27日

【吉本隆明さんとあんまん】

「それはさておき昨日は、
 吉本隆明さん宅にお邪魔しました。
 またまた、おもしろい話が聞けたので、
 近いうちに、『ほぼ日』で発表します。
 なんだか、ますます
 根源的なことを考えているようすで、
 人類がサルから、
 言葉を獲得するまでの間の、
 歴史的に無視されている
 10万年の空白について。
 『何もしてなかったはずはないんでさ』
 というような、
 スケールが大きくて愉快な話でした。

 糖尿病で食事制限中なのですが、
 最近、近所の店の人に
 『吉本さん、あんまんを買いましたよ』
 なんて、ご家族にチクられたらしいです。
 このへんのところは、
 スケールが、すごく小さいです。
 あいかわらず、いろんな意味で
 『いい味』出していました。
 『ぼくの住む村』には、
 いい長老が、たくさんいます。」


5月28日

【ぼくは「ヨシ」だった】

「『あらゆるお父さんは、昔、ワルだった』
 と、なにかに書いた憶えがあります。
 このことばが、中崎タツヤさんの
 『じみへん』というマンガに出てきて、
 妙にうれしかった思い出もあります。
 ほんとうに、
 ある程度の年齢の男たちは、
 皆、口を揃えて、
 『オレは昔はワルだった』と言います。
 しっかりスーツ着込んで、
 会社のバッジ付けている人が、
 『ワルだったからなぁ、オレも』
 と言います。
 たまに、ほんとうの場合もありますが、
 ほとんどウソです。
 若いときには、
 ワルに憧れたりするものですが、
 そのときの気持ちを肯定したくて、
 ウソを言っています。

 ぼく自身は、晩生のほうだったのですが、
 ろくでもないことは、
 ある程度はやっていましたが、
 ぜーんぜん
 『ワル』じゃなかったということは、
 自分がいちばんよく知っています。
 どちらかと言えば、『ヨシ』でした。
 いや、いま以上に
 『バカ』だったとも言えましょう。
 どんな時代の若者も、おじさんも、
 だいたいは、まぁ、そんなもんです。」

2003-05-31-SAT


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